ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

できていることをみつける目


徳島の濱田です。
先週の福田さんちの家族写真が目に浮かびます。私も子育ての時間が仕事の充実期と重なり、身がちぎれるような思いで毎日を駆け抜けていたように思います。ずいぶん子どもたちには寂しい思いをさせてきました。
しかし過ぎてみれば、こちらが気にしているほど子どもたちは恨んでいなかったようです。彼女たちはたくましく自立し、あっさりと親の元を巣立っていきました。
そんな娘たちの子育てを支えてくれたは、同居の義父母の存在でした。 今日はその義父の子育て・・・いえ、孫育ての思い出エピソードを紹介します。

3年前に他界した義父は、孫たちを心から愛し、育ててくれた人でした。
娘たちが小学生だ った頃の話です。夕飯時の晩酌にほろ酔い加減の義父は娘たちに「今日、じいちゃんは、うれしいことがあった。何がうれしかったか、わかるか?」と話しかけました。
「阪神が勝ったから?」・・・「ちがうなあ」 「友達と遊んだから?」・・・「それも、ちがうなあ」と、娘たちの答えはどれも当たりません。
「じゃあ、どうしてうれしかったの?」と長女が尋ねると、「今日な、『濱田さんちの3人の孫さんは、いつも大きな声で、元気よくあいさつしてくれて、気持ちがいい』と近所の人が言ってくれた。じいちゃんは、それがとてもうれしかった」と目を細めていた義父の表情が思い出されます。

その後、娘たちは人に会う度に、はりきってあいさつをする子どもに育ちました。「あいさつをしなさい」と1回も言わずに今までこれたのは、この義父の話が娘たちの行動を強化したからだと思います。できていることを見つけてもらえたこと、そして、そのことが祖父を幸せにしていることを知った娘たちは、誰にでも自分からあいさつをする大人に育ちました。祖父からの大きなプレゼントです。
できていないことを100回叱ってしつけるより、たった1回でもできたことを見つけて「OK! OK!」とうれしそうな笑顔をみせるほうが有効だとつくづく教えられた出来事でした。

「すごいねえ」「さずがだねえ」という褒め言葉ではなく,「じいちゃんは、うれしかった」と自分の気持ちを伝えてくれたことも、子ど もたちにはよかったと思います。褒められるため、認められるためにあいさつをするのでなく、「じいちゃんのよろこぶ顔」が彼女たちをまっすぐ育ててくれました。
私たち大人も、できていることを見つけてもらえると嬉しくなります。できていることを見つける 目を、しっかり見開いて、見つけた嬉しさを表現しながら、毎日をたのしみたいと思います。

徳島県/濱田雅子 








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