ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

鳴かぬなら・・・?


こんにちは。東京在住の平沢恭子です。
かずぱるさん。お兄ちゃんのエスコートぶり、頼もしいですね。
お兄ちゃんも妹をエスコートできる達成感を体験できて自信がついたことでしょう。

さて、かずぱるさんのお話に触発されて、私も兄弟話をご紹介したいと思います。

4歳の次男が通信教育の教材にトライしていたとき、小6の長男が家庭教師をかってでました。
ちょうど夕飯時で忙しくしていた私は、しめしめと思い長男にその役を任せることにしました。
すると長男はやたらと居丈高に教え始め、「ほらっ。ちゃんと読んで!」、「 違う違う、よく考えてみろよっ」と、威圧的。次男はだんだんやる気をなくして、最後にはふてくされてしまい、考えることを放棄してしまいました。長男はといえば、思い通りにならない弟の態度にイライラをつのらせている様子。

そんな様子をみて、『脅したってうまくいかないよ』とアドバイスをしたくなりました。しかし、天邪鬼で人のいうとおりにするのが大嫌いな長男に、アドバイスをしても受け入れてもらえないのは火を見るより明らかなので、さて、どうしたもんかと考えていたら、ふとよいアイデアが浮かんだので試してみることにしました。

そのアイデアとは、「偉人のエピソードを話す作戦」です。

「突然ですが問題です!“鳴かぬなら殺してしまえホトトギス”って、どんな戦国武将をたとえた俳句でしょうか?」と質問すると、
長男は「あ、知ってる! ええと織田信長でしょ?」とのってきました。「おっ!よく知っているね。じゃあ、“鳴かぬならなくまでまとうホトトギス”、“鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス”は?」。
長男、しばし考えて、家康と秀吉にたどり着きました。

そこで私は「信長は思い通りにならないと相手を殺しちゃうタイプで、家康は相手がやる気になるまで待つタイプ。秀吉は、自分で工夫して相手のやる気を引き出すタイプの武将だったみたいだね。具体的にはこんなことして、あんなことしてうんぬん・・・・。で、自分はどのタイプだと思う?」と、史実を話しながら長男に問うと、「俺はね〜。信長じゃないし、誰でもないな」。
私「そう?さっきの教え方は、信長っぽかったよ」「えっ!?そう??」と意外そうな反応。
「ママはさ、秀吉みたいにいろんな工夫をして人のやる気を引き出すやり方ができるといいなあっていつも思うんだよね。ま、ママは家康タイプだけどね。」とエピソード談義を終了しました。

長男は、「ふうん」といったまま無反応でしたが、しばらくして思い立ったように次男の家庭教師を再開しはじめました。すると今度は、「ねえ、よくみてみて。ここがこうなっているでしょ? ・・・そうそう! よくわかったね・・・すごいすごい」と、さっきまでとは打って変わった対応をするではありませんか。
なにやら偉人のエピソードに心動かされたみたいだぞ、と実感した出来事でした。

その「なにやら」が気になり、後日、次男への対応を変えた理由を聞いてみたら、「ママの話を聞いてたらね、自分が教わる側で教えてくれる人が信長みたいだったらやだな〜と思ったんだよね。あ、あと、ママのもっている本を読んだことがあるんだけど、やる気にさせるコツが書いてあったんで、それを試してみたんだよ」と。

なるほど、「脅しても人ってやる気にならないよ」とダイレクトにアドバイスするより、それに関係するエピソードを話せば、私が伝えたかった意図がスムーズに通じ、自分のなかにある引きだしから自分なりの方法を編み出すのだなあと、発見した体験でした。

さてお次は八王子在住のワカメンこと海藻さんにバトンタッチ。どんなお話が聞けるか楽しみです。

東京都/平沢恭子 


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