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3歳男子 乗り物にしか興味を示さない

興味の幅が狭く、ずっと同じ絵本を読み続けます。 いろんな本を読んで欲しくて買ったり誘ったりするのですが、乗り物の本にしか興味がありません。図書館に連れて行っても、結局借りるのは乗り物の本ばかりです。 もっといろいろなものに興味を持たせるにはどうしたらいいのでしょうか。

大人には想像もつかない視点で楽しんでいるかも

息子さんは乗り物が大好きなんですね。3歳にして大好きなものが見つかっているってステキですね。それでも、もっといろんなものにも興味を持ってほしいという親心もわかります。うちの娘はゾンビが大好きです。今は中学3年生ですが幼い頃からそうでした。ホラーが大の苦手な私には全く理解できず、ゾンビやお化けが載っている本やYouTubeを喜々として観ている娘を、この子は大丈夫だろうかと心配したものです。私には恐怖でしかないゾンビですが、彼女は特殊メイクの作品として観ていたようで、最近は特殊メイクにも興味を持ちはじめました。ゾンビひとつとっても見え方は様々、私の想像や経験では量れないんだなと思いました。 3歳の息子さん、大人には想像もつかない視点で乗り物の本を楽しんでおられるかもしれません。これからが楽しみですね。

この際、親も一緒に楽しんでみては

うちの息子もそうだったのでお気持ちよくわかります。せっかく図書館に行ったのだからいろんな本を借りたいなって思いますよね。でもうちも見るのは乗り物の本ばかりでした。家でもミニカーかプラレールで一日何時間でも遊んでいました。自然と週末も電車やバスを見に行ったり、新幹線が見える河原に出かけたりするようになりました。自宅近くの乗り物の博物館にはかなり通ったので、私も電車には詳しくなりました。その頃息子が「電車やバスのお顔は、四角いおめめ、丸いおめめ、三角のおめめがいるんだよ」ってたどたどしい言葉で一生懸命教えてくれました。私はそんな風に乗り物の顔をとらえたことがなかったので、「そっかー、この子にはそんな風に見えているんだなぁ」って、息子の世界をのぞかせてもらった気がしました。そんな息子も小学校になると興味がサッカーに移り、高校生の今は家での話題はほとんどサッカーです。時々、小さいときに家族で電車やバスを見に行ったのが懐かしくなります。お子さんが小さい時期はあっという間。ぜひ息子さんの世界を一緒に楽しんでほしいなと思います。 ちなみに私は息子のおかげで職場のサッカー好き・電車好きの人たちと話をすることができるようになり、知り合いが増えました。

好きなものの知識を深めるための本

お子さんは、乗り物が好きなんですね。きっと、私が知らないような乗り物の名前をたくさん知っているのでしょうね。私の息子も図書館で借りてくるのは、図鑑ばかりだったので、当時は「もっと、ストーリーのある本を読んで欲しい」と思っていました。息子は、遊びのブームがはっきりしている子でした。だから、車遊びに夢中だった幼児の頃は車の本、セミ取りに夢中だった小学校低学年の頃は虫の本、歴史に関するゲームをしていた頃は歴史の本、という具合に、その時々の興味関心に合わせた本を手に取っていました。図鑑は言わば専門書。息子は本を読むことで情緒を育てるというよりは、知識を深めていたんだということに、今になって、気づきました。お子さんにとっての本も同じなのではないでしょうか。 何より、3歳にして、好きなものの種類や特徴を掴もうとしているということ。それが素晴らしいです。

お子さんが選択する経験を大切に

色々な本を読んで興味の幅を広げてほしいという思い、とてもよくわかります。我が家でも、寝る前に絵本を読んであげようと「好きな本を1冊選んでおいで」と言うと、ほぼ毎回同じ本で、私が暗唱できるほど読んだことを思い出します。 良く考えてみると、お子さんは3歳にして自分の好きなものを選び取る力があるということですよね。それに大人の私たちでも、まったく興味のない事柄には、いくら強くお勧めされても手を出したくない時もあるのではないでしょうか。大好きなものにトコトン触れた先に、別のものへの興味が湧いてくるなんていうこともあるかもしれません。私が素敵だなと思うのは、色んな本を見せようと図書館に連れていきお子さんに選ばせている、その姿勢です。 親はできるだけ様々な機会を提供し、子どもは数ある中から自分で選ぶ。こんな経験を積み重ねていったら、将来大きな選択を迫られるような場面でも、お子さんが自信をもって自分の力で選べるようになるのではないでしょうか。

ポイント

子どもにとってお気に入りの本があるということは、その本を読んでいる(見ている)ときの、自分の状態が分かっていて、その状態が好きなんだと思います。ワクワクするとか、ドキドキするとか、夢中になって楽しいとか、想像がかきたてられるとか。繰り返し見て読んでそれを味わっているのではないでしょうか。その体験は裏切られることのない喜びなのです。ですから興味の対象が変わらない限り同じ本を読みます。大人になるほど、読書をより合理的に捉えて、情報収集のためにより幅広いものに触れようとします。子どもは情報収集というより、その世界に没頭するのでしょう。それは集中力として今後子どもを助けてくれる力へと成長していきます。是非一緒に楽しんでください。でも実は大人もお気に入りの小説などは、何年かの周期で繰り返し読みませんか。 そして同じところで感動を味わい、新たな発見もします。その体験が必要なのです、私達にも。