ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

親として


奈良の南村です。
真っ新な制服と通学鞄に教科書、子どもは新しい先生や友達との出会いに毎日ドキドキ、ワクワクな中学生の春を迎えています。
藤野さんの原稿を拝読し、あらためて子どもの伴走者として過ごして来た小学校6年間を振り返ってみることができました。そこで、私の心の底に沈めていたある記憶がゆらゆら〜と浮き上ってきました。

それは、娘が2年生の時でした。
担任の先生は、中学生の一人娘を子育て中のお母さんでした。私は自分と同じように子育てしながら働くお母さん先生ということもあって、親しみを感じていました。学年主任を兼任され、春の家庭訪問時もとてもしっかりされた信頼できそうな先生という印象で、親としてはひと安心していました。

2年生といえば、学校生活も二巡目に入りようやく慣れてきたとはいえ、まだまだ7、8歳の子どもたちは担任の先生に頼る場面が多い時期でした。
そんななか、2学期の後半頃から娘が帰宅後その日の学校での話をしてくれるなかで、「今日は、午後から先生は研修でいなくて寂しかった」「今日も先生が研修で、他の先生が来てプリントをやった」という話をちょくちょく耳にし、気になっていました。
学校の先生方のお仕事をよく知らない私は「学年主任とはそんなに忙しいものなのかな?」「特定の先生やクラスばかりに負担がかかり過ぎなのでは?」と少しずつその気がかりは増していきました。

そんな折、学校でクラス参観と保護者懇談会がありました。懇談会では先生からの提案で、保護者は順番に子どもの紹介と子どもの生活全般で気になることを話していきました。
私の順番が来るまで、先生の度重なる不在に関して発言される保護者は誰もいません。普段から周囲のお母さんたちと関わる機会の少ない私は、事前に他のお母さんたちとその件について話をすることもほとんどありませんでした。
「みんなは、気になっていないのかな?」
私は少し迷いましたが、「子どもの≪小遣い制≫」に関する問いかけに続けて、「先生がお忙しく研修などでいらっしゃらないことを、娘は寂しいと思っているようです」と伝えました。
先生は≪小遣い制≫について、他の家庭の様子をヒアリングされあわせて自分の意見を述べられましたが、不在の件についての言及はありませんでした。

数日後、娘が学校から持ち帰ったプリントには、担任の先生が体調不良のため長期の療養休暇に入られるという旨が書いてあり、私はハッとしました。風の噂によれば、精神面での不調とのことでした。
今となっては確認のしようもないことですが、私の懇談会での発言が、先生に何かを決心させる引き金になったのではないか?と直感的に感じました。娘にしてみると担任の先生が時々居ない状態から、ずっと来ない状態になってしまいました。

1、2週間が経過し、娘を放課後遊ばせてもらったお友だち宅にお迎えに行った時のことでした。
先生の長期不在の話題になり、懇談会での私の発言について、ひとりのママ友が「あの時、保護者みんなが一番気になっていた、本当は一番聞きたかったところを南村さんが言ってくれたと思う」と感謝してくれたのです。自分の発言に責任を感じていた私を少しほっとさせてくれたママ友のひと言でした。

その後、その先生は担任を持たない教科専任の教師として次年度から学校に復帰され、その後、別の学校へと転出されました。先月、娘たちの卒業式でお祝いのメッセージが届いていて懐かしく思い出しました。

今思い返しても自分の発言が親として正しかったのか軽率だったのか、その答えは見つかりません。
ただ、今思うことは、これから先も親として子どもの気持ちにはより添って行きたいと思うこと。そして、そうすることで私自身も親として迷い、失敗や後悔を繰返しながら成長して行きたいということです。

次は京都の秋田さんへバトンをお渡しします。
京の桜は綺麗でしょうねぇ〜秋田さんはもうお花見されたのかな?

奈良県/南村友子 







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