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乳幼児期学童期思春期凸凹っ子

寒くても長袖を着たがらない

5歳男子です。肌寒くなり、冬になっても長袖を嫌がります。寒い日に親が長袖を勧めても、自分で半そでの服を出してきて着てしまいます。道行く人に「子どもがかわいそう」と言われ、親が何もしていないと思われているようでちょっと肩身が狭い思いをしています。 どうしたら寒い時に長袖を着てくれるでしょうか。

大切なのは子どものキモチ

お母さんからの働きかけをスルーして、好みの服を出して、寒くても半袖を着る!なんて頼もしいのでしょう。『子どもは親の想像の斜め上を行く』と、私も親同士半ばあきれ顔でおしゃべりしたことを思い出します。とくに男の子は母親には想像がつかないことを平気でやってのけることがありますよね。そして本人はそれが結構ご満悦。『世間体』の文字は彼らの辞書には見当たりません。自分の思うようにやりたいのです。うちの長男は、高校時代数キロ離れた最寄りの駅まで、晴れた日は自転車で雨天時は徒歩で通いました。ほとんどの親が車で送迎する中、彼はとぼとぼ歩きます。周りには、なんて冷たい親!と思われていたかもしれません。夫は、雨の中歩かせるのが忍びなく…たまに車で迎えに行ったりしていましたが、帰宅後息子はこそっ…と私に耳打ちを。「一人で考え事しながら帰ってくるのに、歩くと丁度いいんだよ。父さんは心配しすぎ。」と。子どもには子どもなりの理由があること、そしてそれを尊重してほしいことに気付いた小さな耳打ちでした。(やはり迎えに行った方がいいのでは?)と内心揺れていた私も、息子の言葉を聞いてすっきり。それからはおいしい夕ご飯を用意して余裕で待つことが出来ました。幼い時はどこまで好きにさせていいか迷うところですね。そんな時は、「どうしてそうしたいの?」ってお子さんに聞いてみませんか?幼いなりにお話ししてくれるかもしれません。

体調に問題がなければ…

ご相談を読んで、私は息子と顔を見合わせて思わずニヤリとしました。我が家の息子も小さな頃から一年中半袖のTシャツを着ていました。真冬には風邪をひかないかと心配しましたが、それよりも周りからの「元気そうね、寒くない?」という言葉が、「かわいそう、親は何をしているの。」と言われているようで、とても複雑な心境でした。そんな私が、何を着るかは息子に任せようと決めたきっかけがあります。それは息子と顔見知りのおじいさんとの会話でした。「ボク(息子のこと)、今日も半袖やな。寒くないのか?」「うん!寒くない。僕、この(=半袖)Tシャツが一番!大好きやねん!」普段はおとなしい息子の弾むような声を聞いて私はハッとしました。そんなに「好き!」なら、他人に迷惑をかけることでもないし、チクチク嫌みを言ったりせずに彼の好きなようにさせようと素直に思えたのです。息子は小学校の6年間(卒業式も)を半袖Tシャツで通しましたが、中学に入学するとその生活は終わりました。半袖姿を寒そうと言っていた人たちは冬制服を着ている息子を見て「○○ちゃん(息子のこと)、暑いやろうなぁ。」とニコニコしていました。周りはそんなもの、体調に問題がなければお子さんの好きにせてあげてください。我が家の息子と私からのお願いです。

