
中学生の息子に死ねと言われます
止めさせたいけどいくら注意しても止めてもらえません。ただ厳しく叱責しても息子の心に傷ができ、親子の仲に傷ができてしまいます。傷つけず尚且つ止めさせる注意の仕方ありませんか? 息子の発言は多分本気で言っているのではなく、汚い言葉を使うのがかっこいいと思って言っているのだと思うのですけど、私の心は傷つくので、、
これまで「死ね!」とか「クソばばぁ!」など子どもの暴言に対するお悩みには、様々な角度からアドバイスしてきました。ここでもそのいくつかをあげてみましょう。
まず、そもそもそう言われるような働きかけをしていませんか?
例えば必要以上な干渉です。「宿題やったの?」とか「早く、○○しちゃいなさい」とか言う声かけは、思春期の子どもとしてはつい暴言で応えたくなりますよね。ですから、実験的にしばらく、干渉的な声掛けをやめてみるというのが一つの方法です。これは、親がご機嫌で笑顔で、でも、子どもに対する発言を最小限にすることで可能になります。つまり、暴言を吐くきっかけを作らないということです。是非試してみてください。
ここからは実例を挙げてみましょう。
あるお母さんは息子に「クソばばぁ」と言われました。それ以降、息子が「ママ」と呼んでも返事をせず、「あら、私はクソばばぁですよ。クソばばぁとお呼びください」と相手をしないでいたら、息子の方から悪かったと謝ってきました。
別のお母さんは、思春期の息子に暴言を吐かれて、取っ組み合いをしたそうです。お母さんがそんなに怒ると思っていなかった息子は驚き、二度と暴言を吐かなくなったそうです。
また常日頃、思春期の子育てには父性が重要と学んでいたあるお母さんは、ここはお父さんの出番だと思いました。そこで状況をお父さんに話し、任せることにしました。お父さんは息子に「今週君に話したいことがある」と息子とアポを取りました。その日が来るまで息子は「ねぇ、パパの話って何?」と気にしていましたが、お母さんは「あら、何かしら?」と過ごしました。当日時間になると、二人は息子の部屋に。二人きりで30分ほど会話したそうです。その日から息子の暴言はぷっつりなくなったようです。お母さん曰く、「夫は静かにしかもきっぱりと話してくれたようです。息子も心なしかすっきりした顔をしていました。」
どのケースも、息子の心に傷はついていません。
思春期の暴言はそれ自体が大きな問題ではありません。ところが度を超すと、それがいじめにつながったり、家庭においてもよくない雰囲気をまき散らしたりしてしまいます。親によっては、勝手に言っていなさいと放置しているうちに、暴言ブームが終わるということもあります。ところが目に余るようであれば、何らかの方法で「いけないよ」と伝えた方がいいでしょうね。必要なことを学ばないまま大きくなって、苦労するのは子ども自身ですから。やり方は人それぞれですが、子どもに責任を学ばせる機会になります。不用意に人に暴言を吐いたら何が起こるかを学ばせることです。
先ほどのお父さんはきっとこんな意味の話をしたと思います。
「この間、君がお母さんに死ねって言っているのを聞いて、僕はびっくりしたし、悲しかった。僕の大好きな君が、僕の大好きなお母さんにそんなことを言うのは悲しかった。」
是非参考にしてみてください。
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