ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

今を大切に


兵庫の五十君です。
広島の來山さんのお話、自分がこどもの立場と親の立場の両方で読ませてもらい感じ入るところが沢山ありました。そして最後に、今の來山さんの晴れ晴れとした笑顔が目に浮かびました。

私は、11月になると、胸がきゅっとします。11月の三連休に父が心筋梗塞で亡くなり、今年で5年になります。
前触れもなく、あまりにも突然いなくなってしまい、混乱して、あまりにショックで、胸が痛いってこういうことかと思うほど胸がぎゅーっと痛かった身体の感覚を思い出すからかもしれません。

生きている、話せるのが当たり前だった人が突然動かなくなる。そんなことが起こるなんて想像さえしていなかったから、父への感謝をどれだけ伝えられていたのかと不甲斐なく、動かなくなった父に本当にありがとうと言い続けることしかできませんでした。
私の誕生日が葬儀の日でした。子どもの頃、家族でお祝いをしてくれた光景が甦り、まさかその延長線上にある誕生日に、祝ってくれていた父を見送ることになるなんて..と、先のことなんて何もわからないんだなという思いを噛みしめていました。

お経をあげてくれたお坊さんが言ってくださった言葉が心にスッと入ってきました。
「遺された人たちが、一瞬一瞬を大切に生きていく。それこそが、故人への恩返しになると思います」
この言葉に救われたし、支えられて、その後の私は、今をより大切に意識するようになったと思います。ハートフルコーチ養成講座も、関西での開催が当時なかったため、開催を待つのではなく、東京で受講することに決めました。新幹線代や子ども3人を置いてという理由から、以前なら二の足を踏んでしまっていたと思います。でも、先のことはわからない、だからこそ今したいこと、今できることは、今しよう!と思うようになりました。

思いきって東京まで行き、ハートフルコミュニケーションに出会えたことで、自分探究の新しい旅が始まりました。
様々な学びや出会いの中で、自分を理解すると目の前の世界がガラッと変わることが本当に楽しくて、次から次へと学びたいことが拡がります。人が生まれもった気質について学ぶなかで、自分の足りない、好きじゃないと思っていた部分についても、丸ごとひっくるめて自分なんだなと肯定できるようになりました。足りない、好きじゃないと思う自分が出てきても、「こうなりたい」の裏返しなのだと捉え方が変わったことで、行動するチャンスだと思えるようになったのも自分ではうれしい成長です。
そして私の中に "当たり前" にあった価値観も、自分が生まれ育った家庭や時代背景、まわりの環境によって作り上げられたもので、"当たり前" と思うことも人それぞれ違うものだと気づきました。

実は父が生きている時は、経験豊富な父の的確なアドバイスにたくさん助けられた半面、厳格な父の強い価値観にたくさん反発もしたし、自分を認めてもらっていないと感じることもありました。
父が亡くなってから、結婚式の光景がふとよみがえり、ハッとしました。父親が新郎に新婦を引渡す場面で、父がこれまでに見たことがない程長く長く深々とお辞儀をしていたことを思い出したのです。
その当時は、気恥ずかしさもありそんなにしてくれなくていいのにと思ってましたが、あの姿は父が私をどれだけ慈しんで育ててくれたかの象徴だったんだと気付き、ありがたいのと自分は深く愛されていたんだという何ともあたたかく満たされるような気持ちでいっぱいになりました。
同時に、そもそも認められていないと感じていたのも "自分" の捉え方次第だったんじゃないか、私はもう大丈夫! 父の価値観に頼ったり反発したりしなくても、自分に必要な価値観は自分で選んでいける!と思えるようになりました。

父には、おかげさまで生きている今の一瞬一瞬を大切に楽しんでいるよ!私の父でいてくれて本当にありがとう!と伝えたいです。
父も、笑顔で頷いてくれている気がします。

兵庫県/五十君朋子 





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