活動記録

プログラム当日の様子や概要などをハートフルコーチがお伝えします

第39回ハートフルクラブ


3月3日に第39回ハートフルクラブを開催しました。
今回は「アクティブラーニングって何? 子どもたちが育つ学校づくり」をテーマに、品川区立第二延山小学校校長 瀧渕正史氏から主体的・対話的深い学び(アクティブラーニング)がどのように教育現場で取り入れられているのかお話しをうかがいました。40名近い参加者が熱心に耳を傾けました。

アクティブラーニングについては、最近よく耳にするもののきちんと理解していませんでした。滝渕先生が第二延山小学校で、このアクティブラーニングをどのように活用しているのかをさまざまな事例を紹介しながら、具体的にわかりやすくお話してくださいました。

第二延山小学校の学校づくりの視点は「1.教職員の資質・能力の向上」、「2.バックアップ体制の強化としての保護者・地域との連携」であるとのことでした。
実際の教室での授業は、東大大学院の市川伸一先生発信の授業構造がもとになっているとのことでした。ポイントは「従来の教えるだけの授業からの脱却」で、まず授業のはじめに大事なことを教え、その後児童が2人一組になり、教わったことを順番にお互いに説明するとのことでした。そしてさらに3人くらいで少し難しい問題にも協力しながらチャレンジするとのことでした。

高学年の授業の様子を映像で拝見しましたが、受け身で聞くだけの授業ではなく子どもたちが主体的に関わっている様子がとても印象的でした。
小学生にとって習ったことをすぐに自分の言葉で表現するのは難しいことだと思います。でも低学年からこの形式の授業で言語活動が鍛えられているおかげで、子どもたちには自分の言葉で説明する力がついて身についていくそうです。
教わるだけの受け身方式の授業で育った私からすると、子どもたちが本当にいきいきとしていて素晴らしいなと感じ、またうらやましいなと思いました。
授業の構造は学年や科目が違っても基本的には同じ考え方とのことなので、低学年から一貫したスタイルで学ぶことは非常に効果的なのではないでしょうか。
子どもへのアンケートでも国語が好きか、考えを話したり聞いたりするのが好きか、などの質問に5年生では80%以上の子が好き、と答えており子どもがこの授業方式を楽しんでいることがわかりました。

今回お話を聞いて、小さいときからの「自分の考えをきちんと他の人に話したり、またきちんと聞いたりできるというスキルの向上」というのは非常に重要なことなのだなと実感しました。この言語活動にかかるスキルは、子どもだけでなく大人になっても必要とされるものです。
我が家には中1の息子がいますが、自分の考えを上手に説明するのは得意ではありません。家族や親しい仲間同士であればそれでもいいのでしょうが、そうでない人に自分の考えを伝えるにはやはりトレーニングが必要なのだと思いました。
自分の考えを人に伝えることができ、人の話も聞くことができる力が身に付くということは、勉強面だけではなく、日常生活や仕事をしていくうえでも将来にわたってプラスになるでしょう。これから息子と会話をしていくときに、少し意識していこうと思いました。

この小学校ではアクティブラーニングを5年前から取り入れたとのことですが、新しい授業法を取り入れるときにはたくさんの抵抗や困難があったと思われます。講演後の質疑応答で「年配の先生がこの新しいスタイルを取り入れて従来のやり方を変えるのは難しいのでは?」という内容の質問が出ましたが、滝渕先生によると実際にこの方法で授業を行って子どもが変わったのを見ると、ベテランの先生も価値観が変わるとのことでした。子どもたちの変化が先生をも変えたとはすごいことです。
子をもつ母としては、息子もこんな学校で学ばせたかったなと思い、何より私自身も子ども時代にこういう学びをしたかったと思いました。
アクティブラーニングの実例を具体的に知ることができ、大変勉強になりました。

鈴鹿路子 





2019年03月13日(水) No.240 (ハートフルクラブ)

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