ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

マイペースな我が家の時間管理


子どものタブレット利用時間についての迷い。
瀧澤さんの日記を読んで、迷っても大丈夫。モヤモヤ?が頭に浮かんだ時こそが、ルール見直しの時。子どもの話を聴き、親の意見を伝え、よりよい在り方を探求する機会なのだと感じました。

インドネシアの鈴木です。
我が家のかわいいマイペース男子。
私はかつて、時間はまるで無限にあるかのように自分のテンポで動く彼のペースに巻き込まれ、イライラと過ごす日々がありました。
今となっては、彼のマイペースさを、好奇心や集中力、完成するまで続ける粘り強さの表れ、と捉えていますが、そのせいで私の大切な時間が奪われている、と思うくらい被害者意識でいっぱいの時もありました。

どうすれば息子がもっと時間を意識して自主的に動き、私も自分のやりたいことのために時間を使うことができるのだろう?
時間は有限。自分が本当にやりたいことのために時間を使って欲しい。
そんなふうに考えていました。
今回は、そんな息子の時間感覚に対するイライラが消え、私自身に集中できるようになった気づきについて書いてみたいと思います。

さて、「時間」に関して、かつての我が家のイライラNo.1が朝の起床と登校準備でした。
当時の私は、十分な睡眠をとって欲しいという気持ちと、遅刻してはいけないという気持ちの狭間でギリギリまで息子を寝かせておき、最後には起こすため、眠いところを起こされた息子はプンプン。起こした私は八つ当たりされたように感じてイライラ。
そして私は、起床の時点で既に遅刻するのではないかとヒヤヒヤしているのに、息子は朝ごはんを食べ、登校準備をするかと思いきや、ダイニングで読書。歯も磨いていない。着替えもせずにパジャマ姿。登校時間になり、「学校に行く時間だよ。」と声をかけても、「あともうちょっと!」と、本を閉じる気配はありません。結果、学校への遅刻は日常茶飯事。

こんなイライラで始まる朝はもう嫌だ。さてどうしよう?

まずは、私が朝、子どもを起こさないと心に決めることから始めました。
息子にしてみれば親からの突然の「朝起こさない」宣言。
「そんなの無理だよ!!」と甘えます。
私は、息子が喜ぶ仕掛け作りに知恵を絞り、
「大丈夫!できるよ!! 試しにやってごらん。」と、お気に入りクマちゃんに「今日も早起き♪ がんばろう!」の吹き出し付き目覚まし時計を持たせてみました。
すると息子は面白がって自分で起床時間を決めて、目覚ましをセット。案外簡単に「朝は自分で起きるもの」ということが彼にとっての当たり前にはなったものの、すんなりと起きられる日も、そうでない日も。

次に取り組んだのが、「学校に遅刻しないで行くこと」でした。
これにはまず、携帯の時間読み上げ機能を使い、1分毎に時刻を読み上げるようにセット。携帯は親のようにイライラもせず、ひたすら現在時刻を伝え続けてくれます。
それと同時に、親子でどちらが早く支度できるかヨーイドン! 息子の好きな曲をかけて「この曲が終わるまでに出発しよう!」等々、楽しさを演出。しかしこれも、本を読むのを止めて支度をするようにはなったものの、自分で時間を意識して自主的に動くところにはたどりつきませんでした。
この、親主導の時間設定と、子どもにその時間を守らせるという仕組みでは、約束の時間は時に守られ、時に破られ、親のイライラは続きます。

そのようななか、息子の生活に現れたのがマインクラフト(ブロックを使って建築と冒険を楽しむゲーム)でした。
自分から何かを欲しがることなどめったにない息子が、誕生日プレゼントに欲しいとお願いしてきたものの、時間管理のできない息子に買い与えるのはまだ早い、と購入を先延ばしにしていました。そしてサンタさん、七夕さまにお願いし2年目の誕生日。さすがにこれだけ欲しいと思い続けているものを買ってあげないのも可哀そうになり、彼が時間と上手く付き合うことを学ぶための道具にしようと心に決め、購入を決意しました。

これが我が家ではこれが功を奏しました。
朝は、マインクラフトやりたさに、親に言われずとも目覚ましをセットしてすっきり起床。1日1時間と決めた貴重なマインクラフト時間と付き合ううちに、「時間」というものを意識するようになり、時間は有限であること、その有限な時間は自分で管理することができることを学びました。
結果、自分で時計を見て支度し、遅刻せずに登校するようになっただけでなく、就寝時間を意識しながら、帰宅してからのおうち時間を上手に使えるようにもなりました。
友達と遊ぶ時間、自分ひとりでやりたいことをやる時間、宿題をやる時間、ママと一緒の時間。これらを全てやり、「今日はいい日だった、満足!」と言いながら布団に入る日が少しずつ増えているように感じます。

このような息子とのやりとりのなかで、私が気づいたこと。
それは、息子に必要なのは細かな時間に関するルールではなく、彼が健康で幸せに過ごせるためのシンプルな生活の枠組み。そして私がすることは、それを息子に守らせることではなく、私自身が守ること、ということでした。

すでに時間に対する意識を持っている息子は、自分が朝すっきりと目覚めるための就寝時間を知っています。早起きをしないと、朝、マインクラフトで遊ぶ時間がなくなることも、学校に遅刻して嫌な気持ちになることも。やりたいことをやるための時間は自分で作り出せることも知っています。でも、だらだらしたくなることも、やるべきことを先延ばしにして、目の前の面白そうなことに飛びつきたくなることもあります。そんな彼に必要なのは、彼の自律を後押ししてくれるシンプルな生活の枠組みでした。

それに気づいてからの我が家の時間管理は、とてもシンプルになりました。それは息子に守って欲しい枠組みであると同時に、私が守らなければならない時間の枠組みでもあります。
朝ごはんは7時半。
夜ご飯は6時。
平日の寝る時間は8時半。
朝、気持ち良く一日をスタートすることと、体調管理のために充分な睡眠をとることは私が彼に望む最優先事項です。

そしてこれは、
7時半には朝ごはんができていること。
6時には夜ご飯が出来ていること。
そして、息子の就寝時間の8時半には、私がやっていることの手をいったん止めて「おやすみ」をすること。
という私の息子との約束。
シンプルではあるものの、これを守るのが結構難しい。仕事に夢中になると、ご飯の支度はそっちのけ。時間になっても食卓には何もない。夜のおやすみタイムになっても自分の作業を止められず、気づくと息子は私を待ちながらリビングでお絵描き。マイペースなのは他でもない私でした。
息子の「ママ、休みの日もいつも通りに朝ご飯してね。」という笑顔や、「ママ、もう寝る時間だよ。早く寝よう。」という甘えた声に、「ハイ!ママ、時間を守らなかったね。ごめんなさい!!反省。明日は絶対守ります。」と、どちらが子どもかわかりません。

良いことには、この我が家のシンプルな時間管理を「私の」息子との約束と捉えるようになり、息子時間に対するイライラはほとんどなくなりました。というのも、息子との約束を守るためには息子に約束を守らせようとイライラしている余裕なんてないのです。私は私の約束を守ることに集中するのみ。そして、親が動けば子どもは自然と動くということも知りました。

息子の自律の前に、私の自律。
我が家の場合、息子の成長は私の成長を映し出す鏡、とも言えそうです。

それでは、この辺りで石垣さんにバトンをお渡しします。





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