活動記録

プログラム当日の様子や概要などをハートフルコーチがお伝えします

第29回ハートフルクラブ


7月18日(月・祝)に第29回ハートフルクラブが開催されました。
今回、『言葉が世界を切り開く』と題し、政治学者の専修大学 教授 岡田憲治先生にお話いただきました。

出だしから、会場をどっと湧かせる冗談をご披露くださり、参加者は大爆笑。おかげで、頭も身体も柔らかくして聞くことができました。

私たちは、この多様で広大無限な世界を、あくまでも自分たちそれぞれのカメラのファインダーを通して、それぞれのアングルで切り取って見ている。「あなたはどう思うか?」という質問は、正しい回答を求めているのではなく、あくまでも「あなたはこの世界をどう切り取って見ているのか?」ということを聞きたいのだ。

このお話に、私はハッとしました。
ハートフルコミュニケーションで受講した「エニアグラム」(人が生まれながらにして持つ、9つに分類される”気質”の特徴を様々な角度から学ぶことにより、自分自身や周囲の人への理解を深めるもの)によって、人の考え方や感じ方はこうも違うんだなあと、学ぶ度にその奥深さに引き込まれて行く感じがしていました。しかしながら、まだまだ理解の途中にいる私は、あくまでも自分自身が中心で、自分と周りの人との違いを、自分の軸から見ているような感覚でした。
今回のお話を伺って、私の見ている世界も、様々なアングルから切り取られた数多ある世界のひとつに過ぎないと、地球の外側から俯瞰できたような気がしました。

「あくまでも私はこのアングルで世界を切り取って見ています」「あなたは、そう世界を切り取って見ているんですねー」という視点で会話すると、自分の考えも声に出して言いやすいだろうし、相手の考えもより受け入れやすくなるような気がしました。

この日の午後、小学1年の次男と「ライオンキング」を観に行きました。
岡田先生のお話が心に響いたままの状態で観たので、自分たちが観ているバルコニー席からの見え方も、あくまでもこのアングルで切り取って私は観ているのであり、1階席、2階席からのそれぞれの見え方、さらには出演者それぞれの役からの見え方、舞台裏からの見え方も全然違うんだろうなあと、以前に同じライオンキングを観たときとはまた違った見方をしている自分がいました。
それぞれの役の、それぞれの見え方によるストーリーを作ったら、全く違うストーリーが沢山できるんだろうなあと思いながら観ていると、スカー(悪役)が「真実は見る者の目によって違うんだ!」と叫びました。
きっと午前の講演会のお話を伺っていなかったら、このセリフを負け犬の遠吠え程度にしか聞こえていなかったと思うのですが、スカーのアングルで世界を切り取っていると見ると、確かに真実は違って見えるだろうなあと妙に納得したのでした。

自分の考えをたくさんの言葉で声に出してはじめて、自分の切り取った世界を相手に伝えることができる。相手の切り取った世界も、たくさんの言葉で声に出してもらってはじめて共有することができる。「声帯が震えると世界が浮き上がる!」とのお言葉が岡田先生からありましたが、まずは家庭から、どんどん声帯を震わせて、「世界をどんな風に切り取って見ている?」「お父さんはこんなアングルで。お母さんはこんな風に世界を切り取って見ているよ」という話が常にできる環境にしていきたいと思いました。
と同時に、人間に生まれたからこその、たくさんの言葉を使って喜びやうれしさを共有し共感できることの素晴らしさを改めて感じました。世界を浮上させるのは「言葉」だからこそ、その言葉を存分に味わって大切につかっていきたいと思いました。

五十君朋子 
















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