息子の就活から思わぬ展開に!
大阪の桜井です。
自分のイライラの正体を突き止めて、息子さんを見守った秋岡さん。そんな秋岡さんだからこそ、息子さんは勉強ができることより大事なことを学ぶことができたんだなぁ、と思いました。
さて、我が家の長男は、もう子どもではなく、ほぼ大人になりました。この4月から大学4年生になります。就職活動もいよいよ始まりました。何事にも慎重な長男、やはり就職活動のスタートも超慎重でした。自分がどんな仕事がしたいか、なかなか答えが見えなくて悩んでいるようでした。
そんな長男が、1年早く就職した信頼している友人から、就職に関する本を何冊か譲り受けました。それらの本は、就職活動をするにあたって、徹底的に自己分析することを勧めていたようです。長男はその本に書いてある通り、自分の過去を振り返る作業から始めました。そして私にも手伝ってほしいと言ってきました。赤ちゃんの頃に始まり、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と、それぞれの時期どんな子どもであったか、親子関係はどうだったか、詳しく教えてほしいと言われました。
「そんなに前から〜」と思うものの、こんなことで役に立てるのであれば、とことん付き合おう、と思いました。ノートとペンを持って真剣に質問してきます。昔のアルバムを見ながら赤ちゃんの頃から振り返ります。
最初は「めちゃめちゃかわいかったなー」、と一緒に楽しく振り返っていたのですが、次第に苦々しい思い出が次から次へと思い出されます。
赤ちゃんの頃、一人目の子育てで全く余裕がありませんでした。息子が眠るまで抱っこして、布団に下ろそうとすると、また泣きまくる、その繰り返しに疲れ果てていました。家事にも慣れていなかったので、長い時間おんぶして家事をしていたこと、おんぶばかりしていたので、肩や腰がしんどくなって、「もう泣いといて!」と思ってベッドに放置してしまったこと(しまいには泣き疲れて寝ていました)、トイレトレーニングでは鬼ババと化してしまったこと、育児暗黒時代を次から次へと思い出しました。
小学生になっても、何でもできる子に育てなければいけない、と思って、教育ママと化していました。今でも息子に繊細な面があるのは、私が大らかに育ててあげなかったせいではないかと思って心がチクチク痛みます。
楽しいこともあったはずなのに申し訳なかったことばかりを思い出します。それでも最後まで質問に真剣に答えたいと思いました。この作業をすることで、長男が今の自分を乗り越えようとしていると感じたからです。そして、どんな時も協力を惜しまないことも伝えたかったからです。
振り返れば振り返るほど、面と向かってしっかり謝りたい、今謝らなくてはいけない、と思いました。私自身、親から愛されている、大事にされていると思う感覚がなかったので、愛情を伝えるということがどういうことなのか、どれだけ大切なことなのか、わかっていませんでした。そんな言い訳も伝えようか迷ったんですが、それよりも本当に申し訳なかったという気持ちを伝えたいと思いました。
「子どもの頃、厳しくばかりしてごめんね」と、泣きそうになりながら謝りました。そんな怒ってばかりの自分を変えるためにハートフルコミュニケーションの講座を受けることにしたことも伝えました。
息子は少し驚いた表情をした後、「そんなんもういいよ」と言ってくれました。責められることも覚悟していたのでびっくりしました。照れを隠すように「ありがとうね」と返すと、「大人も完璧じゃないってわかったしな」と少し笑いながら言ってくれました。
長男は、私がいつまでも後悔することなんて望んでいないんだな、と気づくことができました。改めて謝ることができて良かった! 長男の子育てが一区切りついたように思えて、新しい関係が始まったようにも感じました。
先日、企業に提出するエントリーシート(応募書類)に書く「自分の強み」の欄になんて書いていいかまだ分からない、とつぶやいていました。
おせっかいかもしれないなぁ〜と思いつつ、これまで22年間付き合ってきて、私が感じた長男の強みを箇条書きにして渡してみました。それを読んだ長男は、「めっちゃ、ありがとう! いい親やわ〜」と言って喜んでくれました。
まだまだ一波乱、二波乱ありそうな長男の就職活動ですが、これからも、信じて、見守って、時には応援していきたいと思います。
広島の大下さん、タスキをお渡しします。
大阪府/桜井美紀
2021年03月29日(月)
No.505
(日記)