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乳幼児期学童期思春期凸凹っ子

他の子にいつも、おもちゃを取られてばかり…です

3歳の男の子です。いつもおもちゃを他の子に取られてばかりです。 取られっぱなしか、泣くだけで、奪われないようにもしません。 この子は、嫌なことは嫌と言えない、自己主張ができないのではないだろうか? 集団生活に入ってやっていけるのか?と心配です。
こんな場面、相手への思いやりを思うと譲る方がいいのか、かといって譲ってばかりでも…。
親として、どうしたらいいのかと迷います。

このように見てはいかがでしょうか。

お子さんのことをしっかり観察され、未来のことも見据えられているご様子。 日々、一生懸命子育てしていらっしゃるのだなと思いました。

あなたのお気持ちはすごくよくわかります。うちの長男は誕生日が3月の終わりなので、学年では一番のおちびさん。 その上、性格はのんびりで言葉も遅かったので、いつもおもちゃをとられては泣いていました。
この先どうなるのだろうと心配だし、かわいそうだし、私はいつももやもや。

でも、この子がオギャーと産まれた時、ハイハイしていた子もいれば、もう立って歩いていた子もいる。 上にお兄ちゃんお姉ちゃんがいる子もいる。性格も環境も発達のスピードもみんな違うのだから仕方ないよね。 うちの子も、あと数日遅く生まれて一つ下の学年だったら、こんなに毎回は取られていなかったかもなと思ったら、 ちょっと楽になりましたよ。

それからの私は、彼が泣いて戻ってきたらしっかり気持ちを受け止めてあげるということと、 「今使っているからちょっと待って」と言えばいいんだよと具体的な対処法を伝えることを心がけました。
そして、小学校3年生になった今、自分で嫌だと言えているみたいです。
これからもこんなスタンスで見守っていこうと思っています。

これは訓練で育ちます

わかります。うちもそうでした。次は取られないように気をつけるでもなく、取られては泣いていました。 男の子なのに弱すぎるのではと心配でした。大切だからこそ、情けなかったり歯がゆかったりするのですよね。
お子さんの様子はどうでしょうか? よく観察してみると、いろんな場合があるように思います。

「取られて悲しい」「びっくりした」「あのおもちゃで遊びたかった」「誰か取り返して欲しい」など、 いろんな気持ちを代弁してあげるのもいいかもしれません。
おもちゃについても、執着がなく他のおもちゃに気持ちが移る場合もあれば、諦めきれない場合もありますよね。 毎回気にしていたら母子で苦しい。 あっさりあきらめられそうな時は気にしないようにして、取られたくない気持ちが強い時を見計らって、 「今使ってるから後でね」や「返して」を自分で言わせてみてはどうでしょう。

うちは、最初のうちは親しいママ友にも協力をお願いして、自分で言ってみる場面を作ってもらいました。 返してもらえない時も、「自分で言えたからよかったね」と伝えました。自分で言えたり、返してもらえたりの 成功体験を積み重ねて、少しずつ自信ができたようです。 小学生になれば、取る方も取られる方も成長して泣き虫も返上。自己主張も少しずつですが、していましたよ。

今だけでなく、大人になってからのお子さんをイメージしてみましょう

子どもと同じ保育園に通っていた男の子を思い出しました。 取られても取り返したりしないし、奪われないようにすることもないので、おもちゃを取られてばかり。 その子のお母さんは、「いつも取られてばかりなのよね。私だったら奪い返すし、お姉ちゃんは奪われない 工夫する子なんだけど、この子は違うんだよね。ま、個性かなと思うんだ」と話してくれました。

その子は、おもちゃに執着して奪い合いをするよりも、自分が別のおもちゃで遊んで、平和を保つ方を 好むタイプだったようです。
子どもたちが成長すると、取ってばかり、取られてばかりのパターンは減っていき、ひとつのおもちゃで、 一緒に遊ぶようになっていきました。
相手への思いやりを持ちつつ、分の考えはきちんと伝える。これは大人にとってもなかなか難しいこと。 いろんな経験をしながら、自分らしい伝え方を学んでいくのだと思います。 世の中、とかく自己主張型の人が目立ち、自己主張しないと損をするようにも見えがちですが…、まわりとの調和を 保てるということは素敵なことだと私は思います。

