ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

一人一人のものさし


奈良の長野です。

松下さんと娘さんが、二人並んで微笑ましく話しながらお弁当を作っている姿を想像しました。お二人の思い出に残りそうな話に、私も楽しみながらお弁当を作りたいと思いました。

今回は、ものさしの話をしたいと思います。
それは、文房具の物差しではなく、物事を判断する時に使う心のものさし・・・。

我が家の子どもたちは、幼い頃は、私の言ったことに対して言い返さずに聞いていることが多かったので、私は自分の発した言葉に疑問を持つ事もなかった気がします。
子どもと自分の考え方は違うということを頭では分かっているけど、自分の考えとは違う行動をしているのを目撃した瞬間、自分が正しいと思うことを口に出していました。
「約束の時間は守るべき」「やる事をやってから遊ぶべき」「物は大切に扱うべき」
社会に出たら困るから、友達と仲良くできるように、常識知らずの人間になってほしくない、、、様々な心配や希望からしていたことでした。

でも、子どもたちが思春期を迎え、自分の意見を持つようになると、返ってくる態度や言葉が変わってきました。
「別に私がいいんだからいいでしょ」
そういうスタンスの娘。
「そうは思わない」
と理由まではっきりと言う息子。

今までの私は、自分の価値観の中に彼らを収めようとしながら子育てをしてきたことに気付きました。
そこで、まずは「そう思うんだ」と受け入れることから始めました。できるときもありますし、納得できないときもありました。

我が家は、駅まで徒歩約18分。歩けない距離ではありませんが、坂もあり、歩くのは億劫な距離です。
塾が終わると、迎えにきてほしいと息子から連絡が入る事がありました。
「駅に着いたから迎えにきてほしい。」
と急に電話をかけてくるので「電車に乗る前に連絡ちょうだい」と伝え、それは守ってくれるようになりました。
でも、迎えに行って家に戻ると、まだエンジンも止めていないのに、息子は何も言わずさっさと車から降ります。『私はタクシーの運転手か!』と思いながらも、「危ないから、止めてから降りて」と伝えました。
それも守ってくれるようにはなりました。ところが、エンジンが止まったら、余韻もなくすぐ車を降ります。
お礼を言ってほしいと言うのも気が引けて言わずにいたこともあって、今までの振る舞いへの不満が重なり、お迎えに行く時はいつもモヤモヤした気分でした。

ある迎えに行った日、
「少し用事があるから待ってて」と、息子に言われました。
私も家事をする時間が足りないくらいななか迎えに来たという事情もありますが、それ以上に、当たり前のように伝える息子に私はカチンときました。どれくらいかかるかを尋ねても分からないと答えた息子に、
「先に帰るよ。歩いて帰って」と私は言いました。すると息子は、
「少しくらい待ってや。」と、また当たり前のように言ったのです。
「一言ごめんくらい言えないの?」とイライラをぶつけるように言ってしまいました。

同じことを別の時に言われていたら、こうはならなかったかも。
そう気付きました。そして、お迎えの度にイライラするのが嫌になり、自分の言葉を振り返り、息子の立場になって考えてみました。
私の言葉の奥には、「お礼を言うべき/人を待たせるなら謝るべき/お迎えに来てもらうなら相手のことを考えるべき」といった要望や期待がある。一方、息子は、家に着いたから降りただけだったり、ちょっとの間の事だから大丈夫だろうと思っているのかも。

私は、相手の考えや心を顧みず、自分の尺度に合わない事に腹を立てているのか。
自分のものさしを外して判断できたらイライラしないのかな。

この「ものさし」という言葉から、私はなぜか、おでこに直線の定規が付いている自分をイメージしてしまいました。すると、子どものおでこにも定規がついているってことかと、イメージが膨らみます。

笑いがこみ上げてきました。でも、コレ、いいかもしれない。私と子どもの双方にものさしがついている姿を想像したら、一呼吸置けるかもしれないと思いました。
自分にもあるように相手にもものさしがある。一瞬そのことが頭をよぎることで、相手の考えを尊重することができる気がしています。

この件に関してじっくり考えたからか、ものさしをイメージしたからかは分かりませんが、子どもの言動が自分の尺度に収まらないと感じた時には、まずは子どもの考えを聞くことができるようになって、冷静に話をすることが増えました。相手の考えを受け入れるのに時間がかかる時もありますが、考えの違いも楽しめるようになった気もします。相手のものさしも自分のものさしも受け入れながら、会話していきたいと思います。

そして、さらに気持ちよく迎えに行けるよう、自分の気持ちも息子に伝えてみようかな。

次は、田中さんです。
襷を渡します!受け取ってくださいね!

奈良県/長野 環 









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