ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

箱せいさく


こんにちは。静岡の植松です。
堀さん、"親心"いろいろな形で現れますよね。
我が家の息子は今春、幼稚園を卒園します。
この3年間、いろいろな親心が現れては、その度に葛藤したものでした。
ですが、振り返れば親子共々楽しく過ごせたなと思うのです。
その裏には、息子の特性を認め伸ばす、ということが幼稚園と家庭を通してできたからだと思います。
もちろん、時には他の子と比べて焦ること(縄跳びができない、跳び箱ができないなど・・・)もありましたが、そんな時にはハートフルコミュニケーションでの学びを思い出したものでした。

その学びとは、"自分と子どもは別の人格である"ということ。
子どもがどのような気質であるかは、日頃からよく観察していなければわからない。
子どもがどんなことで喜び、どんなことが好きなのかを観察し、子どもの得意なことを伸ばす子育てをすることで、お互いにストレスなく子どもがすくすくと伸びる、というものでした。

息子は外で体を動かして遊ぶより、室内で物を作って遊ぶことが大好きでした。
幼稚園では空箱を使っていろいろなものを作る"箱せいさく"という取組みがあります。
息子はこの"箱せいさく"が大好きでした。
毎日幼稚園で何かしら作って家に持ち帰ってきます。
その作品は日に日に大きく、凝ったものになっていきました。

しかも、毎日幼稚園で作っているにも関わらず、家でもこれは! という箱に出会うと「箱せいさくしていい?」と言って、1時間でも2時間でも自分の部屋で作り続けるのです。
この集中力といったら、大人も顔負けです。
好きなことというのは、何の苦もなく集中できるものなんだなと、改めて再認識させられたものでした。

思えば、小さい頃から息子は室内での1人遊びが得意でした。
大好きな電車のおもちゃがあると、線路をつなぎ、電車を走らせ、1人でもくもくと遊んでいました。
幼稚園生になるとレゴブロックにはまりだしました。
乗り物好きな息子は、最初は車や電車のシリーズを作っていましたが、興味の対象が変わるにつれ忍者シリーズなど対象年齢が高いものも難なく作成していました。
とても複雑な作りになっているものも、説明書を見ながら1人で完成させる姿に感心したものでした。

箱せいさくも最初は車や電車といった乗り物を作成していましたが、年中の半ばからお侍に憧れ出した息子は剣を作るようになりました。
その剣がどんどん大きく立派になっていくのが面白く、お迎えに行ったときにその日作成した剣を見るのが私の楽しみでもありました。
ですから、そんな息子のために、私は家の空箱をせっせと集めては幼稚園に何度も寄付したものです。

ある時、年長さんがお店やさんを出展する園内バザーが開かれました。
いくつかの班に分かれ、班ごとにバザーの出店物を手作りします。
女の子たちは、アクセサリーやお花のお店、男の子たちはゲームやおもちゃのお店を担当します。
息子はおもちゃ屋さんの班のリーダーを任されていました。
男の子に人気のポケモンボールや剣などを紙や空箱を利用して大量に作り、年中・年少さんの人気店になったようです。
普段はボーっとしていて頼りない息子が、班のリーダーを任されるなんて、箱せいさくについては幼稚園の先生やお友達にも一目置かれていたようです。

卒園式を控え年長さんを送る会が開かれた日、息子は大きな金のメダルを持ち帰ってきました。
そこには『はこせいさくがじょうずです チャンピオンです かっこよかったよ』と書いてありました。
「素敵なメダルがもらえて良かったね」という私に向かって、息子は自慢げに言います。
「だって、俺、箱せいさく得意だからね!!」
そこには大きな自信を得、成長した息子がいました。

それでは、クリさんにバトンをお渡しします。
今回も楽しいお話期待しています!!

静岡県/植松知子 





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