ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

子育てと仕事、どちらか一つで輝く先に


神奈川の森屋です。
両親から最初のプレゼントである、「名前」にまつわる田中さんのお話を読み、改めて自分の名前の意味を調べました。様々な経験を重ね、今自分がやりたいこと、自分の役割として楽しんでいることが、「弘」の字に込められていることがわかり、私も自分の名前が好きになりました。

私は、歳の離れた妹の面倒を見ながら、「将来は保育士になりたい」という夢を持ちました。
夢が叶い、保育士として仕事をしながら、家事と子育ての両立を選びました。先輩方が当たり前のようにしている両立の道を、自分も「当たり前」のこととして、できると思っていました。
ところが一年の育児休暇が明ける頃になると、不安だけが伸し掛かり、「本当にできるのだろうか?」と焦る気持ちでした。
そんな私の不安が息子にも通じたのか、保育園の慣らし保育は泣き通しの挙句に熱を出し、ほとんど登園せずに、私の育児休暇は終わりました。

育休明けの初出勤の朝は、泣く息子に背を向けた途端、私も涙が止まらず、職場に行っても息子のことが頭から離れませんでした。
(お母さん達は、こんな思いをしながら働いているのか…)
保育士として、その思いが保護者と共有できたことは救いでしたが、心配性の私の息子が泣かずに登園できたのは、それから3ヶ月後のことでした。やっと仕事に集中できると思ったのも束の間、息子は熱を出し、実家に預けて仕事に行きましたが、気が気ではありませんでした。長年、保育園で見てきたことが、いざ自分の事となると、思うようにいかないもどかしさと「子育ても家事も仕事も、ちゃんとやらなくては!」そう頑張れば頑張るほど、キリキリとする自分がいました。
それでも、息子の成長の喜びが糧となり、もう少し頑張れそう!と思ったり、仕事で嬉しい事があると、家庭の中でも元気でいる事ができました。
そして娘を出産、今度はふたりを保育園に預けて働く母親として、少し度胸も付き(笑)何とかなる!と気持ちを立て直して復帰すると、娘は泣かずに登園できました。
今思えば、あっという間の保育園時代ですが、当時の私はどれもこれもちゃんとやらなきゃ!でもできない!と空回りしていたように思います。

先日、ハートフルコミュニケーションの
ハートフルクラブに出席しました。
テーマは、『親の「働く」と、「子どもの健全な自立」をサポートするコミュニケーション』でした。そのなかで「仕事と家庭の両方を充実させる事はできるのか?」について、産業能率大学情報マネジメント学部教授 荒木淳子先生が研究されている「仕事と家庭の相互充実」のお話がありました。これは、私の今までの考え方を一変する、とても興味深いものでした。

「仕事と家庭の両方を充実させる」というと、「どちらも一生懸命頑張って充実させる」と捉えがちですが、そうではなく、「どちらかを一生懸命頑張って充実させると、もう片方にもポジティブな影響を与え、結果両方が輝く」。
例えば、仕事で部下のマネジメントや仕事の管理をしているから、家事の段取りもうまくできるというように、仕事で培った能力を家庭でも生かせるといったポジティブな影響。逆に、どちらか片方がネガティブであれば、もう片方にもネガティブな影響を与えるということでした。
では、「どちらを頑張るか?」ですが、「自分なりに軸を持って頑張る」という荒木先生のお話を聞き、納得しました。

私が「どちらも頑張らなければ!」と必死になっていた時は、心に余裕もなく、「上手くいかないのはすべて自分のせい、これもできない! あれもできない!」と自分を責めていました。自分にダメ出し状態は、ふたりの子どもにも被害が及びました。子どもの「できた!」に気がつかないのです。これこそ、ネガティブな影響です。
そんな時、ハートフルコミュニケーションに出会い、子どもの幸せな自立のために子どもと向き合い、ほんの些細なことでも「できたね!」と伝えるようにしました。今振り返ると、この時の私は「子育てに軸を置いた」のです。するとすぐに子どもの笑顔が増えて、「今日は〇〇ができるようになった!」という会話が楽しみになると、仕事から疲れて帰っても、家庭の中が明るくなりました。私自身も「子どものできた!を認めることができた!」と、自分にOKを出すことができ、ダメ出しが減っていきました。

嬉しくなった私は、これを職場の保育園でも保護者と一緒にやってみよう!と考えました。早速2歳児クラスの懇談会で話し実践すると、子どもたちはもちろんのこと、それよりもお母さん達の笑顔が増え、益々仕事が楽しくなりました。荒木先生の「仕事と家庭の相互充実」のお話を聞き、これがポジティブな影響だったのだとわかりました。
どっちも頑張ろうとせず、どちらかを一生懸命頑張って充実させると、両方が輝く! そう思うと、肩の力が軽くなり、まだまだがんばるぞ!と、これから先が楽しみになりました。

今、私の軸は「仕事」です。あの時のお母さんたちの笑顔が、私の「軸」を変えました。子育て中のお母さんを応援することに「軸」を置き、いつまでも生き生きと輝く私でいることで、家庭にも良い影響を与えられたら良いなと思います。

このブログに2年間執筆するなかで、自分と向き合い、子どもたちと向き合い、たくさん成長することができたことに感謝しています。
私からの最後の襷を、名和さんに繋ぎます。
これからもどうぞよろしくお願いします!

神奈川県/森屋弘美 





2019年12月23日(月) No.439 (日記)

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