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乳幼児期学童期思春期凸凹っ子

小学校4年生の息子が何度注意しても自分からは動きません。

「宿題をしなさい」と何度言っても「うん」と返事をするだけで、テレビの前から動きません。 忘れ物も多く、前の晩に学校の準備をするよう約束をしましたが、自分からやろうとはしません。 いつも、こちらがしびれを切らして「準備は良いの?」と声をかけますが、1回では動きません。

何回も声をかけて、結局最後には一緒に準備をしています。 いつも「うん」と返事するので今度は大丈夫かと期待しますが、全然変わりません。 どうしたら、自分から進んで勉強や準備などをするようになるでしょうか?

忘れ物をする子はこう思っています

ご相談を読んで、私が小学校の時に担任の先生から言われた言葉を思い出しました。 忘れ物が多くて担任の先生から「おそまつ君みたいだね。」と、冗談交じりに言われたことがあります。 いいところも観て下さる大好きな先生だったので、気をつけなくちゃと反省はしました。 しかし、直ぐに忘れ物をしないようになったわけではありません。 習字の道具は、いざ、使おうと思ってあけるとなぜか下敷きだけ入っていなかったり・・・。 母は支度を手伝ったりはしませんでした。 忘れ物がいつも以上に多かったり、続いたりすると 「最近、気持ちが緩んでるんじゃない?気持ちを引き締めなさい!」と言いました。 そう注意をされても、 「緩んでる?わざと忘れ物をしているんじゃないのに。気持ちを引き締めたら忘れ物が減るの?引き締めるってどうすればいいの?」と、 かなり戸惑ったのを覚えています。

忘れ物をしないように手にボールペンでメモしたり、自分なりに工夫はしていました。 失敗を繰り返して痛い想いをし、 「痛い想いをしたくない」というところから自分で何度も確認をするくせがついてきて段々、忘れ物が減っていきました。 振り返ってみて、ほぼ忘れ物をしないようになったのは高校生くらいだったように思います。(かなり長い間かかってしまいました。) 日々の忘れ物は気になると思いますが、数年計画で改善されつつあるかもしれません。 すぐには忘れ物がなくならなくても 多少の痛い経験が改善のためのステップだととらえると、お母さんの気持ちが少し楽になるかもしれません。そして、そのステップが 大人になった時に忘れ物をしないようにするために必要なのかも・・・・。
気にはなりますが、見守れるところは見守ってみてはいかがでしょうか?
そして、忘れ物をしたら漠然とではなくその忘れ物をどうしたらしなくなるかを一緒に具体的に考えてあげるのもいいかもしれません。

あれもこれも引っ張り出して責めていました

自分から進んで明日の用意や宿題をしてくれたらいいですよね。
何度言ってもやらないと、イライラしたり、この子大丈夫かなと心配になったりして、ついついやるまで言い続けてしまうことも ありますよね。 そんな時、子どものことをどんな風に見ていますか? 私は子どもを「困った子」と見ている事に気づきました。 すると子どもの困ったことばかりが目について、他のことでも口うるさく言ってしまうのです。

例えば、息子は朝ギリギリの時間に出かけています。「もっと早く出るようにしなさい」と言うのですが相変わらずです。 そう言えば最近部屋も散らかっているし、全体的にだらしなくなっていると他のことも気になりだして、「部屋を片付けなさい。」 「宿題はやったの?」と言ってしまいます。 こうなると、責めるような言い方になってしまい、子どもは私の言うことをまったく聞いてくれません。

こんな時私は、ちょっと立ち止まって逆に子どものいいところやできているところを見るようにしています。 学年が上がって勉強が難しくなている中で毎日頑張っていること、それでもお風呂を掃除したり、手伝ってくれることもあります。 いいところに焦点を当てると、気持ちが落ち着いてきて、冷静に子どもを見ることができるようになりました。 「お風呂掃除してくれてありがとうね。助かるよ。」と、言葉がけが変わり、朝ギリギリに出かけてもイライラしなくなります。 そして、何かサポート出来ることはあるかなと思い、「何かお母さんにしてほしいことはある?」と聞いてみると、 「10分前に なったら一応知らせてほしい」という返事が返って来ました。

子どもは子どもなりに考えているのだなと感じました。 私たちに必要なのは、子どもをあたたかく見守る目を持つことではないでしょうか? その上でお子さんにどんなサポートができるか考えてみませんか。

行動を起こすタイミングはたとえ親子でも違うのです

以前の私と息子の話にあまりに似ているので驚きました。 私も、口数の少ない息子の「うん」という言葉に、今度こそはやるだろうと期待して、がっかりという気持ちを何度味わったことでしょう。 私の場合、そうこうしているうちに、息子は不登校になりました。 私はこの不登校の経験をきっかけに、息子自身で考えや行動を決められるように黙って見守ろう、ただ、息子から「~して」と 頼んできた時には、私が出来る範囲であれば手を貸すことを決めました。 不登校中、息子は、ある支援機関の教室に通っていました。 そこでは、夏に様々なスポーツに取り組む宿泊行事がありました。 前日になっても、準備をしない息子をヒヤヒヤしながら見守っていると、夜遅くにやっと荷造りを始めました。