私の元同僚は、仕事のできる穏やかな人で、激しく自己主張する姿はほとんど見たことがありません。 でも、彼のまわりには人が集まってきて、対立するグループから相談を持ちかけられることも多く、 いつも忙しそうでした。自分のペースを保ちながらまわりと調和して、穏やかにきっちり仕事をこなす彼の姿は とても印象的です。

子どもに聞いてみました

私の息子も2~4歳くらいの時は同じような状況で、本当に心配していました。お気持ち、とてもよくわかります。 側でずっと見守っていた我が子が、これから親の目が届かない集団生活の中に入って、ひとりで立ち回っていく ことになるのかと考えると、本当にハラハラしますよね。

集団生活に入る前に私にできることを考えて、息子がどういう気持ちなのかを聞いて受け止めるようにしてみました。 その時、親としての思い込みが入らないように、息子の気持ちを誘導しないように気をつけました。 気持ちを吐き出させて落ち着かせた後、「どうしたい?」と、彼の気持ちを確認し、時には「やってごらん」と 促しました。

息子が泣いている時、私が子ども達同士の間に入ることはできるだけしません。 トラブルが起こった時どう振る舞うのか、集団生活の中での対処法を身に着けていくのは子どもの仕事です。 成長して親がいないところでより複雑なトラブルが起こって、それでも人と集団生活を送っていかないと いけない時が来る。「今はその時のための良い練習だ」という気持ちで見守っています。 幼稚園や保育園、小学校もまだ、その練習期間なのかもしれないですよね。

私は、そんな試行錯誤の時期に親ができるのは、子どものSOSを受け止めて、どうすればいいかを自分で考え行動できる サポートをしてあげることかなと思っています。
今、息子は6歳。言葉の発達も伴って、泣くのではなく、意見を伝えることができるようになってきました。

子ども同士はお互いに成長過程。ママもお互いにそれを見守る同士です。

うちの子も取られる派、しかも、さっさと譲るタイプ。自己主張はまれに握りしめて泣くぐらいでした。 みなさんの意見を見ると、意外と多いですね、取られる派。

この頃の私も、対応を迷っていました。

結果的に子どもというより、取った子のママに気を使っていたかな、どうぞ、どうぞと譲らせることが 多かったように思います。

当時のうちの子は目の前のおもちゃに夢中で、他の子に取られるかもしれないという想像はできていなかったように 思います。相手の子もおもちゃしか見ていなくて、取ったらお友達が悲しむという想像はできなくて。 まだまだ、お互い成長過程だったのだなと思います。 予測をしたり、相手を思いやったり、意志を伝ようという心は、取ったり取られたりという経験を通して、 育っていくものなのかもしれないですね。 まずは、その状況をおおらかに受け止めてよいのではないかと私は思います。
譲ることも本人なりの方法だったのかも。 譲りたくなくて頑張っている時は、相手の子に一緒に言って、意志を伝えるサポートをするという作戦もあったなと 思います。

相手の子のママはどう思っていたでしょうか?親同士で話をしてみるとよかったかもしれないと思います。
うちの子は18歳。相変わらず心優しいです。譲りがちなタイプかもしれません。 親から見ると、じれったい時もありますが、ここという時は、主張をしているように思います。

子どもは成長する存在です。

おもちゃの取り合いについては、取ってしまう側、取られてしまう側とも親はハラハラします。 ついつい、今、上手いやり取りができることを求めてしまいます。 でも、忘れないで。子どもたちはお互いに経験から学んで成長する存在です。 今、上手くできなくても、そのままではありません。

その成長を待つ間に、親ができることは何でしょう? 子どもの気持ちを受け止めること、子どもの様子を見て気持ちをくむことで安心させてあげましょう。 そして、見守る、一緒に意志を伝えるなど、お子さんの個性や成長に合わせて、一歩を踏み出すサポートを 考えてみてはいかがでしょう?