ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

困った母ちゃん脱却


千葉の小林です。
山田さんの「子育て四訓」。ハートフルコミュニケーションでいう「ヘルプとサポート」と似ているように感じました。お子さんの年齢が離れていらっしゃるなかで、それぞれの成長にあわせてサポートしていらっしゃる山田さんにエールを送ります。
そして、山田さんの日記をきっかけに、最近の私を振り返りました。
今回は、もうすぐ19歳になる息子について書きたいと思います。

私がハートフルコミュニケーションに出会ったのは、11年前。息子が小学校1年生のときです。そのときからなるべく余計な手助けはしないように心がけてきましたが、今年の大学受験で改めて「どこまでが余計な手助けなのか」について考える出来事がありました。なんと共通テストの受験票を前日に紛失してしまったのです。

本人の責任とはいえ、人生がかかっているといってもいいくらいの受験です。本人は「仕方ないから本部に連絡して、再発行の手続きをするから大丈夫だよ」と、暢気なことを言っていましたが、いらいらと不安が収まらない私は仕事が手につかなくなり、昼休みに家に帰って一緒に探しました。探しながら、これは余計な手助けなのでは・・、私がやるべきことではないのでは・・と葛藤です。そのわりに本人は大して困った様子もなくあっけらかんとしていて、それがまた私の怒りに輪をかけました。私と同じくらい焦ってほしかったのですが、再発行の手続きも済んでもうほかにやれることはないと本人は言っていました。
思えば息子の部屋はぐちゃぐちゃで、私もあえて掃除をしていませんでした。でも、そうやって本人任せにしていたことが、「余計な手助けをしないこと」と「放任」をごちゃまぜにしていたのではないか、今まで私は間違っていたのではないかと不安になりました。
結局、受験票は塾の机の中にあり、塾の先生が見つけてくださいました。こういう子は今まで見たことないですと叱責されました。当然です。お恥ずかしい。

息子は志望校に受からず、ほかの大学を受けようよと言っても、行きたくないところを受験する気はない、浪人をして行きたい大学に合格したい、その切り替えのために3月は思いっきり遊びたいと言うのです。
これまた不安になった私は、「最後まで合格をあきらめるな!」といったようなYouTubeをみつけては息子に転送したり、3月にまだ受験ができる大学を探してみたり。じっとしていられませんでした。
今思うと、それが「余計な手助け」だったのかなと思います。息子は全く聞く耳を持ちません。「受験は親で決まる」といったようなサイトを目にしては、今回の失敗は私の責任もあるのだろうと、自分を責めました。私が毎日部屋の掃除をして整理整頓していたら、きっと受験票も失くさずにいい受験のスタートが切れたのではないかなどと考えました。
そんななかで迎えた卒業式。恥ずかしくて出席したくないなと思いながら参加しました。
ところが、仲間たちと楽しそうにしている息子をみて、確かに受験は人生の中で大切な節目ではあるけれど、こんなにたくさんの仲間ができたことはなによりの財産だなと思ったのです。いい結果は出なかったけれど、やりきった顔をしている息子をみて、私も一区切りついた気持ちになりました。そして、受験票を失くしたときに、息子が自分で再発行の手続きを踏んで「責任」を自分で果たしたことを、私はもっと認めても良かったのではないかと思いました。

そんなこんなで私にとってやきもきする長い長い3月が終わり、4月になると本人の言った通り、切り替えて勉強を再開しました。本人いわく、友達にも4月からは勉強するからと話していたそうで、面白いくらいにぱったりとお誘いが来なくなったそうです。
私は、本当に4月になったら勉強するのかなと疑っていた自分を恥じました。きちんとけじめをつけようと行動していた息子を、どうして信じてあげなかったのだろうと自分を不甲斐なく思いました。
それまで私ができることはなんだろうと悩んでいたのですが、「私が」ではなく、「息子が」どうしてほしいかと尋ねてみると、「予備校で食べるお弁当を作ってほしい」、「部屋は掃除機だけお願いします、あとは触らなくていいから」とのこと。やってほしいことがあったら声を掛けてね、と伝えましたが、今までと同じように毎日自分で起き、お弁当を平らげ、それ以上なにかしてほしいとは言ってきません。

子どもが成長すればするほど、親にできることは限られてきます。親が思うような結果にならなくても、子ども自身が決めたことを認めて応援することしかできません。
実は私は「受験は親の責任」といったサイトを、自分が追い込まれるのをわかっていながらみていました。自分のせいにすることで子どもを守ろうとしていたのかもしれません。そうやって自分を責めているうちは、落ち込むことだけでなにも踏み出さなくて済むからです。
本当は子どもなりにいろいろ考えているのに、勝手に「動き出さない」と決めつけて、勝手に不安になる。そして手出し口出しをする。それは子どもにとっては「困った母ちゃん」ですね。そうなりたくはありません。あなたのことを信じているよ! と、どんと構えて過ごとうと思います。

ではこのへんで、田中さんにタスキを繋ぎます。

千葉県/小林由美子 







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