自分の足で人生を歩む
こんにちは。東京の菅原です。
学生時代にしてみたかった海外でのホームステイを、まさか大人になってから経験することになるとは思ってもいませんでした。人生は本当に何があるか分かりません。
今回、勤務先の急な仕事で海外の郊外に滞在することになり、現地の家庭にお世話になることになりました。人生初のホームステイ体験です。
異文化の中での生活は新鮮で刺激的でしたが、それ以上に大きかったのは、自分自身と向き合う時間を持てたことでした。
「休日は何をしたい?」「何が食べたい?」そう聞かれるたびに、私は言葉に詰まりました。
自分が何をしたいのか、何が食べたいのか、すぐに答えられません。
英語で考える難しさもありましたが、それ以上に、咄嗟に相手に迷惑をかけない選択や無難な答えを探してしまう自分がいました。
主体性や自主性がない自分に、改めて気づかされた瞬間でした。
振り返ってみると、これまで私は自分の都合で物事を決めることが少なかったのかも知れません。
もともとの受け身な性格に加え、世話好きな母やしっかり者の姉に囲まれ、自分で決断しなくても過ごせていた環境も影響しているのだと思います。
結婚し子どもが生まれてからは、家族を優先する日々になりました。自分を犠牲にしているつもりはありませんでしたが、「自分はどうしたいか」を後回しにすることが当たり前になっていたように思います。
本音を抑えて人に譲ったり委ねたり、最初から他人任せにしてしまうことが多い自分にも気づきました。
もうひとつ引っかかったのが、自分の「趣味」についてです。
渡航前の自己紹介で長所・短所や趣味を書く際、手が止まりました。
真っ先に思い浮かんだ趣味は「cooking(料理)」。日々の食事作りには義務感もありますが、週末に時間をかけて料理やパン、お菓子を作る時間は大好き。ただ最近は、その時間を取れていないことに対して少し後ろめたい気持ちが芽生えました。
さらに考えてみると、私の趣味といえば料理くらいしか思い浮かびませんでした。「あれ、私って意外と趣味がないのかもしれない」と少し落ち込みました。人に話せるような趣味がいくつもあるわけでもなく、なんとなく毎日が単調で、つまらないもののように感じてしまったのです。
というのも、事前に聞いていたホストマザーの趣味は、料理・お菓子作り、ジョギング、ジム、旅行、読書など幅広く、どれも楽しそうなものばかりでした。明るく前向きで活動的に日々を楽しんでいる女性の姿が自然と浮かび、それに比べて自分はどうだろうと、少ししょんぼりしてしまいました。
実際に会ったホストマザーは、想像通り明るく前向きで、仕事もこなしながら毎日をいきいきと楽しんでいる素敵な女性でした。お子さんはすでに独立されており、その余裕もあるのかもしれませんが、何よりも人生を自分の足で楽しんでいるような躍動感が印象的でした。
「来年60歳になるから、友人と60個の新しいことに挑戦することにしてるの!」と嬉しそうに話してくれた笑顔は特に忘れられません。スケジュール表には予定が並び、初めての場所への旅行やクジラウォッチング、ボランティア活動など、本当に盛りだくさんでした。「忙しい一年になりますね」と声をかけると、「そうなの!」と心から楽しそうに笑っていました。
その姿を見て、自分の人生をいきいきと生きるというのはこういうことなのだと感じました。
誰かに与えられた選択ではなく、自分で選び、自分で決めて行動している。その積み重ねが、あの自然な明るさや前向きさにつながっているのだと思いました。
自分で決めない/決められない私には、そんな前向きで幸せそうな彼女がとても輝いて見え、私も同じようにイキイキと楽しく日々を過ごしたいと思いました。
そこで、彼女のように趣味を見つけたいと思い少し探してみたものの、どこかしっくりきません。
そして、趣味は探すものでも見つけるものでもなく、自分が心から「楽しい」と感じられる時間そのものなのではないか、と気づきました。
人に自慢できるかどうかや、素敵に見えるかどうかではなく、自分がどう感じているか。それが大切なのだと思いました。
ふと、日常の中で純粋に楽しいと感じることを振り返ると、まず浮かんだのは気の合う友人たちとのおしゃべりでした。ランチやお茶、夜の食事など、定期的に楽しい時間を過ごしています。
それから、仕事や家事の合間に一人でコーヒーを淹れて、お菓子とともに味わう時間も大好きです。これは「楽しい」というより、心がゆるむような特別なひとり時間です。
ただ、仕事や家事を義務のように感じて行き詰まると、心の余裕がなくなり、そうした時間を後回しにしてしまいがちでした。
振り返ってみると、楽しむ時間や休む時間がなかったのではなく、忙しさやイライラを環境や人のせいにしてしまっていただけなのかもしれません。
オンとオフの切り替えは、日々の中で自分の意識次第で変えられるものなのだと思いました。
「楽しむ!」「休む!」と自分で決めることから始められるのだと。
いきいきと、自分の足で人生を歩んでいるホストマザーの生き方に憧れて帰国した今、これからは自分の人生を少しでも豊かにするために、「私はどうしたいのか」「どうなりたいのか」を自分に問いながら、小さなことでも自分で選び、行動していくことを楽しんでいきたいと思います。
そして、自分のための時間を大切にすることも忘れずに。
今回のホームステイ体験は、毎日の時間の使い方を見直すきっかけと、自分で決めていくことの大切さに気づかせてくれ
た貴重な時間でした。
それでは次なる㓛刀さんへバトンをお渡しします。
東京都/菅原典子
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2026年05月11日(月)
No.780
(日記)


