ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

そんなに面白い?


大阪の安村です。
最後のバトンを受け取りました。仕事と子育ての両立での悩み、私も子どもが病気の時、すごく悩んだのを思い出しました。秋岡さんの働くこと、育てることを取りこみ続ける人生、その先に親と子、それぞれの幸せを感じました。

今回、私は、子どもが教えてくれた世界について書こうと思います。
子どもが、小学生の頃、子どもがゲームをするのを嫌だなあと思っていました。

外で遊ばないでリビングで一緒にゲームをしている息子と息子の友達を見て、外遊びをしないでゲームばかり、育ち盛りの子どもの健康面でいい影響はないだろうと思って、「外でも遊んでおいで」とよく声を掛けていました。言われれば、少しは外へ行くものの、すぐに戻ってきてゲームを始める。
家に来て遊ぶのはいいけど、他にすることはないのかと残念に思ったし、バトル系のゲームになると、のめりこみ過ぎて、言葉遣いが荒くなるのも嫌でした。
子どもが、一人でゲームをする時も、約束の時間が過ぎても終われない子どもに、約束が守れないと腹を立て、ゲームは子どもにとって、悪影響を与えるものと思っていたのです。

だから、自然と「ゲームばっかりしないで・・。」とか、ゲームをあまりしない方がいいということを子どもに言っていたのです。それに対して、3人とも、「お母さん、絶対面白いからやってみてよ」と何度も、言ってきてはいました。
ですが、そもそも、ゲームなんてと思っていたのと、自分が不器用で上手くできないということも予想されて手を出す気にはなりませんでした。

なかなかゲームを止めない息子たちに、スイッチを切って、強制終了したこともあります。ゲームをしたことがある方なら、強制終了!? ひどい! と思うかも・・・。
でも、その頃の私は、ゲームをしたこともなく、ステージをクリアして次に進んでいく。自分がクリアできたところでデータをセーブしておくというゲームの基本理解もありませんでした。
なので、強制終了で泣いたり、文句をいう息子に自分が時間を守らないからそうなるのはしかたないでしょ! くらいに思っていました。

始めのうちは、言うことをきいていた…きかされていた子どもも、大きくなるにつれ、私のお仕着せのルールに反発するようになってきました。その結果、言い争ったり、私がゲーム機、コントローラーを取り上げて、子どもが落ち込んだり・・・・。私自身も嫌な気持ちになることが度々。
ゲームのことでの子どもとのトラブルは、本当に嫌でした。きっと、子どもたちもそう思っていたと思います。

そんな嫌なやり取りを繰り返すなかで、子どもたちがなぜ、そんなにゲームにのめり込むのか? 私は、全く興味がないゲームというものは、そんなに面白いのか? 子どもたちが揃って勧めてくるゲームの世界を少し、覗いてみたくなりました。

いざ、やってみると、その難しいこと!
子どもたちがやっているように、コントローラーを操作できない。主人公はあちこちで止まってしまって、一向に前に進めない。
始めは、長男が横で、あれこれ教えてくれていましたが、そのうち、3兄弟がぐるりと私を囲み、「そこは、そうじゃない!なんで、そこで行かなかったの?」ダメ出しの嵐・・・・。
しばらくやってはみたけれど、「あなたたちみたいに、毎日やっているわけでもないのに出来るわけないじゃん!」と、ステージをクリアしてセーブするところまでも辿り着けずに降参しました。

子どもたちが言うように、面白いと思えたかというと・・・・。まったくもって。子どもがいない時に、こっそり練習もしてみましたが、相変わらず前には進めず、面白いとは思えませんでした。
ただ、自分でやってみて初めて、苦労してステージをクリアしたら、やっぱりセーブはしたいよなあ・・と、子どもの気持ちが少し理解できたのです。そして、私には、分からないけど、楽しくって仕方ないのだろうということも、私を囲む子どもたちの様子から伝わってきました。

だからといって、時間制限をすべてなくしたわけではありません。
基本ルールはそのまま、1回30分でしたが、それまでは、有無を言わせぬ感じで終了させようとしていたやり方を少し変えました。
例えば、「時間はオーバーしているけれど、ステージのクリアがもう少しだから、クリアしてセーブするところまでは、待ってほしい」と子どもが言えば、「OK、その分の時間は、次のゲームの時に差し引きね」という感じで。
自分の都合も考慮されるようになったので、それまでのようなトラブルにはならなくなりました。

自分の考えだけを一方的に押しつけるのではなく、相手の世界を知るって、大事だと思うようにもなりました。それまでは、否定的にしか見ていなかったゲームでした。でも、時には、単調な作業のような工程を何度も繰り返してようやく、次のステップに進めるケースもあることも子どもから教えてもらいました。
その時の彼らの集中力、辛抱強さったら!
勉強に向けてくれたらという想いは、当然のようにありはしましたが。でも、ゲームのプラス面も認められるようにもなりました。

今回、書きながら振り返って気付いたのは、3人が私を取り囲んで、進め、止まれと言っていた時、3人とも私が少しでも先に進めるように一生懸命だったということ(お母さんを何とかクリアまで行かせてあげたい)。そして、自分たちが楽しいと思っているゲームを私と共有できることが嬉しかったんだろうなあということです。私にダメ出しをしながら、皆が、笑顔だったとを思い出したのです。
その時の私は、やはり、上手く進むことができない自分の不器用さも腹立たしく、子どもたちがどう思っているかを考える余裕はありませんでしたが・・・。
ですが、この時の話は、「お母さんが、あまりにも下手だった」「いや、船頭が多過ぎたんだよ」と笑い話として、時々、子どもたちと話したりもする楽しい思い出の1つです。

今は、子どもたちから、「観て」、「聴いて」と言われるものはウェルカム。
お気に入りのゲームだけではなく、漫画やゲーム実況なども、自分が面白いと思うもの、気に入ったものがあれば教えてくれます。そしてこれが、結構、面白かったりするのです。
子どもが教えてくれなければ、自分から覗いてみようとも思わない世界。
一緒に楽しめるって、幸せだなあと思います。

日記を書きながら、子どもに限らず、相手の世界を覗いてみる。そして、出来れば実際に体験したり、相手が感じることを推し量ってみるだけでも、自分の世界がずいぶん広がるのではないかと思いました。これからも、知らないことを知る機会があれば、ウェルカムで受け入れて、自分の世界を広げていきたいと思います。

この辺りで、岩田さんにバトンを渡します。

大阪府/安村典子  





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