活動記録

プログラム当日の様子や概要などをハートフルコーチがお伝えします

第37回 ハートフルクラブ


7月7日のハートフルクラブは、子どもの発達を研究されている中野由美子先生をお招きして開催されました。

私は中1の男の子の母です。中野先生は親子同時教室に関わり、幼児期・思春期・プレ成人期にわたる30年間の縦断調査を行っていらしたとのことでした。子育てにかかる縦断調査は日本では珍しいのではないかと思い、ぜひお話をお伺いしたいと思って参加しました。

先生は、親世代がまず保育体験不足で子どもの「世話体験」が少なく苦労しているとおっしゃっていました。私自身、出産は36歳と遅いほうだったのですが、社会人としての経験は積んでいても、子どもの「世話体験」はほとんどなかったため、赤ちゃんへの接し方や育て方がわからず苦労しました。
現代は核家庭化が進み、親戚やきょうだいの赤ちゃんと日常的に接する機会がほとんどないため、自分の子どもで初めて赤ちゃんと向き合って接することになります。自分も毎日おっかなびっくり子育てしていたことを思い出しました。
そういう意味では、先生が携わっていらした親子同時教室のように、親が教育や子育ての支援を受けられる場所が身近にたくさんあればよいのにと思いました。

また、先生は親キャリアの特殊性としてブラック企業のようなものだとお話されました。子育ては、まさに「最初が最も大変で親は訓練や資格もない、ワンオペで無報酬で働く、そしてまた子育ては次世代に伝わる課業なのではないか?」と。
本当にそうだと思います。なんというハードワークを親たちは引き受けているこ
とか。だからこそ親には学びや支援が必要だと強く感じました。

子育ては生涯学習の原点であり、結局「共同作業であり、こどもから学び・親同士で学び合い、次世代につなぐ学びである」とのことでした。
子育てはブラック企業並みのハードワークではあるものの、たくさんの学びもあるし、私たち親も育つことができる。最終的には一人ではなく共同作業で乗り越えていくしかないのだとのお話でした。
自分のこれまでの子育てを振り返ってみても、とても一人ではできませんでした。周囲の支援やサポートがあって続けてこられたと思います。ただ、この支援やサポートが赤ちゃん期から積極的に受けられたら、また出産前にもっと子育てについて学ぶ場があればよかったなあと思いました。

現在、息子は中学1年生。思春期・反抗期に入り、これまでのようにコミュニケーションがスムーズに取れなくなってきて、毎日、私はもどかしい思いでいます。それだけに、先生が最後におしゃった言葉がとても印象に残りました。

「目の前の子どもを認めるしかない」
「親の思い通りでなくても納得して子どもの人生を認められる親になる」

このことが私が息子から子育てを通して学ばなければいけないことなのだろうと思います。
今回は赤ちゃんの頃からの子育てを振り返りながら、これからも続いていく息子の子育てにヒントをたくさんいただけた講演会でした。

ハートフルコーチ・鈴鹿路子 




2018年07月31日(火) No.232 (ハートフルクラブ)

No. PASS