余計な口出しをしないために
こんにちわ、東京の㓛刀です。
菅原さんのように私も子供に手伝ってもらう時、素直に言葉にすることを心がけ、そして感謝の心を伝えようとあらためて思いました。
さて、この日記を書いている今日は8月19日。7月25日に始まった高2の息子の夏休みも残すところ2週間となりました。この夏、我が家は旅行の計画も息子が所属する軽音部の活動もなく、塾の夏期講習も申し込まなかったので、約6週間の自由な時間がそっくり息子に与えられたことになります。
夏休みが始まる少し前、確か息子は「夏休みの計画を立てた」と言っていました。ところがいざ夏休みが始まると昼までベッドでゴロゴロ、ゆっくり起きてからランチを食べ、そのあとはソファにひっくり返って音楽を聴いたりスマホを見ているだけです。1週間経っても机の上の参考書は1ミリも動きません。
息子が夏休みをどう過ごそうと私の問題ではないはずですが、家で仕事をしていると彼の様子が気になります。「あのままダラダラと夏が過ぎてしまうのか」「新学期が来ても朝ちゃんと起きなかったらどうしよう」と心配性と過干渉の悪い癖が邪推を生み、自分でも嫌気がさしてくるのです。
夏休みというとこれまでも同じような状況に悩まされてきました。しかしハートフルコーチ養成講座(初級コース)で「成長サイクル」=「気づく、止まる、みる、選ぶ」を学び、実践を重ねたことで、「勉強しなくていいの?」「宿題どのくらい出ているの?」など余計な言葉が頭をよぎっても、口に出さないようセーブできる習慣が身につきました。つい文句を言いたくなったら、「ちょっと待って」と自分にブレーキをかけ、「黙って。このまま突っ走ったら絶対に後悔するよ」と自分に言い聞かせます。余計な口出しが10回頭に浮かんだとしたら、そのうち8回くらいは、こんな風にして抑えられるようになりました。
とはいえ私はまだ修行中の身。この夏休みの最初の10日間ほど気を揉んでいました。そして8月になった頃、息子の様子が変化してきました。
朝7時過ぎに起床、朝食を食べた後、風呂場で頭から冷水を浴び、そのあと勉強。昼も夜も決まった時間に食事を摂り、勉強の合間に筋トレ。音楽を聞いたりスマホも見ていますがダラダラと続けたりしません。夜も大体11時半には就寝しています。
「どうしたの?」と聞きたい気持ちをグッと堪え、何日か彼の様子を見守っていました。そんな様子が2週間ほど続いたところで、「最近、色々工夫しているね。夏休みの最初は少し心配だったんだけど」と声をかけると、「最初の頃は勉強しなくちゃと思って焦っていた」と。
「えっ、そうなの? 全然そう見えなかった」と返すと、「あなたと僕は別の人間ですから」と半分呆れ顔。さらに、「ああいう時、私はどうしているのがいいの?」と尋ねると、「ただ見ていて欲しいかな。『見守る』って何もしないことではないからね」と諭されました。
「お説の通りだけど、それが難しいんだってば」と心の中で呟く私でしたが、「見ていて欲しい」と語る息子の表情から、不安定で未熟な青年のか弱さが伝わってきました。「自分の中の葛藤を邪魔されたくない、でもその姿は見守っていて欲しい」。その言葉の奥には彼の「成長したい」という思いが透けて見えました。私にとっては安易な「つい」の一言が、息子の成長を妨げかねない痛い一言になってしまう。
しかし私が今後、今以上に余計なことを言わない人間になれるのか、正直心配です。私の中からこの性分を完全に追い出すことなんてできるのでしょうか。つい余計なことを言いそうになる時、今は意識的にそれを抑え込んでいます。さらに徹底するためにはその意識を強化する以外に何か方法はないのか、考えてみました。
まず気づいた事は、私が余計な口を出す状況は決まって彼が家にいる時。目的なしに口走り、いつも後悔してしまいます。もしも「何かを伝えたい」と思うならば、私は言った後に後悔しないはずです。そう考えるととても刹那的な発作に近い状況です。
ではどんな時、その発作が起こるのかといえば、息子の様子が気になって、自分の生活リズムが崩れ、仕事への集中力を欠いた時が圧倒的に多いです。「息子の様子が気になるというのが、私の過干渉なところだと思います。そして予定通りに仕事が進まずストレスが溜まってきたところで、マイペースに過ごす息子にプチッとキレてしまう。何度か息子に「八つ当たりはやめてよ」と言われたことを思い出しました。
確かに私のその発作は八つ当たりと言う方が相応しい。だとしたらその八つ当たりを避けるために、私は自分の仕事のペースを確保したいです。そのために近所のカフェに行っても良いかもしれません。居心地の良いカフェや美味しいスウィーツ探しを兼ねてみるのも楽しそうです。あるいは自分の部屋で本を読んだり好きな音楽をかけて趣味の時間を作ることも、仕事中の良い気分転換になるかもしれません。
息子との距離をうまく調節しながら、自分のペースや世界を確保できればストレスは溜まらず、息子への八つ当たりも無くなると思います。もし本当にそれが実現したら、私は自分の子育てに自信を持つことができ、息子のこともドンと構えて見守れると思います。セルフコントロールできる母親を見て息子は、安心して自分の未来に向けて歩を進められるはずです。その結果、親子の信頼関係はこれまで以上に深まりお互いを尊重し合えると思います。
息子は最近、「健全な生活を心がけたら、前向きな気持ちにしぜんとなって勉強もする気になった」と話してくれました。決まった時間に寝て、起きて、食事をしっかり食べて、運動する。歯を磨く、顔を洗う、髭を剃る、爪を切る。そういう日常的な感覚の積み重ねが前向きな気持ちにつながったと。
そういう方法が自分に合っていることを発見したと聞いて、私はとても嬉しくなりました。健康状態と環境が整ってこそ自分の将来や目標に向き合える。だとしたら、彼を取り巻く環境の一部として、私は健やかな日常を心がけなければいけません。ストレスを溜めて八つ当たりすることは息子の成長を妨害する行為です。今回の日記で、今まで以上に自分の人生に目を向けて、毎日を豊かなものにしていく努力を、私は息子の成長のためにも忘れてはならないと気づきました。
とりあえず残りの夏休み、思いついた方法を取り入れて過ごしたいと思います。
東京都/㓛刀知子
2024年08月26日(月)
No.688
(日記)