ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

気質の自動反応


東京の加藤くりです。
照子さん、過去の「出来事」は変えられなくても、過去の「受け取り方」は変えられるお話に大きく頷きながら拝読しました!
私も、学ぶことで「受け取り方」を変えられた経験をシェアしたいと思います。

前回のブログで書いた通り家族関係があまり良いとは言えませんでしたから、子ども時代は「何で仲良くできない家族なんだろう?」と不満に思っていました。
でも、ハートフルコミュニケーションで気質学・人間学・現代心理学の「エニアグラム」と出会い、私の「受け取り方」は大きく変わりました。

例えば、母はとても「べき」の強い人です。
「家の中を綺麗に保つべき」「お金を節約してコツコツ貯めるべき」「家族を一番に考えるべき」
「人に迷惑をかけないべき」「やるべきことをやってから楽しむべき」などなど。

それに対して父は、人と楽しむこと・人に何かしてあげることが大好きです。
「町内会の役員」「選挙管理委員」「ボーリング会」「カラオケ会」「同郷会」
などに名を連ね、イベントや飲み会があるときは嬉々として出かけて行きます。

エニアグラムを学んで知ったことは、母も父も「持って生まれた気質タイプ」により、行動パターンや嗜好・行動の動機などがそもそも違うということでした。

そんな気質の違いを互いに知らない両親は頻繁に夫婦喧嘩を繰り広げます。
出歩き、夜遅くまで帰らない父に対して「家庭を大事にしない」「やるべきことをやらない」と受け取る母が憤怒。
責められた父はプライドが傷つき言い返し、互いに攻め合うという展開に。

両親の夫婦喧嘩を冷めた目で見ていた私はといえば、「楽しいことが最優先」「自分のことは自分でしたい」という気質のニンゲンですから、「やるべきことをやってから楽しいことをしなさい!」と言う母としばしば衝突していたし、世話を焼いてくる父に「自分でするからいい!」と冷たくあしらったりしていました。

エニアグラムとの出会いは、私の目からウロコをポロポロと落としてくれました。
母は、正しいことを完璧に成し遂げたいヒトなんだ。父は、人の喜びが自分の喜びだと感じるヒトなんだ。
私は、楽しむことこそ人生と思ってるヒトなんだ。そして、それぞれが持って生まれた気質の「自動反応」で動いてるんだ。

このことが分かってからは、親とか友人とか職場の人とか、色んな「自分と違う気質の人」を見る目が変わりました。

それまでは”違い”を、「何であんなことを言ったりやったりできるの?おかしな人」なんてヒンヤリと思っていたのが、
「あぁ、私と違う気質なんだろうな。どの気質だろう? 興味深い!!」と、温かな好奇心を持って見られるようになったのです。

過去の、叱られたり体罰を受けたりして母に抱いていた感情も「あぁ、母も悪気があって子どもに接していたワケではなかったのだな」と受け取れるように変わってきました。
そして今では、母にもエニアグラムの話を沢山しているので、エニアグラムや「気質」を共通言語としてお互いの”違い”も楽しむことができるまでになりました。

例えばこんなことがありました。

私が「布草履の作り方、知りたいんだよね」と言っていたら、母が「私も子どもの頃、おじいさんから教わって作ったのに忘れちゃったから、またできるようになりたい」と言い、ちょうど教室があるのを見つけてくれました。

珍しく母娘連れだって、布草履教室に行き好きな布を選んで制作にいそしみました。
ほぼ完成したところで時間切れ、結んだ布はしがあちこちから飛び出しています。
「では、布はしを全て編み目の中に引き入れて綺麗に処理する作業は、お家でやって下さい」
と先生から言われ、各自帰宅しました。

完璧に仕上げたい母は、帰宅後すぐに一所懸命布端の処理をします。
しかし、草履の作り方を「経験」できたことに満足した私は、処理する必要を感じなかったので放置。
そんな私に母は
「何でちゃんと仕上げないの? 気持ち悪いじゃない!」
「いや別に、これから品評会に出展するとかなら徹夜してでも仕上げるケドね〜、いつか使う日でも来たらね」
「信じられない!」
「この反応の違いが、正に気質の違いだよね。」
「信じられない!(半笑)」

エニアグラムを学んで、私は母の「説教」が「気質の自動反応からくる愛情表現」と理解するようになったし、そうすると母の態度も柔軟になって私にあまり「完璧」を求めなくなってきました。

また、父についても同様です。
自分が食べたパンのパンくずをテーブルの上に散らかしたままなのに、母や私の食べるリンゴを綺麗にむいてカットして皿に乗せてくれる父に対し、以前は「自分の後始末をしてからヒトの世話を焼いたらどうか」と批判的に思っていましたが、今では「気質的に、リンゴむいてあげることが喜びなんだな。パンくずが散っててイヤなのは私だから、私が拭けばいいんだな」と考えるようになりました。

エニアグラムの学びは私の心に、穏やかで平和な灯りを灯してくれたようです。

さて次は、兵庫のはせなかりえさんにバトンをお渡しします! よろしくお願いします♪

東京都/加藤くり 







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