ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

中3の葛藤と涙


神奈川の森屋です。
周りの方々の、ほんのちょっとした言葉がけで、気持ちの良い職場と感じている田中さん。きっと田中さん自ら、相手を認め伝えることをされているのでしょうね。
私が忘れていたことを、気付かせていただきました。

さて、私の今年の夏は、息子の高校の野球応援から始まりました。高校生と一緒に汗と涙を流し、厚かましくも青春!といった気分です。

そして、中学最後の夏を迎えた娘は、吹奏楽コンクール東関東大会出場を目標に、地区大会から県大会へと進んでいました。
昨年の8月、県大会を最後に先輩が引退し、不安な気持ちでパートリーダーを引き継いだ娘でしたが、3年生になると、自信を持って後輩にも接する事ができるようになりました。
「頼もしくなったな」と思うと同時に、娘は友達と過ごす時間も多くなり、自分の不安な気持ちを、私には話さなくなっていました。

県大会まであと数日と迫ったある日、ふと「今度のブログ、何書こうかなぁ」と呟いた私に、
「私の夢がわかんなくなっちゃったこと書いて」と久し振りに、何か聞いて欲しそうな娘…。

歌うことが大好きな娘には、大きな夢がありました。現実的な兄とは違い、あまり現実的ではないことを夢見るタイプの娘です。それでも本人が「やりたい」と言うので、「応援するよ」と言っていました。
最近では、高校に入学したら、「吹奏楽部には入らない、歌っていたいから合唱部に入る!」と言うので、「良いと思うよ」と答えていました。

母「夢がわかんなくなっちゃったの?」
娘「うーん、私さ、高校行って合唱部に入ったら、後悔すると思うんだよね」
母「後悔すると思うんだ」
娘「うん、吹奏楽部の人見たら、きっと吹奏楽部に入れば良かったって思う気がする」
母「あ、その気持ちわかるよ。吹奏楽部カッコいいもんね。夢はどうしたの?」
娘「目が覚めた(笑)現実的に考えたら、違うってわかった」

どうやら、3年生になり、高校はどこを受験するの?高校行ったら部活はどうする? それより、このままで東関東大会に出場できるのか? できなければ、ここで引退!
パートリーダーとしての重圧の中で、考えなければいけないことが、次から次へと押し寄せ、沢山の葛藤と不安な気持ちを抱えていたようです。
そんななかで、憧れていた夢も「私がやりたい事は、違うかも」と思い、「夢がわからなくなった」とのこと。

「とりあえず、県大会頑張ってみたら?その結果で、何か見つかるかもしれないよ」と言うと、
「そうだね、少しずつ考えれば良いんだよね。そうだそうだ」と、自分に言い聞かせているような娘は、どこか吹っ切れた表情でした。

そして、いざ県大会へ。
結果は、3年生の引退…でした。
学校でミーティングを済ませ、出てきた娘の顔は、意外にも笑顔でした。
帰りを待つ私の前で、友達に「じゃあね! バイバイ!」と手を振ると、「ただいま!」と車に乗り込んで来ました。
「おつかれさま」と声を掛けた瞬間、娘は両手で顔を覆い、「うわぁーん!」と声を上げて泣き出したので、私は驚きました。私の前で、声を上げて泣く事が珍しかったのです。
暫く泣いている娘に寄り添い、掛ける言葉を考えました。この涙は引退が寂しいのか?とも思いましたが、「悔しかったの?」と聞きました。

「高校行ったら絶対吹奏楽部に入る!」

無数の葛藤の糸が、すっと一本ほどけたように、進む道がはっきりと見えたことがわかりました。
(進んだ先で、きっと自分の夢を確かめるはず。信じて応援しよう!)そう思ったら嬉しくて、私も一緒に泣いてしまいました。
「そっか、また東関東目指すんだね」
「うん!絶対行く!」

晴れやかな娘の顔は、また一歩成長して見えました。
この夏、すっかり青春させてもらった母です。

次回は、櫻井さんにバトンをお渡しします。よろしくお願いします!

神奈川県/森屋弘美 




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