息子の恩返し
こんにちは。静岡の植松です。
堀さん、人に関心を示し積極的に関わることって大切ですよね。職場の部下の方との関係、息子さんとの関係が今後どのように変化するのか楽しみですね。
私も"人は人、自分は自分"という考えが強いので、気をつけないと自分の興味のあること以外には無関心になりがちです。私のこの悪い癖?!が息子にもうつらないといいなと思っていた矢先、そんな心配を払拭する出来事がありました。
息子は週に1度ヒップホップダンスのレッスンに通っています。
先日、市主催の「子ども遊び王国」というイベントでダンスを披露する機会がありました。
息子は決してダンスが上手なほうではありませんが、その日はおじいちゃんやおばあちゃん、1つ年下の従姉妹が観に来ていることもあり、いつも以上に一生懸命踊っていました。
中盤にさしかかりフォーメーションで大きな移動があります。男の子と女の子で左右に分かれるのです。その時、1番小さい男の子が移動できずポツンと1人同じ場所に立ち尽くしていました。キッズクラス(年少〜年中まで)の発表ではありがちな光景なので、観に来ている人たちも黙って見守っていたところ、なんと、息子がその子のところまで走っていき、手を引っぱって男の子ゾーンに連れていってあげたのです。その瞬間、観ている人たちから歓声が漏れました。これまで何度も練習を見ていましたが、息子がそのような行動をとったのははじめてだったので、私はとても驚きました。と同時に、息子の成長を感じとても嬉しい気持ちになりました。
というのも、1年前の発表会では息子こそが手を引かれる小さな男の子だったからです。
昨年は2年に1度のスタジオ全体の発表会のある年でした。年少から高校3年生までの約100名の子どもたちが日頃のレッスンの成果を発表する場です。
ダンスをはじめたばかりの息子は、まだどのように動けば良いのか理解できず、ただただその場にいるような状態でした。今回の1番小さな男の子と一緒です。
見兼ねた先生は1つ年上のお兄ちゃんを息子の世話係に任命しました。息子が1人で移動できなかったら手をひいて連れて行ってあげる役です。案の定、発表会でも息子は立ち往生し、係のお兄ちゃんに手をひかれ移動する姿は会場に笑いを起こしました。
そして、1年後、息子は係を任命されていたわけではないのに、自ら進んで動けない男の子を誘導してあげたのです。親として、この目に見える成長に喜びを感じ、自分で考えて行動のできた息子を誇らしく思いました。
終わった後、その思いを伝え、どうして男の子を連れて行ってあげたのか尋ねると「だって、小さい子はわからなくて可愛そうだからだよ」と息子は答えました。
きっと、1年前の息子がちゃんと動ける子だったらこのような考えには至らなかったと思います。自分も小さい時にはどうしていいのかわからなかった、その時年上のお兄ちゃんが手を引いて導いてくれた、そんな嬉しかった記憶が今回息子を突き動かしたのでしょう。
誰が教えたわけでもないのに、自分のしてもらったことをちゃんとお返しできるまでに成長した息子に感動するとともに、これからもずっとその姿勢を持ち続けて欲しいと思いました。それには、私自身ももっと人と積極的に関わり、その姿を息子に見せていかなくては、と思わせてくれた秋の出来事でした。
次は群馬県の照子さんです。どんなお話が聞けるのか楽しみにしています。
静岡県/植松知子
2015年11月16日(月)
No.222
(日記)