ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

聴いてる?


こんにちは。倉敷の豊田園子です。

私は、母親としてだけでなく、仕事でも子どもと関わる立場にあるので、りえちゃんの「怒られる体験」は、自分の日々の言動を見つめ直す良い機会になりました。

さて、先月、岡山の総社市内で菅原裕子のハートフルコミュニケーション講演会があり、私も参加しました。
その講演の中で、きき耳についての話がありました。これは、「子どもの心のコーチング」の本の中にも書かれていて、私自身もハートフルコミュニケーションを学び始めてから、何度も聴くことの大切さを感じています。そして、今回の講演を聴いたときに、以前、三男に言われた言葉を思い出しました。

まだ、私がハートフルコミュニケーションと出会う少し前、4年ほど前の話です。
小学校4年生になった三男といつものように話をしていると、話の途中で突然、三男が「母さんは、僕の話を聴いてない」と言うのです。
私は「えっ?聴いてるよ」と言いながら、三男が何を言っているのか、不思議でたまりませんでした。というのも、私は日頃から、子どもたちとのコミュニケーションを大切に考えていて、子どもと話すときは、できるだけ家事の手を止めて、子どもの顔を見て、話を聴くようにしていました。いつも気をつけているだけに、なぜ三男が『聴いていない』と思うのか、わかりませんでした。
そんなことが何度かあり、自分の聴き方に何か問題はないか、考えてみました。もしかしたら、三男の話の途中で、質問したり口をはさむのがいけないのかな?と思い、三男と話すときには、最後まで話を聞いてから、質問や感想を言うようにしました。そうすると、三男の不満げな顔はなくなりましたが、それでも、時々、「やっぱり、聴いてない」とか「母さんはわかってないなぁ」と言うのです。

もうこれは、本人に聞くしかないと思い、「時々、母さんが聴いてないとか、わかってないと言うけど、それはどういうことなのかな?」と三男に聞きました。
三男はまるで大人がするように、軽くため息をついて「母さんは僕が何を言いたいか、わかってないってことだよ」と言います。ますます私の頭の中にはクエスチョンマークが浮かぶばかり…。

そんなある日、「子どもの心のコーチング」の本に出会いました。その中の「心を結ぶ聴き方、伝え方」の章を読み、『あぁ、三男が言っていたことはこのことだったんだ』と気づきました。
私は、確かに三男の話を最後まで聴いてはいましたが、聴いてる間も『あ〜どうしたら、前向きに考えてくれるかな?』とか、『うわぁ、すごく頑張ってるんだ。もっと応援しよう』というふうに、三男の話を聴きながらも、次はどうしようかと自分の出方を考えていました。三男がどう思っているのかではなく、どうすれば三男がよりよい方向に進めるのかに目が向いていました。
それに気づいた私は、三男と話すとき、三男の話す態度や気持ちに目を向けるように意識してみました。すると、三男が話すときのほとんどは、ただこんなことがあったんだと言うことを伝えたかっただけということが多く、実は私に何の助けもアドバイスも求めていないんだということがわかりました。
それがわかってからは、三男の話を聴きながら、「あ〜そんなことがあったんだね」とそのままを受け止めるようにしました。話した三男もスッキリした様子です。
驚いたことに、そうして聴きながら、気持ちを受け止めるようになると、たとえ本当に落ち込んでいたり、嫌なことがあった時でも、こちらが何にも言わなくても、話しながら自分で解決の糸口を見つけるようになりました。
子どもは自分で解決する力を持っていることがわかり、今までどんなにそれを邪魔してきたのかを反省し、話を聴くことがどんなに大切なのかを実感しました。

今回の講演会に参加して、三男の言葉を思い出し、今の自分は人の話を「聴いてる?」と振り返ることができました。

では、次のバトンは北海道の渡辺さんへ、よろしくお願いします。

岡山県/豊田園子 





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