ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

次男の彼女に会ってから


素直な「ありがとう」には、本当にはっとさせられますね。
私も職場や家庭で素直に感謝を伝えられないことがよくあるので、もっと自然に言えるようになりたいなと落合さんの日記を読んで改めて思いました。

カナダのチャウです。

今日は、今年になって彼女ができた15歳の次男とのやり取りを通して思ったことを書いてみます。
15歳と言えば日本では中三ですが、こちらではハイスクール2年生の次男。受験はないし、部活も必須ではないので、平日や週末まで彼女と過ごす時間が多くなってきており、いろいろな心配がよぎります。
以前に「ガールフレンドってどういう存在? 何話すの?」と聞いたら、「別に、気の合う異性の友達」とそっけない返答だったので、ジェネレーションギャップなのか文化的な違いなのかは分からないけれど、付き合うといってもそんな軽いノリなのかと少し安心したのでした。

しかし安心したのも束の間、夏休みのある日、その彼女が初めてうちに遊びにやって来ました。私は朝からソワソワ落ち着かない時間を過ごし、初めての彼女との対面はドギマギしたものでした。これまで同性の友人が遊びに来る時とは何か違った緊張感でした。
彼女はちょっと恥ずかしそうにはにかんでいましたが、礼儀正しくて感じの良い今時っ子でした。一方、私の方が、彼女と次男をまともに見ることもできないくらいに緊張していました。何を話したらいいやら分からずに、なんだか不自然な会話に。「なんでこんなに緊張するんだろう?」というモヤモヤとともに、あまりうちに来られても困るなという気持ちがしていました。
これまで家族ぐるみでのお付き合いが少なく、夫も私も他人がうちにいる状態に不慣れで、やたらと気を使ってしまいました。

私がそんな葛藤を抱えているとも知らず、次男はスマホで毎日毎分毎秒、彼女とやり取りしている仲良しぶりでした。彼女のご両親までがとても親切にしてくださり、夏休みには家族同様に、次男を車でビーチやフェスティバルに連れていってくれたり、ランチやディナーまで毎度ごちそうになっていました。
行動範囲が広がり自由に行き来したい年頃ではあるのですが、彼女の家はうちから遠く、まだ双方の親による送迎や食事などが必要です。長時間共に過ごしたい彼らに、どうやってどこまで関わればいいのか、それは私にとっては新しい悩みの種でした。

9月に新学年が始まるとほぼ毎週末、「向こうのご両親もウェルカムだから」と彼女の家に送ってほしいという次男。でも、私は「そんなに毎週行ったらご迷惑でしょ?」「夜暗くなってからのお迎えはいやだし」「長男や妹のピアノレッスもあるし」などなど、手放しでいいよと言えない理由が頭の中に渦巻きながら、しぶしぶ送迎していました。
10月の第二月曜日のサンクスギビング・ホリデーは、ターキーを焼いて家族一同が集まる秋の収穫祭でしたが、次男はその日も招待されて彼女の家族や親戚一同と楽しく過ごしてきました。私は、次男が受け入れられていることは嬉しい反面、複雑な気持ちでした。

そしてつい先日、次男が「今月末のハロウィンに彼女のうちで過ごしたい」と言ったときに、ついに「ハロウィンはうちで過ごして!」という言葉が口をついて出てきました。
次男は「なんでダメなの?」「楽しく過ごしたい」と私から納得できる回答を求めてきました。初めは「ハロウィンの夜は子どもが大勢外を出歩いてるから車の外出は避けたい」という理由づけをしていましたが、そのうち、我が家の家族行事をほったらかしている次男に対して、非難の気持ちがあることに気づき始めました。
「家族を優先しろってこと?」と聞かれ、「それだ!」と思いました。私の中でモヤモヤしていたのは、次男がうちの家族よりも、よその家族と過ごすのを楽しんでいることに対する不満でした。

冷静になってから考えてみると、確かにうちは家族以外の人と交流して「楽しむ」ことが少ない生活でした。私にとって我が家は日本語で話せるリラックスの場で、英語でコミュニケーションする外とはハッキリ分かれていました。
しかし、学校や友達を通してカナダ社会に根を下ろしている子どもたちは、うちの在り方が他の大勢の家族とは異なっているというフラストレーションを感じていたのかもしれません。私もうすうす気づいていながらも、子どもが小さいうちは「それが我が家」ということになっていました。

しかし、彼女ができて以来、だんだんと親から離れていく機会が増えた次男を目の当たりにして否が応にも彼の成長を感じ、いずれは巣立っていくのだということを意識させられました。
同時に、なんだかんだと理由をつけて、自分のコンフォートゾーンから抜け出さずに内にこもりがちになっていた今までの在り方では、今後一層自立していく子どもたちと心まで離れてしまうかもしれない。そんな焦りを感じたのかもしれません。

私からもっと心を開いて、周りと関わっていくような在り方をこれからしていきたい!

カナダでは社会のマイノリティであるという感覚や言葉の劣等感から、自信をもって人と関わることが難しいと感じていました。そのため、人に頼ったり頼られたりという深い信頼関係に踏み込むことを知らず知らずに避けていたように思います。
でも、子どもを通してその親やコミュニティの人たちと、招いたり招かれたりといったような「持ちつ、持たれつ」の開かれた横の関係性を作っていくことが、私にとっても家族にとってもこれからの人生を充実したものにしてくれるのではないかと感じています。きっとその方が楽しいでしょう。

ハロウィン当日、どのように過ごすことにしたか?
この日記を書きながら、私と次男と家族にとってのベストな過ごし方を随分考えてから、当日の送迎はできないけれど、彼女のうちでハロウィンを過ごしてもいいと次男に伝えました。ここ数日、次男は自分でなんとか彼女のうちまで行ける方法を探し、当日を楽しみにしながらコスチュームを考えたり、パンプキンカービングをしたりして過ごしています。そして私の心は以前より晴れやかになっています。

ではこのあたりで、小林さんにバトンをお渡しします。

カナダ/チャウあつよ



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分岐点にあったものは、”信じる力”でした。
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2022年10月31日(月) No.592 (日記)

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