ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

人間関係の目的


兵庫の名和です。
ご自身の目で息子さんを見守られる中で発せられた本藤さんのメッセージと、息子さんの力強い言葉が、ガシッとタッグを組むような形で私の胸に迫り、勇気と希望をいただきました。

私がここ数年間、試行錯誤を繰り返しながら取り組んできたことの一つが「夫との関係」です。定年退職した夫には、今まで見えていなかった家庭内の様子が色々と見えてきて、受け入れられない状況が起こってきていたようです。
私は、3年前のノートにこんなことを書いていました。

争いを回避するタイプの私が近頃、夫とよく口論になってしまっている。例えば、こんなこと。夫は私に用事があったが、私が電話中だったため遠慮して待っていたらしい。小一時間ほどの電話が終わった直後にやって来て「僕の常識では考えられへん!」と、たいそう立腹した。夫が待っていたことに全く気付かなかった私は、休日に家事を済ませて久々に妹と長電話して何が悪いのか納得いかない思いで、自分が間違っていないことを主張した。すると、夫は、自分は悪くないと自己防衛する私の態度が堪らないと更に怒りを増した。

時を経て文章を読み返してみると、冷静な気持ちで状況をとらえることができます。そこで、「思いを「伝える」技術(菅原裕子著)」を読み返してみました。その時、目に留まったのが<人間関係の目的は?>という問いでした。
では、私と夫の<人間関係の目的>は何だろう?と立ち止まりました。
上記のケースについて、本のワークに従って、ひとつずつ状況をを紐解いてみようと思いました。

先ずは「私の気持ち」を正直に問うところからです。
夫は自分の都合で私を裁いている。自己中心的なやり方に腹が立つ。一方で、私には「長電話はまずいんじゃないか?」という後ろめたさがあった。なぜなら、夫が長電話を好まないことを知っているからだ。それが、自分を守るために自分が間違っていないことを主張するという行為を引き出していたのではないか?
次に「相手の状態」に目を向けました。
長電話を好まない。待つことも好まない。その夫が、電話中だからと遠慮して、私が彼の用事に応じることを期待しつつ、ずーっと待ってくれていた。彼なりにそうとう我慢していたのだ。苛立ちがピークに達していたのだろう。
その次に「変えられないことは何か」に目を向けました。
彼の気質は変えられない。彼はそういう人なのだから、彼に物分かり良くなってもらうことを望むのは詮無いことだ。
最後に「関係の目的は?」と問いました。
人生のパートナーとして、相手を尊重して平和に楽しく暮らすこと。

そうであれば、上記のケースは<人間関係の目的>と大きくかけ離れているなぁ…と思いました。
では、私は夫に何をどう伝えたらよかったのだろうか?…と考えてみました。
「ずっと待っててくれたんや〜!気遣ってくれて、ありがとう。私、あなたが待ってくれていたことに気づいてなかった。そんな時は電話中でも遠慮なく声をかけてね。快くあなたの用事に応じたいから。今からでも私にできることは何かある?」
このように伝えたなら、きっと、その後の展開が違っていたように思います。
夫は、ずっと待っていたことを感謝され、「あなたの用事に応じたい」と言われて、少しホッとして、怒りが沈静化しただろうと思われます
私は、不要な自己防衛をせず、「夫の<待つ>という好意に感謝できたこと」「夫の好意に気づいていなかった事実をちゃんと伝えられたこと」「そんな場合はこのようにしてほしいと頼めたこと」で、少しホッとしただろうと思います。
そして、二人は、お互いに少し「ホッ」として不要な緊張が解け、鉾と盾の衝突の関係から、平和な関係へと移行できる糸口がつかめたのではないかと思います。

ただ、毎日の暮らしの中で、自分のやりたいことを我慢して夫の要求を満たす努力ばかりだと、私にフラストレーションが溜まります。たまには妹や友達と長電話を楽しみたいのに、これでは楽しくありません。お互いがお互いの「思い」を尊重してほしいと望んでいるからです。
では、どうすれば自分の「思い」も満たしつつ<人間関係の目的>に沿った行動がとれるのか?を考えてみました。

上記のケースでいうと、夫がいる場所(家)や時間に長電話をしなければよい。つまり、他の場所または時間にすればよいのではないか…と思いました。このようなちょっとした工夫を配慮と呼ぶならば、それが相手を「尊重すること」に繋がるのではないかと思いました。

いずれ、娘も家を後にする日がやってきます。その後は、夫婦二人の暮らしです。
今こそ<人間関係の目的>を考える時期にきていたのかもしれません。
<人間関係の目的>という軸を持つことで、建設的な方向に会話や行動を調整していけるのではないかと思い、只今、試運転中です。

上村さんにタスキを渡します。よろしくお願いします。

兵庫県/名和めぐみ 




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