活動記録

プログラム当日の様子や概要などをハートフルコーチがお伝えします

ハートフルコーチ養成講座初級/東京(4)


7月5日(土)、コーチ養成講座初級の4回目に参加させていただきました。

まずは、一か月を振り返るチェックインからスタートです。二回目に参加させていただいた時よりも、さらにハートフルコミュニケーションの視点に立った振返りの話が多く聞かれ、これまでの学びの成果を感じる時間となりました。
この日のテーマは「人の役に立つ喜び」です。講師菅原からは「人の役に立つ喜びというのは、自らの内側から湧き出るもの。人の役に立てたという喜びが子どもの自発的な“やる気の種”を育てます」という話しがありました。

私が生まれた家は自営で小さな会社を営んでいました。私が幼稚園に通っていた頃は特に忙しく、両親とも朝早くから夜遅くまでほとんどの時間働いていた記憶があります。
家族構成は、両親と小学1年の兄の4人家族。近くに親戚もいない状況で幼い子どもをかかえ、母は本当に大変だったろうと思います。
当時、会社は自宅から歩いて3分ほどの所にあり、母は仕事の合間をぬって家に帰ってきては、私たちに夕食を食べさせるとまたすぐに会社に戻り、私たちが眠るころに帰って来るという日々でした。夜、母が家にいない淋しさから、私は一人で会社に行っては母を困らせたものでした。
夜遅い時間に幼稚園児が一人出歩くのは、あまり喜ばしいことではありません。母も困ったのでしょう。ある時、母は私たち二人にこう言いました。「あなたたち二人が仲良くお家で待っていてくれるから、お母さんは安心して仕事が出来るのよ。お兄ちゃんが清美を見ていてくれると、とても助かるわ」と。まだ、私の面倒を見るという自覚がなかった兄に、私が家から出るのを防いで欲しかったのだと思います。
その時、母は私たちに「待っていないとダメじゃない」ではなく、「待っていてくれると安心」、兄には「見ていてくれなくちゃ困るじゃない」ではなく、「見ていてくれると助かるわ」と言ったのです。言い方が違えば「叱られた」という思いになるところですが、この時の母の言い方は子ども心に「二人で仲良く待っていれば、お母さんが喜ぶ」という理解につながりました。

それ以来、私は兄の言うことをよく聞き、兄も私の面倒をよく見てくれました。それをすると、母が喜んでくれるからです。大きくなり、出来ることが増えると、手伝えることも増え、ますます母を喜ばせたい思いで頑張ったことを覚えています。それはまさに自発的なやる気から生まれた行動でした。あの時、母はとても上手に私たちに“やる気の種”を植え付けたのです。当時、母は、一体どんな思いでいたのか、今は亡き母に聞いてみたい気がしています。

郡 清美









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