ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

子どもは正直


こんにちは。倉敷の豊田園子です。
秋祭りのお囃子が聞こえ、お神輿を見かけるとなんだかワクワクした気持ちになります。我が家の地区も今週末が秋祭りで、元気な子ども神輿が楽しみです。
りえちゃん家のお月見行事、楽しそうですね。りえちゃんの心には、目をまんまるくして驚いてる子どもたちの顔が、今でもしっかり焼きついてるのですね。

私も子どもたちの幼い頃の天真爛漫な表情を大切な思い出として、しっかりと覚えています。その反対に、その天真爛漫な子どもたちによって、私が目をまんまるくさせられた体験もたくさんあります。今回は、その中の一つをご紹介します。

三人兄弟の次男が幼稚園児の頃の話です。
幼稚園で父の日のプレゼントを作って帰ってきたことがあります。プレゼントは宝箱。木箱に色ペンで次男が絵を描いていました。宝箱のふたの表面部分には、大きな顔が一つ、中くらいの顔が一つ、少し小さめの顔が二つ、描かれていました。

(あれ?我が家は、パパとママ、次男を入れて子どもが3人の5人家族。あっ!プレゼントだから自分を描いていないのね)
そう思いながら、次男に質問をしました。「この大きなお顔がパパかな?」
次男は、嬉しそうに答えます。「これ、ぼくだよ!」
予想外の次男の答えに、私の目がまるくなりました。
「あ〜そうなんだ。じゃ、この隣のお顔がパパかな?」と、中くらいの顔を指しました。
「えーそれは、ママだよ」
(あら〜いつも一緒にいるから、ママをパパより大きく描いてくれたんだ。父の日のプレゼントなのにちょっと夫に申し訳ないな)と考えていたら、
次男が続けて言いました。「この小さいのが、○○と○○だよ」
…なんと、その小さな二つの顔は、三人兄弟の兄と弟ではありませんか!
私の目はますますまんまるくなりました。
「えーっと、パパはどこにいるのかな?」そうたずねると、次男は宝箱を横にして「ここだよ!」と箱の側面を指さしながら言いました。あまりの展開に驚く私は、次男に動揺が伝わらないように、落ち着いた声で「どうして、パパはここにいるのかな?」と聞くと、
「パパは会社に行って、家にはいないから!」と笑顔で答えました。

確かに、その頃、夫は仕事が忙しく、家に帰るのは子どもたちがぐっすり眠る真夜中でした。朝もあまり顔を合わせることはなく、私と子どもたち3人の生活が続いていました。私は、次男の手作りの宝箱を手に、深いため息をついていました。

でも夫も忙しい中を、私がPTA役員などで出かける時などは、時間をやりくりして、子どもたちとの時間を作ってくれていましたから、父親とのふれあいがなかったわけではありませんでした。そう思い直し、もう一度、次男にたずねました。
「パパはいつもお仕事で忙しいけど、おうちで一緒に遊んでくれることもあるよね」
「うん、そうだよ。そういう時は、ママが学校や幼稚園のお手伝いで忙しくて、これがパパになって、こっちがママになる」そう言って、中くらいの顔をパパ、側面の顔をママと言うのです。

これまた、胸が苦しくなりました。“パパが家にいるときは、ママが出かけてる。だから、いつも家族は4人”次男はそう感じているのです。
子どもは本当に正直です。次男は、決してその状況が寂しくて、描いたわけではないようでしたが、我が家の現状がその作品で浮き彫りになりました。それも、父の日のプレゼントなのに!

後日、次男から父の日のプレゼントを受け取った夫は、箱の正面に4人しかいない絵を見ても全く疑問に思わず、嬉しそうに受け取っていました。
その夜、そんな夫にこっそりと解説も付けながら話をし、これからはどんなに忙しくても、家族揃って楽しい時間を作らないといけないねと夫婦で固く誓ったのでした。

この体験から、子どもの気持ちや感じていることは、子どもの言動以外からもくみ取ることができるということが身にしみてわかり、その後は、子どもに関わるいろんなものに目を配るようになりました。もちろん、それ以後、子どもたちの描く家族の絵は5人になりました(笑)

では、次回は、千葉の福田さんです。どんなお話が届くか、楽しみにしています。

岡山県/豊田園子 








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