ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

静かな心の声を聞く


くりさんからのバトンを受けとりました、兵庫のりえです。
こんなふうに子どもたちには素晴らしい大人と沢山出会ってほしいなぁー。
そして、見えない心を理解する努力。
そうだよなー。察するとか気付くとかってことかなーなどと考えていたら、サン・テグジュペリの名作『星の王子さま』に出てくる言葉を思い出しました。

その言葉をお伝えする前に、長男が幼稚園の頃のお話から始めさせてください。
長男は男の子の中でもとにかくおとなしく、お友達とけんかしたなんて、私にとっては、夢のまた夢という感じでした。
女の子から言わせると、優しい男の子の代表選手のような存在です。
私は、男の子なのにもっと元気があってもいいのにと日々感じていました。ないものねだりですね。

年長になったある夏の日、長男が 夏風邪をひき、幼稚園でのプールをお休みしなければならなくなりました。
その日の幼稚園のお迎えの時、先生が笑顔で
「今日は、長男くん、お留守番してくれたんですよ〜」
私「お留守番?ですか?」
先生「はい。プールの時、長男くんは放っておいても大丈夫な子だから、ちょっとお部屋にいてもらっていました。」
私「は、はぁ。そうですか」

と言いつつ、「放っておいても大丈夫」という言葉に反応する私。
放っておいても大丈夫って!
んん、それって、良くとれば、先生に信頼されてる? 悪くとれば、おとなしいからひとりにしても問題も起こさないだろうって目をかけてもらえてない?
なんだか、うちの子先生にちゃんと見てもらえてるのかな、おとなしいからって、何も感じていないわけではないのにと少々不安になりました。

そんな経験があったので、今、私が仕事で子どもたちに接する時は、あまり問題なく見える静かな子たちにこそ、目を向けるように心がけています。
それでも、やはり授業態度が悪いとか元気な子、発言する子、動きの激しい子たちに目がいきやすいのは事実です。
そして、問題なく見える子、特に発言もなく素直に言うことを聞いてくれる静かな子たちには、ついついこの子たちは大丈夫と目がそれてしまう。
あの時の幼稚園の先生の気持ちが、今はわかります。
気になる激しい子に完全に心が奪われて、余裕がなくなっているのです。

激しい子、静かな子、いつもいろんな子達の心の声を落とさぬようにしないとなぁ。
子どもたちの静かなる心の声は、心で良く見て、聴いて、感じていたいなーと思います。
その声にこそ私自身の耳を傾けて、「あなたの存在を感じているよ」とその子たちに伝えることってとても大切なんだと思います。
それは、私がそうやってその子たちに感じたことを伝えると、とても良い顔をしてくれることからも伝わってきます。
『星の王子さま』にも、こう書かれてありました。
「心で見なくちゃ、ものごとは見えないってことさ。かんじんなことは目に見えないんだよ」(岩波少年文庫版より)

どの子の心のうちも伝わるような空間を、ただただつくりたいなぁと思うのです。
では、次、千葉のふくちゃんにバトンをお渡しします。

兵庫県/はせなかりえ 




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