ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

温かい言葉


奈良の長野です。

「体験したいことを実行できるようにサポートするよ」という秋田さんの言葉。きっと子どもさんは安心して挑戦できますね。

さて、ここのところ自然災害が続いていますが、先日、奈良でも巨大台風が通過しました。
今までに経験したことのないような強い風は、家の中にいても風の音を十分に感じさせます。
テレビの情報に耳を傾けながら家事をしていると、突然大きな音が聞こえました。
外を見てみると、近所の家の屋根が落ちています。隣の家のカーポートも壊れています。先ほど落ちてきたであろう家の屋根には、まだ剥がれかけている部分がありました。
「あれも、落ちてきそうだよ」
洗濯物をたたんでくれた娘が言いました。
落ちた屋根や落ちそうな屋根がどうなるのか気になりましたが、
「この窓に物が飛んでこないとは限らないから、雨戸のある部屋に行こう」と、娘を少しでも安全な部屋に移動させました。

すると、突然、電気が消えました。
「停電か。電線に問題があるとしたら、台風が通過するまで作業には来てくれないやろうな」
「今回の台風は速度が速いし、夕方には来てくれるんじゃない?」
一抹の不安を感じながらも、そのうち復旧するだろうと思っていました。でも、台風が過ぎ去り、辺りが暗くなり始めても、電気はまだ消えたままです。

もう10年近く前になるでしょうか、ロウソクの灯りで過ごしたことが何度かありました。自然の光で過ごすとホッとするような気がして、突然、「今日は今からロウソク生活をしよう!」と提案したのが始まりでした。
お風呂にもトイレにもロウソクを置き、一切電気の光はつけません。布団に入る時に「おやすみ〜」とすべてのロウソクを消します。
子どもから「ロウソク生活しよう!」と頼んできたこともあり、彼らも楽しんでくれていたのかなと思います。

今回はやむをえない状況からですが、久しぶりにロウソクに火を灯しての夕飯となりました。
「懐かしいなあ、やっぱり火っていいね」「キャンプみたいなもんやな」
子どもたちの会話を聞き、この状況を受け入れて過ごしていることに少し安心しつつ、停電が長引いたときのことを考えていると、LINEが届きました。
自治会で同じ班の方とグループLINEを組んでいて、その人たちが情報をくれたのです。

「電力会社に連絡したところ、手が回らないので、復旧は早くても朝になるそうです」という内容でした。
そこで初めて色々な場所で停電が起こっていることが予測できました。そして、近所でも停電している所としていない所があることも教えてもらいました。

朝までって何時くらいだろう、携帯の使用は最低限に、お風呂に入れないから温泉に行って、一番の問題は、冷蔵庫の中身だな・・・。

するべきことを考えていると、再びLINEの音が聞こえてきました。
「携帯、充電しますよ〜」
「保冷剤、使いますか?」
「良かったら、冷蔵庫の中身を預かりますよ」
同じ班の停電していない方々からの温かい言葉でした。

同じ班とはいえど、私には顔も分からない方もたくさんいるなかでの言葉だったので、感激しました。お言葉に甘えて、最低限の食材を預かってもらうと、不安が一つ減り、気持ちが楽になったような気がしました。

電気が復旧しテレビをつけると、予想以上に停電している地域が多いことに驚きました。
そして、その数日後には北海道で大きな地震と大規模停電。他の災害でも、まだ避難されている方もいらっしゃいます。
それに比べたら、今回の我が家の停電は大したことではないですし、生活を困らせるほどのものではありませんでした。
それでも、不安や不便を感じました。
けれども私のなかでは、電気のない不便さよりも、温かい言葉のほうが勝りました。
優しい気持ちになれた、そんな思いやりに感謝しています。

次は、田中さんにつなぎます。
お話を楽しみにしています。

奈良県/長野 環 




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