ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

娘のひび割れ壺


千葉の小林です。初めて参加します。楽しみながら書きたいと思っています。よろしくお願いします!
山田さんの兄弟の違いを受け入れて親のサポートも変えていく姿勢に、私も二人の兄妹を育てている母として共感しました。

今回は、私と娘(高校1年第2子)について書きたいと思います。
娘は中高一貫の女子校に通っています。中学生になったときに歌劇部という宝塚歌劇団をモチーフにした部活に入りました。娘は思ったことをはっきりと伝える性格で、小学生の頃、お友達に「その服、あまり似合ってないね」と言ってしまい、そのお友達のお母さまから酷いことを言われましたとご指摘を頂く次第でした。
娘に「言われたら嫌なことは、人に言ってはいけないんだよ」と注意すると、「似合ってないって教えてもらえたら嬉しいと思うのだけど」と返ってきたので、言われたら嫌なことは言わないという定説みたいなものは、この子には通用しないんだ・・と途方に暮れました。どう伝えたらいいのか、答えはでませんでした。私はどう娘に伝えたらいいのかわからず、繊細なお友達は娘に近寄らずにいてほしいな・・と、正直なところ、あまり問題に向き合えませんでした。

そして、中学に入ってから、部活でお友達を言葉で傷つけてしまうことがあり、ついにはいじめとしての扱いになってしまいました。校長先生や教頭先生からの生徒指導となり、私と夫も学校に呼び出されました。ついにここまできちゃったか、どう言ったら娘に伝わるんだろう、先生に叱られるんだろうな・・と落ち込みながら、学校に向かう足取りが重かったです。
でも、校長先生に言われたのは、「これから活躍できる世界の女性リーダーは、人の悪いところを指摘するのではなく、みんなのコンディションはどうかな、困っている人はいないかなと気配りができる人が必要です。あなた娘の言いたいことを人に伝えられるという性格を、いい方向に向けるといいよと教えてくださいました。

しかし娘は、初めて校長先生に呼び出されたわけですから、自分が人を傷つけてしまう性格なんだと、自分を責めていました。ずっと黙って生活すればいいのか、自分を抑えることしかできないのかと悲しんでいました。
それまで問題に向き合えていなかった私でしたが、そのとき思ったのです。娘の性格を変えようとしていたから難しかったんだ、違った角度からみたら、人のいいところにも気が付くことができるいいところも持っているんだ、そこを伸ばしていこうと思ったのです。
そのときに、本棚にしまってあった
「ひびわれ壺」の絵本を思い出しました。そうだ!いい本がある!!

帰宅後、私は「ひびわれ壺」を娘に読んで聞かせました。娘は顔を覆って泣いていました。自分は欠点だらけだと思っていたところだったので、救われる思いだったのでしょう。もちろん、娘の良かれと思って言ったこと、やったことで、人を傷つけてしまったことは反省しなきゃいけないことだけど、お友達のこころに花を咲かせるような言い方、伝え方をすれば、あなたは人を元気にさせる力があるんだよ、だから、あなたは自分を抑える必要はないんだよ、相手が喜ぶようない言い方ができるようにしてみようと伝えました。
思えば私も、伝えるときに否定から入ることが多いような気がします。例えば、「お風呂冷めちゃうよ」と言っても、「あとで〜」と言われてしまいますが、「温かいうちに入りなよ」と言うと、「は〜い」なんてこともあります。これは、私の話し方も意識してみたほうがいいなと思い、なるべく肯定した伝え方をするように今でも訓練しています。そのほうが、私もイライラしないで済むような気がします。

その後、娘は本気で人を喜ばせることがしたいと、本気で宝塚歌劇団に入る目標を持ち、3月に2度目のチャレンジをします。人との付き合い方も、相手の反応をみながら上手にコミュニケーションを取れるように変わってきました。私に対しても「今、お仕事中だよね?ちょっといい?」などと、様子伺いをしてから要件を言ってくるので、へえ〜そんな気遣いもできるようになったのねと嬉しくなります。そうすると、私も「ありがとね」と言いたくなるので、以前よりも母娘喧嘩が減ったかなと思います。
私自身も、仕事相手に対しても、今日の髪型素敵だなと思ったら、それを伝えるようになった気がします。相手が喜ぶと、自分も一日いい気分で仕事ができます。相手の変化によく気が付くという個性を潰さずに、いい方向に生かしていくこと、欠点を利点に変えていくこと、それを実感した出来事でした。

それでは今回はこの辺で、私と同じ新メンバーの田中さんにタスキを繋ぎたいと思います。

千葉県/小林由美子 



▶▶絵本『ひび割れ壺』(菅原裕子著・二見書房)


菅原裕子の朗読をこちらでお聴きいただけます。





2021年02月22日(月) No.500 (日記)

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