ハートフルコーチの泣き笑い日記

日々の発見やつぶやきなど。

違いを受け止める


東京の菅原典子です。

80歳を過ぎた母は、昔からとてもお世話好き&心配症。
しっかりものの姉に比べてゆっくりだった私はいつも母の心配の対象で、事あるごとに心配され、いろいろ手助けしてくれていました。

昔は気にならなかった母の“心配”が、成長するにつれて次第に“厄介“で“ありがた迷惑なお節介”に感じるようになり、「できないと思われているのだろうか・・」「きっと信用されてないんだろう・・」と、悲しさや悔しい気持ちが徐々に芽生え、いつしか、母に心配されることがストレスに感じるようになっていました。

「そんなに仕事忙しくて大丈夫?」「本当に体が心配よ・・」と母に言われるたびに苛立ち、言い返しては険悪に。次第に電話をするのも億劫になっていましたが、ハートフルコミュニケーションでのコーチングの学びを通して、相手の話をじっくり聴くこと(傾聴)の大切さを学んだり、自分と向き合う時間を過ごしたりしていくうちに、段々と母の個性も前向きに受け止められるようになってきて、最近では母のエンドレスな会話にも、気軽に付き合えるようになってきました。

先日も、他愛のない用事で母から電話が。近所の友達、息子、姉の家族…話題はあちこちに飛び、「心配」の二文字が随所に登場。

まず私へ、「毎日そんなに忙しくて大丈夫なの?」「本当にそれ(体)だけが心配よ…」と何度も。次に息子や姉の子にご近所さんのこと。さらには友人のお孫さんまで。

「聴こう」と決め、あいづちをうちながら耳を傾けていましたが、聴いているうちに段々と「なんとかしてあげたい」という思いがむくむくとわき上がり、黙っていられなくなってきました。

あまりにいろいろなことを心配し続けている母に対して、少しでも楽にしてあげられないだろうか…という思いに加え、母はなぜそうやって人の心配ばかりするのだろうか、特に他人に対しては余計なお世話なのに、というもどかしい気持ちが入り混じり、つい。

「それは心配だよね」と共感しながらも、「なにが一番心配?」「どうなったら安心できるかな?」と、母のペースに寄り添うようにやんわり質問を。

以前のように正論を押しつけるのではなく、できるだけ穏やかに、慎重に。
でもやっぱり最後は、「でもさ、心配しても状況は変わらないじゃない?」と自分の持論が顔を出しました。

一瞬少しだけ語調が強くなりましたが、我に返り穏やかモードに切り替え、最後は穏やかに終わった会話でしたが、電話を切ったあとも、毎回心配を連発する母のことがとても気になっていました。

後日、姉との電話で、母の心配症が炸裂していた話を姉に話すと、「お母さんは心配するのが趣味なんだから、勝手に心配させておけばいいのよ」「そうだねーって返せば満足なんだから」と、あっさり。
その言葉に思わず拍子抜け。

本音では、姉に共感してもらいたかったというのもありましたが、それと同時に、「あ、そっか!それでいいのか!」と目が覚めました。

母は「心配するのがつらい」「解放されたい」だなんて、一言も言っていない。ただ、話したいだけ、聞いてほしいだけなのかもしれない。それなのに私は、母を心配から“解放”してあげようとして、勝手に解決しようとしていた。
自分の価値観で先走っていたことを反省しました。
気づかずに、自分の正しさを振りかざしてしまっていたな…と。

そして思いました。
こういうこと、他にもたくさんやっているんじゃないか、と。
「相手のため」と言いながら、実は「自分が正しい」と信じ込んでしまっていること。
「こうするべき」と思い込んで、気づかないうちに、相手を変えようとしてしまっていること。

理屈好きで問題追及型の私に対して、どこか達観していて感性で生きている感じの姉。自分と大きく違うタイプの姉に、以前は少し違和感を覚えたり、意見が合わず衝突したりしたことも多々ありました。でも今は、違うからこそ、自分にはない視点や気づきを与えてくれる貴重な存在なのだと感じています。

その日も、姉の何気ないドライな返しに対して、自分との違いをフラットに受け入れられるようになったことにちょっぴり自己満足。

そして、母の「心配」への寄り添い方も、ひとつではないんだな、としみじみ。
相手を変えようとするのではなく、違いをそのまま受け止める――
大事だけど忘れがちなこのことに、改めて気づかされたちょっとした出来事でした。
そして、心配症の母についても、「心配している母」をそっくりそのまま受け止めようと思いました。

そういえば、姉は昔から私の終わりのない愚痴を、「そっかそっか」「そうだよね〜」と延々聴いてくれることもよくあったな、と思いがけず姉のそんな聞き上手なところにも改めて気づいたりもして、次回また母と話す際には、姉のそんなところを真似して、さらにもっと楽しい会話ができるようにしたいと思います。

ではこの辺で次なる功刀さんへお繋ぎします。


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