ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

ダイブ


ご両親に寄り添うことを続けられているくりさんがとても素敵だなーと思いつつ、バトンを受け取りました。
兵庫県明石市のはせなかです。
さて、もう今年も12月に入ってしまいました。

今年もたくさんの子ども達と出会いました。
今日は、ある高校生達のコミュニケーションの授業でのお話。
授業で使用している教室は、視聴覚室なので、机や椅子がない広い空間があります。その空間を使って、生徒に自由に歩いてもらうことがありました。
いつものごとく「ささ! みんな、歩いて〜」と言うと、ひとりで歩く生徒、誰かにくっついていないと歩けない生徒と様々です。それでも始めた頃より随分上手に歩いています。
その日は、全員をストップさせて「1人だけ歩いていい!」というゲームをしました。

誰でもいいので1人が歩き出し、その人が止まると即座に他の誰か1人が歩き出す。他の誰かが歩き出すと歩いている人は止まる。
周りのみんなを感じつつ、譲ったり、譲られたりしながら、ただ1人の人が歩くというルールのゲームです。
実は、このゲームはこのクラスでは2回目。前回上手くいかなかったので、リベンジです。

「周りのみんなを感じつつ、止まったり、歩いたりしてみて。後ろを向いている人にもわかるようにはどうしたらいいか工夫もしてね。たとえばこんな風だよ」と私が例をやってみせます。

「ではスタート!」
やってみると、まず、ストップして動かないことが難しい生徒もいます。足は止まっているものの、なぜか上半身は動いています。
ストップすることに慣れていないし、なんだか照れくさいようで、すぐに他の生徒にちょっかいを出したりします。

そして、私が黙っているとだれも歩き出しません。
みんなの前で1歩、歩き出すことは彼等にとって勇気がいることなのでしょうか。何人かは「歩きよ!」と他の子に目配せしたり声にだしていたりしますが、自分からは歩きません。

私が「誰か歩いてみて〜」と何回か声をかけるとやっと、勇気を出して歩き出そうとする生徒が出てきました。すると、「次、あんたやで!」というように自分の次に歩く子を決めてから歩きはじめました。
次々そうなり、まるで見えないバトンがあって、「はい、次、歩いて!」「はい、次、歩いて!」と指示しながらバトンを渡しているようです。
確かに確実に1人だけ歩くというルールは守られてはいるのですが。

私「あ、ごめん、言い方が悪かったかな。えっと 次に歩く人を決めて指示せずにね、まわりの人を感じながら、歩く人が止まったら、誰かが歩く、他の誰かが歩き出すと止まるって感じ。歩くのを取ったり取られたりする感じ、わかる?」
そしてまた、私が歩いてみせて説明。

「え? どういうこと?????」
「どうやって歩くん? わからへん??」

お〜 何度もいろんな現場でこのゲームをやったけれど、「ランダムに1人だけ歩く」ことを伝えるのがこんなに難しいのははじめて〜。
何回も私が例で歩いてみせたけれど、なかなか伝わらない。

「何がわからない? 何で上手くいかないんだろうか?」と質問してみた。
なかなか、意見が出てこない。2、3回聞いてみるとやっと、
「動いている人が何人かいるからわかりづらい」「動き出すタイミングがわからない」
「恥ずかしい」「もしかしたら自分が動いた時に誰かが動くかもしれないから、動けない」
とのこと。
動く人が何人かいる。確かにわかりにくいよね。タイミングがわからないから1歩がでないのか〜。恥ずかしよね〜。誰かとかぶったら怖いもんね〜。
なるほど。なるほど。

このゲームは、自分から1歩踏み出してみる体験、自分の役割、同時に動いちゃうことを楽しめたり、諦めずやってみること、誰かを助けたり、助けられたり、人を感じるなどなどといろんな気付きを体験できます。

恥ずかしいのは、お年頃でもある。
そして、恥ずかしいけどやってみる、誰かとかぶっちゃってつい笑いが起こったり、頭で考えすぎてしまって、まだ起こってもいないことで動けなくなることや、動いてみて成功したことなど、様々な体験を重ねてほしい。

みんなには「できない、わからない」という枠があって、その枠をはずしたい〜などという衝動が沸き起こります。
中にはわかっているけど1歩が出ない人もいるのだと思います。

誰かとかぶってもいいじゃない、失敗したっていいじゃない。
頭で考えすぎずに、まず動いてみることを恐れないでほしいなーと思うのです。

単なるゲームですが、のびのびとチャレンジをして日常に活かしてもらえたらこんなに嬉しいことはありません。

そして、私の伝え方やみんながチャレンジ出来る場作りがどうだったのか?と、はっとするのです。

2学期も終わるこんな時期に新たなる課題を子供たちからもらいました(笑)。

「りえちゃん、このゲームまだまだやるで!!」とクラスのみんなに宣言し、次はどこから攻めてみようかとワクワクしはじめた私です。

いつも子ども達のなかに飛び込む勇気をもとうと、改めて感じさせられました。
日々、いろんなことにダイブ!ですね。
あ、危険なことには飛び込まないでとは伝えています。笑

さて、次は、千葉の福田さんのお話です。
どんなお話か、これもまたワクワクしてしまいますね。

兵庫県/はせなかりえ 








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