ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

ゴールからの始まり


★★ ★ 第14回オンライン・ホッとカフェのご案内 ★★★

仕事と子育てのバランスで悩んだことはありませんか?
「働くこと育てること」をテーマに語り合い、あなたの日々のヒントを見つけるオンライン・カフェ、今週末の開催です!
 【日時】2023年5月21日(日)10〜12時 
 【参加費】無料 
【話題にする日記】
https://note.com/heartful_diary/n/n7caa610dbebb
【お申し込み】 https://ssl.form-mailer.jp/fms/ba819b4c782430
※ 前回までの様子はこちらでお読みいただけます。

★★★

埼玉の岩田です。
ありがとうと伝えることで「やらされること」から「自らやること」に変わっていったという安村さんの気付きは、子どもを一人の人として認めることでもあると、私も気付かされました。

15年前に亡夫が建てたマイホームは、庭は落ち着いてからにしようと手つかずのままでした。どんな庭にしたいということもなかったので、いつの間にか庭への関心もなくなりました。草むしりをしようと気合いを入れても、最後まで取りきることができず、梅雨になり草丈が伸び、猛暑になり外には出るような気力はなく、数年が経ってしまいました。そのような状態だったので、近くを散歩していた知り合いが、見るに見かね除草剤をもって来てくれたことがありました。

しかし私は、草むしりをしない言い訳(!?)ではありませんが、土や草は自然の象徴のような気がして好きでした。
土にはヒーリング効果があり落ち着きます。草からは酸素も放出してくれるし、夏の暑い日にはコンクリートより断然涼しく感じます。なんといっても手間もコストもかからずにこんなに良いことばかりです。

とはいってもさすがに除草剤を持ってきてくれたのでは、いつまでも自分の主張を通して良いものか、本当は近所のみなさんに迷惑をかけているのかもしれないと思うようになりました。気持ちの中では、草むしりをしなければと思っていました。

ここ最近になり育児も一段落し、コロナ禍で人との交流が途絶えてしまった今、自宅でハートフルセッションを開催できたらなぁという想いが強まりました。今までの住み心地のよい庭にさよならをすることを決め、思い切って業者さんに工事をお願いすることにしました。

まずは庭を見てもらいました。庭に生えている草を見ながら社長が「草はその年の条件によって生えてくる草の種類が違うんですよ」と教えてくれました。
条件がそろったら、その条件に合った草が生える、親が変化することで子どもも違った姿を見せるように、子育てと共通しているような気がしました。
今まで草として一括りにして見ていたものが、そのひとつひとつに特性があることなどを知り、少し草花のことに興味を持ちました。

ただ庭作りをするにあたって、特に私が気がかりだったのは、庭に花を植えても、それを維持することができるのだろうか、また途中で放り投げてしまうのではないかという心配でした。そして他には、コンクリートや砂利を使って土を隠してしまうことは、自然を壊してしまうようで悲しい気持ちになりました。草を生えないようにするには、どうしてもコンクリートや砂利を敷いて日陰を作らなければならないので、せっかくの庭が殺風景なものになってしまいそうでした。

しかし話していくうちにコンクリートや砂利の敷く割合を減らしてもらい、最低限の敷石で草が生えないような工夫と、水やりがしやすいように水栓の位置も変えることにしました。
何もイメージを持たずに訪ねたのですが、社長は私の好みや困っていることなど具体的に話を聞き、浮かんできたものをスラスラと絵に描いて、あっという間にイメージ図を完成させました。一目見て夢のような庭に嬉しくなりましたが、本当に私に維持出来るのだろうかと不安や心配がつきまといました。

いよいよ工事が始まりました。
まず始めにやったことは、裏にあった杏の木を南側の窓から見えるように移植することでした。今まで裏庭でいつの間にか花が咲いて実を付けていた木でしたが、いつでも見えるようになりました。木の枝も格好良くカットしてもらい見栄えが良くなりました。
植え替えて間もなく花を付けたので喜んでいたのですが、社長は見るとすぐに花を摘んでしまいました。まだ植え替えたばかりは、花はすぐに摘み取ってなるべく体力を温存するのだそうです。

花壇には、植栽担当の方が植物の植え込みをして下さいました。植え込んだ植物も一つ一つの特性を生かし、そこを通った時に香りが楽しめる物や目で見て楽しめるもの、這うように広がっていくもの、少し丈があるものなど組み合わせ、そして植えっぱなしで大丈夫なように植物を選んでくれたなど、初心者の私に合わせて工夫を凝らしてくれたようでした。

はじめは草しかなかった庭を終わらせようと始めた工事でしたが、使いやすく、そして楽しめるように植えてもらった植物を見ているうちに、これは草むしりを終わらせるゴールではなく自然を育てるスタートなんだと気持ちがウキウキしてきました。花を育てるために、水やりをしたり花がら摘みをしたり、花のために草むしりをするなど、草むしりに気持ちが追い立てられる日々とは大きく違いました。
せっかくきれいに植えてくれた花を枯らさないようにと心配している私に、社長が「あまり神経質にならず失敗しながら楽しんで下さい」と言いました。私はその言葉に、失敗することや良い状態を維持しようと気を張っていた肩の力が、抜けたように感じました。

今では、外で草むしりをしていると、散歩中の人から声をかけられることが増えました。
「きれいな庭になったわね〜」とか「工事中から、どんな庭になるのか楽しみにしていたのよ、とても素敵」と言われると、自分の庭ではなくご近所さんの楽しみでもあったのかと思いました。

時に嫌なことがあっても草むしりを黙々としていると、自然の力を感じて癒やされていくようでしたが、それは私だけの楽しみでした。
新しくなった庭は、風の心地よさや目で見ること、香りを楽しむことが出来、その上私の癒やしの場もプラスされた庭に変わり、自然を壊してしまうように感じた私の気持ちも癒やされたように思いました。これで、安心して新しい庭からのスタートがきれそうです。

この辺りで渡海さんにバトンを渡します。

埼玉県/岩田元子  









2023年05月15日(月) No.619 (日記)

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