「ガミガミ」をやめた理由とその効果
初めまして。東京の菅原典子です。
平沢さんご一家の“ルール”のバージョンアップのお話を読んで、子どもの年齢に合わせて自由度を広げ、
自主性に任せることで更なる成長を促す取り組み、素晴らしいと感じました。
ご兄弟での個性の違いによる苦労も垣間見ることができ、
我が家のタイプの違う姉弟と照らし合わせ共感しながら拝読しました。
我が家にも、個性の全く異なる子どもが二人います。
小さい頃から探求心旺盛で、合理主義的なサッパリ系女子の上の娘と、感受性豊かで少しゆっくりペースな下の息子。
今では、個性の違いも楽しんでいますが、かつてはその違いが受け入れられずに苦しんだ(苦しめた)時期がありました。
今回は当時の息子との関わりについて綴ろうと思います。
上の娘と下の息子の個性の違い。これも男女の違いなのだろうかと、少し戸惑いながらも、ゆっくりでマイペースな息子もかわいらしく思って子育てをしていました。
常に私にべったりのママっ子。サバサバした性格のお姉ちゃんとは違って、とても甘え上手でかわいい存在でしたが、でも一歩外に出ると、他の子よりもできない息子、すぐに泣く息子を、「情けないなぁ・・」と、ちょっぴりイライラすることもしばしばありました。
小学校にあがると、勉強でのゆっくりさがどんどん気になり始め、あまり口出ししなくてよかった娘との違いに、私は心配とイライラが絶えることはありませんでした。
「この子はちゃんと立派な大人になれるだろうか・・」など不安は止まりません。
かわいいけれど、心配な子・・・。
そんな思いを息子に抱きながら子育てをしていました。
特に勉強について私はガミガミ言って厳しくやらせました。
息子が中学生になってからの私の「ガミガミ」はさらに激しくなりました。
勉強をしない息子。何度も約束を破るYouTubeとゲーム。
私は毎日のイライラと戦いながらも、ふと、このままでいいのだろうか、
とうっすら考え始めるようになりました。
というのも、勉強やゲーム・YouTubeについて注意をするたびに、小学生のときにはなかった反発するような顔や態度が少しずつ感じられるようになったからです。
いよいよ反抗期!? こんなふうに一方的なガミガミで押さえつけるようなやり方は絶対に良いわけがない、と本能的に感じた私は、彼への接し方や親の役割のようなものについて模索しているところに、たまたま出会ったのがハートフルコミュニケーションでした。
すぐさま講座に申し込み、自分の子育てと向き合う1年間を仲間とともに過ごしました。
息子が中2、娘が高2の時でした。
そこから、息子に対する見方や接し方、声掛けが少しずつ変わっていきました。
まず、自分自身の日頃の「ガミガミ」を分解してみました。
自分は何に対してイライラしてるの? 息子にどうなってほしいの?
イライラするのはYouTubeを見ること?それとも勉強しないこと?
など頭の中でぐるぐると自問自答を繰り返しました。
そして「勉強って誰のため?」という問いに、しばらく重く悩みました。
「ちゃんとした立派な大人になってほしい」という思いで、学校での勉強に遅れをとらないようにガミガミ言ってきた私でしたが、
ふと、「ちゃんとした立派な大人」ってなんだろう?と考えたときに、私が出した答えは、「自分で考えて自分で責任持って行動できる人」でした。
それまで定期テストの答案用紙や夏休みの宿題を、赤ペン先生の如くチェックしていた私は、思い切ってそれをやめました。
私がいちいちやり直しなどさせていては、彼自身の「自分で考えて行動する」ことを邪魔していることになると気づいたからです。
「勉強しなさい!」をやめた代わりに、何気ない日常会話(雑談)を増やしました。
否定しないで聴くこと(傾聴)で、息子との会話が弾むのを実感しました。
心配な気持ちは“私メッセージで。「困っていること、協力できることがあったら言って欲しい」
ことも時折伝えました。
それから、敵のような存在だったYouTubeやゲームについては、否定せず、敢えて興味を持ってみる戦法を。
今どんなYouTube流行ってるの?ママが見ても面白そうなのある? と、好意的に興味を持ちはじめると、彼も得意がってアレコレ教えてくれて、TVに映してみんなで鑑賞も。
ほーほーこれは面白いね。道理でやめられないわけだねぇ、なんていう和やかなムードが続くと、息子は、否定されない安心感からか、隠れてコソコソ見ることをしなくなりました。
私の態度や気持ちが変わったことで、ずっと「心配な子」と思っていた息子は、どんどん自信を持ち始め、今や堂々と私の目の前で延々YouTubeを見るほどの度胸もちに!
勉強についても、今やる気が出ないこと、試験で失敗してしまったことなども素直に話してくれるようにもなりました。
息子はちゃんと“自分の考え”を持っている。考える機会を奪ってきたのは私だったのだと後から気づかされました。
私に学ぶきっかけを作ってくれた息子は今、高校3年生。受験生です。
受験勉強は、娘のときと比べたらムムム・・といったところですが、当時のような焦りも不安もイライラも今の私にはありません。彼のやり方で、彼のタイミングでやれば良し! と心から思います。
とは言え、試験前にずっと遊んでいる息子を見ると、言いたいことはたくさんありますが、でもそこはぐっと我慢。自分の足で自分の人生を歩み始めている息子の、斜め後ろからそっと見守る応援団になるべく私も日々学習中です。
読んで下さりありがとうございました。
それでは㓛刀さんにバトンをお渡しします。
東京都/菅原典子
2024年06月17日(月)
No.678
(日記)