活動記録

プログラム当日の様子や概要などをハートフルコーチがお伝えします

第36回 ハートフルクラブ


3月4日のハートフルクラブは、以前、ご登壇いただいた際に好評で、「もっとお話を伺いたい」というリクエストをいただいた慶応義塾大学の花田光世先生の第2弾でした。
テーマは、「あなたのお子さんが生き抜く社会と自分の成長に本気になる教育とは」です。

今回は、聞きながら次第に気が滅入っていきました。
まず、2年後2020年には、日本人女性の人口の半分が50歳代になる。
15年後、2030〜2035年頃、日本は危機を迎える。
年金は1.5人で支えるようになり年金システムは崩壊。
団塊ジュニアが60代に突入し超高齢化社会になる。
その頃、今ある仕事の約半分は無くなり、約半分は今はない未知の仕事になっている。
高度成長期に作られた社会インフラが劣化し始める。
・・などなど、今、5歳の子どもたちが大人の仲間入りをする20歳を過ぎ社会人になる頃、
多分、自分の親よりもレベルの低い生活しかできないことを知るだろうと、静かに淡々とこれから日本社会が迎えるだろう危機を説明してくださいました。

私は、社会問題にもそれなりに関心を持ち少子高齢化の現状を分かっていたつもりでいましたが、
データで見る日本の未来に起こる現実を目の前に突きつけられ、思わずため息が出ていました。
子どもだけでなく、私たちにとってもこれから生きる社会がどうなるのかは重要です。
60歳を過ぎたら、定年退職して、老後は年金で・・なんてライフプランは成り立たない。
健康寿命と言われる80歳くらいまで働き、自分の老後を自分で面倒をみれるように
資金計画を立てなければならない現実が、すぐそこにきている・・
私だけでなく、参加者の誰もがその厳しさに愕然としていました。

じゃあ、私たちはどう生きたらいいのだろう。
子どもたちをどう育てたらいいのだろう。
子どもたちの夢は?希望は?将来なりたい仕事は?
子どもたちに、何を目標にして生きていくように伝えたらいいのだろう?
そんな事が頭の中をグルグルまわっていました。

かなり厳しいお話でしたが、そんな時代を生き抜くヒントを2つ見つけました。

1つ目は、自己肯定感です。
ただ、当たり前すぎて流してしまいそうでしたが、花田先生が「標準的な自己肯定感はない」と仰った
一言にはっとしました。
自己肯定感を支える感情である自信には説明のつかない根拠があって、
そもそも自信の根拠を標準化、一般化してあてはめようとすることに意味がない。
その人なりの独自の他人に理解されにくい根拠があり、それでいい、と。
もしかしたら、私は、私が思う根拠のある自己肯定感を押し付けていたかもしれないと反省しました。
これからは、「この子の自信がどこからくるかに共感し、寄り添う」事で支えていきたいと思います。

2つ目は、自分なりの自分軸を持つ、ということです。
自分が大切だと思うもの、好きなものを持っていること。時間を忘れて没頭できるものがあること。
自分軸を持っていると、人の評価に一喜一憂せず、好きなものは大変さを乗り越える力がある。
これが、変化の多い時代を生き抜く力になることを改めて気付かされました。

もう一つ、私が救いだと思えたのは、今、このタイミングでお話を聞けた事です。
お陰さまで、最悪な未来さえも想定内にできます。
どれだけ準備をしても、20〜30年後、私の価値観を超えた想定外のことが起こるかもしれません。
それでも、今から準備をするのとしないのとでは、受け止め方、対応力は全く違うのではないかと思いました。
それは、子どもたちにとっても同じだと思うのです。
過酷かもしれませんが、未来の日本、そして社会が直面する事実を知らせ、自分を信じる強さとしなやかさを
持てるように育てるサポートをしていこうと思いました。
変化を恐れるのではなく、変化を楽しむことが新しい時代を生きるコツなのかも・・・そう思い出すと、あら不思議!
あんなにお先真っ暗だと思っていた未来が、どんどん明るい未来に変わっていました。

ピンチの中にチャンスを見つけ、子どもたちも、私も、新しいチャレンジを楽しんで生き抜こうと思います。

ハートフルコーチ・湯地 知美 




2018年03月31日(土) No.158 (ハートフルクラブ)

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