活動記録

プログラム当日の様子や概要などをハートフルコーチがお伝えします

第56回 ハートフルクラブ


2025年3月8日(土)、オンラインで第56回ハートフルクラブが開催されました。
講師は、小児科医であり子育てアクシス代表でもいらっしゃる成田奈緒子先生。そしてテーマは「打たれ強い脳を作ろう」でした。

私は、成田先生の『8歳までの子どもの脳にやっていいこと悪いこと』『高学歴親という病』などの著書を読んでいたこともあり、先生の生のお話を伺えることを非常に楽しみにしていました。また、先生の著書に必ず書かれている「睡眠の大切さ」についても興味がありました。

成田先生のお話は、まず子どもの脳の発達から始まりました。スライドで「本日お伝えしたいこと」と最初に出てきた言葉には
 「メンタルが安定している子・打たれ強いことは、ずばり『よく寝て、良く食べ、良く遊ぶ』不安の低い子です」
とあり、今日私たち私たちが目指すところがはっきりとわかったのですが、ではその「不安の低い子」をどう育むのかが難しいところなのだと感じました。

そして、そこから繋がって「不安の低い子」は「不安が低い大人」のもとで育つということも納得できました。
そうなると私たち親のありようが子どもの脳や子どもの心に直結するのだと改めて気づくとともに、子どもを変えたかったらまず親自身が変わろうとハートフルコミュニケーションでずっと学んできたことにも繋がるのだとわかりました。とはいえ、子育てを考えるといつも親の在り方・自分自身の在り方に起因するのだと思うと、とても難しいことだとも感じました。

また、実例として、子どもの相談で来たのだけれど、実際はお父さんが一番ストレスにさらされていて身体的にも危険な状態だった、というお話にも驚きました。
親である私たち大人はストレスに慣れすぎて、それが通常運転の状態であることが多いとのことです。そんな親を注意すると、今度は逆に子どもが心配して正論で親を説得しだすというお話もとても納得できました。このような気づきが家族(家庭)の「気」を一変させる力があるそうで、まず、家庭の問題だと内側に抱え込まずに外に助言を求めることを選択する勇気を持つことも大切だと感じました。

後半は成田先生に直接質問させていただける時間でした。子育て中の方々から具体的な質問が出てきて、それに対して成田先生の歯に衣を着せないお言葉がそれぞれに響いている様子がわかりました。

私は主に小中学生を対象とする仕事をしていますが、先生の言葉で一番印象に残ったのは
「学校行けなくてもオッケーでしょ。だってそれは大人が不安なだけだもの」
「卵焼き焼かせたら、上手にできるんでしょ。それでいいじゃない」
というものです。

これは、他の子と比べて何ができないとか、何が劣っているとかそんなことは大人が勝手に不安に思っているだけなのだから気にしなくていいということです。
その子の中で成長が見えたり、家庭の中での役割を果たせているならそれで十分だということをおっしゃられた時、結局、大人側の不安が子どもを苦しめているのだと感じました。
親や大人が、こうあってほしいと思うから、そうでない子どもを変えようと責めているのではないか、と慌てて自分を振り返ってしまいました。
仕事の上でも「子ども達に私の理想像を押し付けてはいないか?」と、時折、自問自答しなければいけないと強く思いました。

ハートフルコーチ 渡辺寿子 






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