ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

心と語るマッサージ


神奈川の森屋です。
田中さんのブログ、「大器晩成」を読み、我が家の長男の幼少期から、今までを深く思い出し、改めて成長を感じることができました。

長男(高3)の誕生日は、4月1日。学年で一番最後に生まれました。とりわけ身体も小さく、「みんなが何を言ってるのか、やっとわかるようになったよ」と言ったことが、小4と中2の2回ありました。

そんな中で頑張っているにもかかわらず、長男に対する「親の期待」は、親にも自覚がないまま、彼のプレッシャーとなり、いつしか親の期待に応えなければと、彼を苦しませていました。
それに気づいたのは、中学校の卒業式が終わってからのことです。
「1年後の自分へ」と題して、3年の初めに書いた手紙が、担任の先生から返されました。当然、「見せて」と言う私に、素直に見せてはくれませんでしたが、その夜、机の上に無造作に置かれていました。

『1年後の自分へ 卒業おめでとう。希望の高校は合格しましたか? 親は納得しましたか?』

その先の文章は、涙で読めませんでした。それまで目立った反抗もなく、それで安心していたかもしれません。こんなことを思いながら過ごしていた彼を思うと、これからはしっかりと向き合い、彼自身がやりたいことを応援したいと思いました。

高校で駅伝を始め、それまでサッカー部だった彼の脚は、故障続きでした。
走れずイラつく彼の足裏を、「マッサージしようか?」と触ってみると、「あ、お願い」と、そこから私は、にわかトレーナーに。自分のために買ってあった、足裏マッサージの本を見ながら、「胃腸が弱ってますね〜」と、始めると、「もう少し親指の下押して」と注文してきました。そんなやり取りをしていると、寝転がり、両腕で顔を隠している彼から「今日さぁ、部活見学してたらコーチがきて〜」と、話してきました。
面と向かって話すのは照れ臭い年頃、お互い顔を見なくても話せる足裏マッサージは、彼にとったら好都合だったのでしょう。意外にも自然に会話ができることに気が付きました。
それから毎晩のようにマッサージをし、中学時代「忘れた、知らない、別に」だった、たわいもない私の質問にも応えてくれ、私に話したいことがあると「マッサージして」が、合図になりました。家事の合間に声を掛けてくることもありましたが、「あ、いいや、後でマッサージして」と言い、私の家事が終わるのを待っていました。
私もこの時間は、彼の話を落ち着いて聞きたかったので、「洗濯済ませてからね」と言ったことがありました。何かをしながらではなく、ゆっくりと向き合いたかったのです。すると、彼は洗濯物を畳み、私が足元に座るのを待つようになりました。マッサージをきっかけに、敢えて話を聞く時間を作ることで、彼も心の内を語ってくれたのだと思います。
この3年間、マッサージ中に学校生活、友達、部活と、いろんな話を聞くことができました。楽しかったこと、嬉しかったことの他に、思うように走れないことや、キャプテンになり、後輩を上手くまとめられない相談もありました。

先月、最後の高校駅伝県大会が終わり、キャプテンを後輩に引き継ぎ、引退しました。
そして、大学でも走るために、先日面接を受けました。駅まで迎えに行った車の中で、「『キャプテンはどんなことをするんですか?』と聞かれて『走れない部員がいたら、声をかけ励ましたり、常にチームの和を大切に気を配っています』って答えたんだけど、俺ちゃんとやってたなぁ。人見知りもしなくなったし、何でかなぁ」「中学でサッカーしてる時より、自信があるように見えるよ」「そうか。高校三年間で成長したなぁ」と、止まらない彼の話を聞きながら、私は三年前の手紙を思い出していました。

「あの手紙のおかげで、私も親として、成長させてもらったよ」と彼に話せた時、ブログに書こうと思っていました。
手紙を読んでしまったことを謝ると、「そんなこと書いたっけ? 全然覚えてない!」とのこと。ブログに書くことを、快く了承してもらいました。

来春からは寮生活となり、足裏マッサージができるのもあと3ヶ月。
次は、どんな形で応援できるか、楽しみです。

次回は、新メンバーの 名和さんにバトンをお渡しします。
どうぞよろしくお願いします。

神奈川県/森屋弘美 









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