ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

おじいちゃんのやる気


こんにちは。川崎在住の杉本です。
桜の花も今が見ごろ。一雨ごとに「あ〜、もう少し(入学式までとか)咲いていて
ね」という声が周りから聞こえます。平沢家はもうお花見したかな?

1年のたつのは早いな〜と毎年思うのですが、先日友人と話していて一昨年の事を思い出しました。しばらく忘れていたことです。
一緒に住んでいる義父が玄関先で足を滑らせ転んでしまいました。
家族は当初、大したことはないと思っていたのですが、体の自由が利かなくなったこ
とにより、
元々患っていた内臓系の病気を悪化させることになり緊急入院となりました。
一時は命の危険もあったのですが、なんとか持ち直してくれ、いつ退院できるかわからない入院生活に入りました。

義父はとても器用な人で、庭仕事や日曜大工などが得意。特に庭木の世話は、ご近所の庭仕事に来た職人さんにも褒められるくらいの腕前。季節ごとに咲く様々な花や木の世話をよくやっていました。
本を読むことも大好き。遠くの図書館に通い、本を何冊も借りていました。

身体が動かせないのは義父にとって、とても辛かったのだろうと今なら判るのです
が、覇気のない様子を見ていると寂しいやら心配やらで、
「お相撲見たいでしょ? テレビもってくるよ」と病室にテレビを運び、
「ラジオ聞けば?」とラジオを持ってくる。
さすがに庭仕事はできないから、せめて本とか新聞をと思い、「何読みたい? 借りてこようか?」
思えばこちらから勝手に、たたみかけるように働きかけていたようです。

ですが・・・本人は気力がわかない様子。
リハビリも最初は「やりたくない」と看護婦さんに言っていたようです。

ある日お見舞いに行ったとき、病室の窓から山茶花の花が美しく咲いているのが見え
たので、
「おじいちゃん、そういえば庭のさざんか咲き始めたよ。でもなんだか勢いがないわ。おじいちゃんの世話がないとダメなんじゃない?退院したら綺麗にしてあげてほしいな〜」
と話したら、義父が「そうだな〜」と。
「あれ? もしかして今の声には元気があったような気がする・・」
そっか、退院した時のいいイメージを思い出してもらおう。

そう考えて、松の木、梅の木、幸福の木・・もうこの際なんでもいいや。義父が剪定したり、大事に育ててくれていた庭の木を総動員。
また「家のあそこがなんだか調子悪いみたい。パパでは直せないらしいの。おじいちゃんが退院するまで待っているね」と声をかけて、
いかに私たちが義父の退院を待ち、助けてもらいたい事がたくさんあるのかを話しました。

そうしていると、義父も退院して、自分が以前のように働いている姿を想像できたようです。
それからはリハビリも積極的にやり、あれやこれやという間に歩けるように。
リハビリの様子を見に行ったとき、高々と手を挙げて「こっち、こっち」と呼んでくれた時の顔が忘れられません。

未来にいいイメージを持つことのすごさを実感しました。
きっと子どもだって同じでしょう。「こうできたらいいな〜」という、良いイメージを持つことは前にすすむ原動力となります。
だから私も子どがそう思える働きかけをしていきたいし、また自分自身も「できたらいいな!」を忘れないようにしたいと思います。

お次はともどん。群馬は桜、どんな感じでしょうか?

神奈川県/杉本真紀







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