あまり気にしない

寒い日に長袖を勧めても、自分で半袖に変えてしまう。自分の思いを曲げない、芯がしっかりした息子さんだなぁと、羨ましくも思いました。それでも親御さんにとっては親が放っているように見られ、気になりますよね。私にも同じような経験があります。長男が幼稚園の年中の頃、先生との個人面談でとてもビックリする事を言われました。お絵かきの時に黒色ばかり使う、他の色も使ってみるように伝えても言う事を聞かず黒ばかり使う、と言うのです。描いた絵を見せてもらいましたが、確かに黒色が多かったのです。言われてみれば洋服も黒ばかり好んで着ていました。先生は家庭で何かあったのではないか、いま本人が何か悩みを抱えているのではないかと心配されたのです。私は、とても不安になったのと同時に、園の先生方にそう思われている事で、肩身が狭くなる思いがしました。その当時は本人も無意識だったようですが、何年か経って息子に聞いてみたら「そうだよ!黒は強そうに見えるからいつも選んでいたよ!」とあっけらかんとした答えが返ってきました。それを聞いて納得したのと同時に、とても些細な事を気にして悩んでいたなぁと反省しました。息子さんが半袖を選んで着てしまう事も、誰かに迷惑がかかる事ではありません。 余り気にせず長袖を着たくなる時を待ってみてはどうでしょう。

みんなちがって、みんないい

まず5歳の息子さんが、自分で服を選んで着ていることに拍手です。お着替えの習慣がきちんと身についているのですね。冬でも半袖を着用していることが気になっているようですが、寒さ暑さの皮膚感覚も人それぞれ。体感温度が違うのかもしれませんよ。うちの息子の場合、暑さに弱く、寒さに強かったので、夏の間エアコン温度はかなり低めに設定していました。また、ジーンズなどのゴワゴワ感が苦手で、綿やジャージのストレッチズボンがお気に入り。気に入ったズボンは穴が開くまで毎日のようにはいていました。左右が違う靴下をわざとはくお友達もいましたよ。幼稚園は制服でしたが、冬期も半袖のブラウスを着てくる子もいました。息子くん本人が寒いから長袖着ていこうかなと思うところまで待ってはいかがですか?半袖に何かこだわりがあるのなら、生まれつきの性質かもしれません。みんな違って、みんないいと思います。 でも、相談者さんはまわりの目も気になりますよね。 『子供がかわいそう』と言われたら、『この洋服がお気に入りなんです〜』とか『自分で選んで着てるんですよ。』など、本人の好きなようにさせていることをアピールしてみませんか。

親子の絆を深める時

不安になるお気持ちよくわかります。周りの目も気になりますよね。服の話とは全く違うのですが、長男が幼稚園の頃、工作の時間に毎日泣いて、先生方が困っていると連絡があったことを思い出しました。他の子は楽しく工作しているのに、みんなと違うのはどうしてだろうと、とても不安になりました。でも、不安から焦って問い詰めてもいけないと思い、時間をかけゆっくりと話を聞きました。タイミングを見計らって何度か話をしました。子どもの話を否定せずにただただ聴いて、「どうしてそう思ったのかな~」など、一緒に考えていきました。そうしたら、次々とやることを言われているように感じていて、みんなのスピードについていけずに頭の中が真っ白になっていることが原因だと分かりました。長袖を嫌がっている息子さんの場合は、例えば、ひじの内側に服が当たるのが嫌いなのかもいれません。また、もともと体温が高めで半袖でも寒くないのかもしれません。子どもには子どもなりの理由があるのだと思います。焦らずゆっくり向き合っていくうちに親子の絆もより深まっていくと思います。 何も知らない人の言葉に惑わされず、親子の絆が深まりますように。

まとめ

寒い冬になっても長袖を着ない。それも息子さんだけがそんな状態であれば、不安になりますよね。かといって、無理に長袖を着せようとすると、どんなことが起こるでしょうか。自分の言うことは聞いてもらえない、と親に対して不信感を持ってしまうかもしれません。また、人と違う感覚を持つことはいけないことなんだ、と伝わってしまうかもしれません。お子さんをよく観察して、毎日楽しそうに過ごしていて、体調も悪くなっていないのであれば、焦らず、ゆっくりと向き合ってみてはどうでしょうか。子どもなりの理由があるのだと思います。感覚が過敏で、苦手な刺激があるなどの場合は、子どもの気持ちに寄り添って、その子に合った解決策を見つけていきましょう。 一人で抱え込まずに、周りの信頼できる人に話したりして、理解してくれる方がいれば、心強いと思います。