私だったら、朝から準備するのに…。 このことから、私と息子では行動を起こすタイミングやペースが違うことがはっきりとわかりました。 思い返すと、「宿題をしなさい」「うん」というやり取りは、のんびりタイプの息子の考えや気持ちを無視して、せっかちな私の 考えを押し付ける会話だったのです。 息子としては、お母さんがうるさいから、とりあえず「うん」と言って反応しただけで、実際に宿題をやる(行動を起こす)気は なかったように思えます。

今では、ぎりぎりで間に合わせてしまう息子に、心の中でもっと早くから取り組めばいいのに…と思いつつ、息子の行動を横目で 見ながら、息子には息子のペースがあると、自分に言い聞かせています。 そういえば、なぜ早目に取り組まないのか、息子に聞いたことがあります。 「ああしようかな?こうしたらいいかなと考えていると、やるのが遅くなるんだ」との返事でした。 息子は息子なりにどうしたらいいかを考えていることがわかり、ほっとしたことを覚えています。 もしかしたら、息子さんなりに、より良いやり方を見つけている途中かもしれません。 親の考えを少し脇に置いて、息子さんの様子を見守ってみてはいかがでしょう。

結局最後は助け船を出していませんか

わかります。我が家もそうでした。 朝、「もう起きなさい」「学校の準備はできてる?」「ほら、お友達が待っているよ。」と何度も声をかけて、追い立てるように 送り出していました。

私自身は時間にルーズなことは許せません。 また、忘れ物や宿題に関しても事前に準備しておくのが当たり前と考える性分です。 また、周囲から「親がきちんとさせないから」と思われるのではないかという心配もありました。 私の親としての力が低いと評価されそうで、嫌だったのです。

しかしあるとき、私の愚痴を聞いていた夫に「じゃあ、ほっとけば?大人になっても起こし続けるのかい?」と言われ、 このままじゃいけないと思って、口出しと手出しをやめることにました。

遅刻したり、宿題をしなかったり、忘れ物をしたり、夏休みの自由研究さえも提出しなかったことがありますが、ぐっとこらえました。 手を出した方がよっぽど楽でした。 でも、よくよく考えると「将来困るんだからね」と言いながらも、結局ギリギリのところで私が我慢できずに助け船を出していたことも 分かってきました。 息子は何も困っていなかったのです。
手出しをやめてから、多分息子は忘れ物などで先生に叱られることが何度かあったと思います。

それでも息子は、私とは違う方法でそれらを乗り越えて飄々と生活していました。 その姿を見て、息子の失敗はそのまま息子のところに返っていけばそれで良かったんだと思えるようになりました。 失敗する子どもを黙って見守るのは心が痛みます。 だからこそ、子どもが自分で考え行動できたときはその何倍も嬉しいと思います。 手を出したい気持ちをグッとこらえてみませんか。

得意なことから意識を広げて

子どもの問題だとは知りつつも、お子さんを心配するあまり、ついつい手助けしたくなるものですよね。 私が接する子の中にも、忘れ物が多かったり、よく遅刻をしたり、何かに進んで取り組もうとしない子は少なからずいます。 私が彼らと接する中で心掛けているのは、何か一つでもその子の「出来る」を見つけて認めるようにしていることです。 例えば、ある子はとてもユニークな発想を持ち、周りを笑わせることができます。 そんな子には「○○君がいるといつも活動が楽しくなるね」、「〇〇君がいないと何か物足りないよ」と、その子の存在を認めます。 それを何度も繰り返していくうちに、その子は周りを笑わせること以外にも意識を向けられるようになり、自分から積極的に動くように なりました。

子どもは「出来る」を認めてもらえると、いろんなことに意識を広げて、積極的に関わろうという気持ちになるのだと思います。 お子さんが自分から動くときはどんな時ですか?例えば、ゲームやテレビなどに夢中になっているときでなければ動くとか。 お父さんやお母さんなど、他の誰かが言う時には1回で動いてくれるとか。 同じ宿題や勉強でも得意な教科のものに対しては進んで取り組むとか。
自分から進んで行動しない場合は、子どもなりの理由があるかもしれません。 お子さんの普段の行動や態度などを観察してみて、どうすれば自分から進んで動くかをいろいろ試してみてはいかがでしょうか。

貴重な体験の機会を見守りましょう

どうすれば良いのか分からない状態で「自分でやりなさい」と言っても、それは無理なこと。 初めは覚えるまで一緒にやりながら、お手本を見せてあげることも必要でしょう。

その際に、学校の準備や宿題などが「誰のために必要なのか」「誰がするべきことなのか」ということまで話し合っておくと良いですね。 もしもするべきことをしなければ、それに応じた"居心地の悪さ"を子どもは体験できます。 自分の行動がどういう結果を引き起こすか、それを変えるにはどうすれば良いのかを自ら考える機会です。 その貴重な体験の機会を奪うこと無く、そこから子どもが何かを学ぶまでじっと見守りましょう。

失敗といってもそれほど大事にはなり得ない今がチャンスかも知れません。