ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

信じて見守る〜父親編〜


奈良市在住の南村です。
藤野さん、子育てからは日々多くを学びますね。仰る通り終わりのない学びと成長、そこに気づけるということがとても楽しいと私も感じています。
日々の子育てで私がいつも心のなかで呪文のように繰り返すフレーズ、それは『信じて見守る』です。

さて、この一年を振返り皆さん自身にとって今年を表す漢字は何でしょう?私の場合、今年は「忍」の一年でした。
父親の骨折、不慣れな仕事、子どもの中学受験・・・今回は父親の骨折に纏わる「忍」からの学びについてお伝えしたいと思います。

6月の初め高齢で独居の父が外出先で転倒、大腿骨を骨折してしまいました。直後は精神的なショックも大きかったのか軽い認知の症状などもあらわれました。年齢を考慮しても再び自宅で一人暮らしを続けるのは私たち家族にとっても不安が大きすぎる・・今までの生活をいよいよ手放す時期なのかとも考えました。
でも、父親にとって何よりの望みは「自宅へ戻る」ことであり、私はそれを応援したいと思いました。

手術から約ひと月が経過し、父はリハビリ専門の病院に転院しました。そして、「自宅へ戻る」を目標にリハビリの日々がスタートしました。転院当初は、食も進まず日課にしていた新聞チェックも“別に読みたくない”と消極的な発言が目立ちました。
父自らが前向きにリハビリに取り組むために私にできることは何なのか? 私はできるだけ父に顔を見せ、励ましの気持ちを込めたメッセージを送り続けることにしました。
“はたして再び自力で歩ける日がくるのか?”と正直半信半疑になる時期が続きました。それでも、少し成果が現れた時には「おっ、先週よりずいぶん歩き方がスムーズやね」、「ほー、今日はそんなに長い距離あるいたんや〜大したもんやね」と声をかけ続けました。

やがて、すっかり食がほそってしまっていた父自身も、少量で栄養分がとれるドリンクを自から主治医に提案して飲んだり、歩きやすい運動靴を購入したりと少しずつ前向きなアクションを起こし始めました。
自宅に通いで来てくれているヘルパーさんが作ってくれる鯵の南蛮漬けが好物の父。「早く自宅へ戻って、鯵の南蛮漬けを作ってもらいたいね」と、自宅へ戻る楽しみを二人で話したりもしました。
文字通り一歩一歩の前進で4か月かかりましたが、父は見事目標をクリアし、今ではかつてとほぼ同じ生活ができるまでに回復しました。身内ながらあっぱれ。現在は週一ペースで鯵の南蛮漬けにありつけているようです。

あらためてこの4か月間を振り返ると、私の父へのかかわりは『信じて見守る』以外の何ものでもなかったように思います。
父のなかにある力を信じて、気持ちに寄り添う。無理かも・・とあきらめモードになりそうな時こそ、この心のなかの呪文が私自身の気持ちを支えてくれていたと思います。『信じて見守る』は子育てのみならず!を父のおかげで学ぶことができた年になりました。

京都の秋田さん、今年の漢字は何ですか〜?って次は新年でしたね。
皆さまどうぞよいお年をお迎えくださいませ。

奈良県/南村友子 







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