ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

魔法の鏡


東京の楠野です。
五十君さんのブログを読んで、自分ではできないときに素直に人に援助を求められることも、大切な自立の能力なのだということ、とてもふに落ち、改めて自分自身を振り返るよい機会になりました。

さて、4月から始まった在宅勤務。大学生の長女と長男、高校生の次男と3人の子どもたちも授業や就活までがオンラインに。そんなわけで単身赴任先から移動禁止のため帰ってこられなくなった夫を除く、家族4人での引きこもり新生活は2ヶ月目を過ぎました。

引きこもり新生活での一番の変化はキッチンに立つ機会と時間がそれまでの3倍になったこと。
子どもたちが大きくなってからというもの、平日私がキッチンを使うのは朝ご飯とお弁当づくりのみ。夜ご飯は基本子どもたちが作ってくれていたのですが…「家に居るなら作ってよ」「はいはい、たまには作りましょう」という流れで久しぶりに三食のご飯づくりを私が担当することになりました。

ところで、我が家のキッチンには鏡があります。顔と同じくらいの大きさの、百均で買ってきた薄くて軽いつくりのもの。でもこれ実は、魔法の鏡なんです。

子どもたちがまだ小さかったころのこと、延長保育7時にピックアップして帰宅すると大車輪で家事と夕飯づくり、帰宅後の貴重な時間をめいっぱいフル活用するために、リビングで遊び、ダイニングで宿題に取り組む子どもたちと料理しながら会話するのが習慣でした。

あれもこれも片付けなきゃ。でも思うように片付かない。子どもたちは言う通りに動いてくれないし…仕事で頭いっぱいの時はちょっとした事も引き金になって、「うるさい!」「いい加減にして!」と、言い放ちそうになるところをグッと堪えて、鏡を見る。
そこには鬼の形相の人がいる。ひゃーこれは誰だ!こんな顔嫌だ!

むりやり顔を笑顔に作ってから、第一声を発すると、あら不思議。声色が柔らかくなる。しかも、いったん冷静になるので、いま引っ込めたその言葉は本当に必要なのか?と考えて言葉を選びなおすことができる。何より、あーやってしまったという自己嫌悪を回避できる。

「笑顔になる」頭では分かっているのに、いっぱいいっぱいになると、なかなか出来ないことだったけれど、鏡はいとも簡単に、客観的視点を瞬時に与えてくれる魔法の道具だったのです。
子どもたちへの第一声の前に鏡を見てニコッと顔を作る、この習慣は当時の私にとって、自分自身を嫌にならないで済む何よりの特効薬でした。

とにかく鏡を見るということだけ考えて繰り返しているうち、いつしか動作は習慣になり、鏡を見なくても今自分がどんな顔しているのか分かるようになったので、応用が利かせられるようになりました。家のキッチンから離れたオフィスでも、仕事中イラっとなると空想のエアー鏡を取り出してクールダウンするという、これは私にとって大変便利なツールになったのです。

この2ヶ月間の在宅勤務期間は、私がキッチンに立つと、子どもたちがダイニングに集まって来ておしゃべりしたり、料理を手伝ってくれたり。十数年前にタイムスリップしたような感覚でした。

まるで、あともう少しで巣立とうとしている子どもたちが、やり残した大事な忘れ物していたことに気づいて、もう一度引き返して来てくれたような。幸せってこんなにも近くにあったのねと気づかせるために、仕組まれたのかとさえ思えてきます。

そんな先日のこと。キッチンの鏡に目を向けると、写る私はもうちょっとやそっとじゃ怒らなくなった私。ニコッと笑顔を作ると、ふいに、鏡が問いかけてきました。
「あなたはあなたの人生を謳歌していますか?」
子どもたちに向いていた矢印が、私自身に向けられたのです。

残り少ない子どもたちとの時間。流れていく時間は止められない。今この瞬間を大切にするために、一瞬一瞬より良い選択をしたい。子どもたちが私を思い出す時、明るい笑顔だけじゃなく、人生を思い切り楽しんでいる姿が脳裏に浮かぶ私でいたい。
もう一度、夢に挑戦してみようかな…
我にかえると、鏡に写る私が、とびきりいい笑顔でエールを送っていました。

次は大阪の桜井さんにタスキを渡します。

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東京都/楠野裕子




2020年06月08日(月) No.463 (日記)

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