ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

「うざい」ってどういうこと?


広島の大下です。
桜井さんが自己肯定感に向き合われて、どんどん軽やかになっていかれるのが伝わってきました。

さて、先日の夜のことです。
ベッドで小学1年生の娘に絵本を読んだあと、(そういえば今週末、友達を家に呼んで遊びたいと言っていたな)と思い出しました。
娘に「学校で友達に都合を聞いてみた?」と尋ねると、なんだか言いにくそうな、困ったような表情で「…あのね、どう言ったらいいか、言い方が難しいんだけど…」と言ってきました。
「ん?なぁに?」と聞くと、しばらく娘が沈黙したのち「…あのね、『うざい』ってどういうこと?」と聞いてきたのです。

一瞬どきっとして「『うざい』ってどこで聞いたの? 誰かに言われたのかな」と、努めて冷静に聞いてみると、「〇〇ちゃんに『うざい』って言われた…。どういうことなん?」と、もう一度聞いてきました。

〇〇ちゃんは、娘の仲良しの友達で、週末一緒に遊びたいと言っていた子です。
その子に言われるとは、何かケンカでもしたのかと思い、「うーん、『うざい』っていうのは、『ちょっと嫌だ』って感じの言葉かな。なんで〇〇ちゃんはそう言ったんかね?」と言葉の意味を説明したあと、聞いてみました。
すると、どうやら娘が〇〇ちゃんに「土曜日遊べる?家に来られる?」と、学校で何度も何度も聞いたようで、最後に〇〇ちゃんから『うざい』と言われたとのこと。

「そっか〜。〇〇ちゃんは、あなたのことは好きだけど、何回も同じことを聞かれたから、ちょっと嫌な気持ちになったのかもね。あなたもそんな風に友達に何回も同じこと言われたらどう?」と聞くと、黙って首を横に振っていました。

「仲良しの〇〇ちゃんと遊ぶの、とっても楽しみだったんだよね。早く約束したかったのかな?」と聞くと、うなずいた娘の目から、ぽろりと涙が流れました。
「じゃ、今日はいっぱい聞いたから明日は聞かないようにして、また次の日に遊べるか聞いてみる?」と聞くと娘はうなずき、私が頭をなでているとそのまま眠ってしまいました。

娘が眠ったあと、私は娘が話していたことや表情を思い返していました。
…そっか、家では末っ子で家族みんなにかわいがられているから「うざい」って言われたことがなかったな。
私が次男にちょっかいを出して「うざっ」と言われたことがあるくらいで、普段家族は言わないし。幼稚園の時も言われたことがなかったんだろうな。
娘にとって、言葉の意味はよくわからないけれど、あまりよい意味ではなさそうなことを仲良しの友達に言われ、それがずっと胸にひっかかってモヤモヤしていたのだろう…と思うと、私の胸もチクリと痛みました。

実は娘から『うざい』の意味を聞かれてどきっとしたあの瞬間、私は、もしかして娘がいじめの対象になりかかっているのかも!?と思いました。
けれども、私自身が明らかに動揺し、表情を変えて詳細を娘に聞き始めると、娘は私の様子から「うざいって言われることはすごく悪いことなのかな」と思うかもしれません。
もしかすると今後、私に心配をかけないように学校のことを話さなくなるかもしれない、と頭に浮かび、努めて冷静に聞いてみたのでした。
そんなふうに私が冷静に聞いてみたのは、子どもの頃、大家族の中で気を遣いながら育ってきたことと関係があるかもしれません。
母にこれ以上苦労をかけないようにと、常に母の些細な表情の変化を見ながら心配をかけないようにしていたので、娘に同じ思いをさせたくない、と思ったのです。

そして次の日の夕方。
娘がどんな様子で帰ってくるか、少し気になりながら帰りを待っていました。
娘は学校から帰宅するとすぐに、「お母さん、〇〇ちゃんが土曜日に遊びに来られるって♪ 今日話したよ。」と、嬉しそうに報告してくれました。
内心(はやっ!もう話したんだ!?)と思いましたが、〇〇ちゃんが昨日家に帰ってからお母さんに都合を聞いてくれて、早速今日返事をくれたのかも、と考え「そっか、良かったね。楽しみじゃね。」と返事をしました。

「〇〇ちゃんが来てくれたら、これをして遊ぼう〜っと」と、嬉しそうに早々と準備している娘を見ながらほっと胸をなでおろしつつ、これからも少しずついろいろな経験を繰り返して、友達との関わり方や気持ちの伝え方を学んでいくんだろうな、と思いました。

何か辛いことがあったとき、ただただ受け止め共感してくれる存在がいてくれると、本当に嬉しいものです。
十数年前、私が心底どん底だったとき、信頼できる友人に話を聞いてもらったことがあります。
その友人は私のまるごとをそのまま受け止めてくれ、黙ってそっと寄り添ってくれました。
その時、心から嬉しく安心できたことがきっかけで、少しずつ気持ちが落ち着き、自分でもその時の状況を受け入れることができたのです。
私は、苦しいときや辛いとき、誰かに自分を受け止めてもらえることで次に進める力が出てくるということを、その時実感しました。

これから先、娘が何か嫌なことや辛い思いをしたとき、その思いを出せる母でありたい。そして、思いを受け止め、話を聞いてあげられる母でありたい、と、改めて心から思いました。

それでは、千葉の中溝さんにタスキをお渡しします。

広島県/大下倫子 







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