たった一言で
こんにちは。千葉の藤野です。
櫻井さん、観察するって大事ですよね。
相手を見ることは相手を知るということにつながってます。そして、一人一人の違いに気づき、認められると信頼につながっていくのかなと思いました。
私の母には姉妹がたくさんいます。だから、私は親戚がたくさんいます。
その中でも家も近く、何かと気にかけてくれていた伯母がいます。その伯母が先日亡くなり、12年ぶりに実家に帰ってきました。
実は私、3人目の子が生まれて半年くらいの時に帰って以来、実家には帰っていませんでした。
母とは年に何度かやりとりはしていたのですが、父との関係において問題があり、帰ることをやめていました。
4年ほど前に別の用があり、近くまで行ったものの私は車から降りられずにいました。その時に見た父の姿に私は、もう家には帰れないなと思いました。
それから、月日が流れ、最近は、このままではいけないなと思うようになり、
この関係のままではきっと後悔するだろうと思うようになっていました。
私の中に何か大きな影を抱えたまま生きていかなければいけなくなるような感じがして、夏にでもふらっと帰ってみようかなと思っているところでした。
どんな風に帰ろうかなと考えている矢先に、伯母の訃報が届きました。
母からは参列するかは、私の都合に合わせて決めればいいからと家に帰るかも含め私に託されました。
まだしっかりと心の準備ができていない状態でしたが、これは伯母が私を呼んでくれている。『帰っておいで』と言われている気がして、最後に私に与えてくれたチャンスだと思い、家に泊まることを決めました。
何も考えず、ただ家に帰ろうと思いました。
久しぶりの家は12年の月日であちこちの様子が変わっています。
家について居間に行くと父がいました。
そこで父は一言、『おかえり』と声をかけてくれました。
その一言で、私の中にあった大きなわだかまりが一瞬で消えてなくなりました。
そこにいることが自然なことに変わったんです。
そういえば、結婚してからは、家に行くと『いらっしゃい』と言われていた気がします。
『おかえり』と言われて、私はまた、その家の娘に戻ることができました。
12年の空白があっという間になくなった気がしました。
家を出るときは『またね』と言えることができました。
父の一言で私の中にある大きな荷物を降ろすことができました。
帰りの電車は荷物が重たかったけど、身体は軽くなっていました。
多くを語らなくてもたった一言で関係は変わるんですね。
悪くなることもあれば、良くなることもある。一言の重みを感じた瞬間でした。
南村さんは、どうですか?
藤野美奈
2017年07月31日(月)
No.312
(日記)