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小6の長女が自分のスマートフォンを持ちたがります。

周りも持っている子が増えてきて、つい最近、仲の良い友達が持ち始めたそうで、そろそろ持たせた方が いいかどうか、迷っています。 親として見せたくない情報を見てしまう事や見ず知らずの人と繋がってトラブルになるのも怖いのですが、 子どもの所在が分かる便利さもあるし、なにより友達と違うのもかわいそうで。
親として、どのように考えて判断したら良いのでしょうか。

持たなくてもなんとかなる

確かに悩みますよね…。 このご時世、携帯電話といったらスマートフォンですし、便利ですし。 でも、今までスマートフォンを持っていなかったのであれば、今すぐ必要ではないのかもしれませんよ。 私は塾講師をしているのですが、小6年生でスマートフォンを欲しがっている子は確かに多いです。 私が「何やりたいの?」と聞くと、はじめは「調べものがすぐできるし、色々と便利」と機能的な点を言いますが、 話を進めると大方が仲の良い友達と「LINE」などの会話アプリで話したいとのこと。 次に「ゲーム」。 でも、小学生の生活圏は顔を合わせて話ができる範囲。相手は毎日会っている友達なのですから話せます。 なにより、直接のコミュニケーションは言葉以上に多くの事を伝えることが出来るので、小学生のこの時期だから こそ、大切にした方が良いんじゃないかなと、子供達を見ていて思います。
スマートフォンは本当に今、必要なのでしょうか?そもそも持たなくてもなんとかなる方法はある…と思うのです。

便利さより大切にしたいもの

子どもだけでなく、親も子どもの居所が分かるという便利さがあるので、判断するのがややこしくなりますね。 まずは、子どもの気持ちと、親の都合を分けて考えるところから始めてみてはいかがでしょう。 その上で、ひとつひとつスマホじゃなきゃ出来ないことなのか、むしろ弊害になる事は無いか、 考えてみてはいかがでしょうか。 親の心配は居所が分かるだけで解決するものではありませんから、親の便利さはあえて目をつぶる勇気も 必要かもしれません。 我が家は小学生の間は便利さより大切なものがある。だから、持たせないという方針でした。 言葉は話すことで学ぶのが順番なのだから、小学生の間は話すことを通して自分の考えをまとめる力をつける 大事な時期だと考えました。 友達や家族とリアルなコミュニケーションからたくさんの表現力を身につけて欲しいと思ったので、親も家では スマホを置いて、子どもの話に耳を傾け、その過程をサポートすることにしました。 いずれ、ネットの便利さに頼る時が来るのは避けらません。なら、今しか出来ないことを大切にしたいな、と。
我が家の娘は結局、高校生になるまで携帯もスマホも持たずに来ましたが、何の不自由もありませんでしたよ。

周りに流されず、家族で話し合いルールを決める

急速にインターネットが進化する社会で、いつ子どもに携帯電話を持たせたら良いのか、本当に悩みますよね。 私もそうでした。 そこで、子どもがスマホを持ちたいと思ったこの時に、どのようにデジタルツールと関わっていくかを家族で 考える機会にすると良いのではないかと思います。 スマホを持たないと出来ないこと、持ったら心配なことを、周りの意見に流されず、家族で話し合ってみたら いかがでしょう。 それを家族のルールとして、実行していけたらいいんじゃないかなぁと思います。 我が家の長女は、家族との連絡用に小5の時、当時主流だったキッズ携帯を持たせました。 メール機能なし、通話は私と夫のみ出来るもの。 次女は、中1の時アクセス制限付きのパケット使い放題のスマホを持たせました。 でも、スマホは機能が多いのでルールを決めないと、ずっと使いかねません。 そこでいくつかの家族のルールを作りました。 後になって、入れておけば良かったなぁと思ったのは、義務教育の間の中学生までは、自分の部屋に スマホを持ち込まないということ。
そうすれば、いつまでも携帯に縛られ、寝不足になり、勉強の妨げになるという事も避けられたし、 もう少し家族での会話の時間もとれたんじゃないかな、と思っています。

親子で決めたルールを守って学びの機会にする。

うちの娘も小6の時に友達との連絡を取り合うために欲しいと言ったので、親の携帯を必要な時に貸すことから スタートしました。 中1の夏休みになると、部活動の仲間と連絡を取る事が多くなり、私が不便を感じたので家族で話し合いをして、 持たせることにしました。 ただ、持たせる時期はすぐにではなく10月の誕生日。 そして自分で料金が払えるようになるまでのルールを4つ決めました。 ①料金の上限は5千円。②有料サイトにアクセスしないこと。③GPS機能を常にONにして居所が分かるようにする。 ④親子の関係でも人の携帯を見ないこと。料金は設定額を超えると自動的に使えなくなる契約にしたので、 使いすぎた月には携帯が止まり娘は困っていました。 でもその都度「ルールはわかっているよね」と一緒に決めたルールを守る事の大切さを教えました。 4つめのルールは人のものを断りなく見てはいけないという事。 これは親も守らなければならないルールとして入れました。 ですが、一度私の心配が先立ち、子どもの携帯を見ようとした時、夫から「子どもを信じて大丈夫だよ。 親がルールを破ってはいけないよ」と言われてハッとし、思いとどまりました。
今振り返ると、子どもが携帯を持つという事を通じて親子で様々な事を学んだ大切な時間だったなと思います。

親子で価値観を知り合う機会にする

ご相談の内容を拝見し、親としての判断を迷っていらっしゃるご様子がひしひしと伝わってきました。 小学6年生が、スマートフォンを持つメリット・デメリットを、親自身が確認されるチャンスと捉えては? こんな考え方は、いかがでしょうか。まず、お嬢さんにスマホを持つ必要性をプレゼン(提案)してもらいます。 ねだれば買ってもらえるという印象を持たせないためです。 お子さんもスマホを持つためには、親を説得できるだけのしっかりとした理由を考える必要があります。 また、親の方も軸を持ち、親の思いも伝える良い機会とします。 スマホの子どもへの影響や子どもの友人関係についても考えるチャンスにできます。 そして、親が子どもの提案に納得できた時、条件を話し合い許可します。 スマホ18の約束」(以前話題になったアメリカのお母さんの子供との契約書)のように、ご自身のご家庭の我が家の 契約書を作り、お子さんの自立へのサポートをします。
あるハートフルコーチの例ですが、小学生高学年からプレゼンを始めた娘が、携帯を持てたのは高校生とのこと。 親子で価値観を知り合う良い機会になったそうです。 お子さんのプレゼン(提案)に、親が納得し、条件を話し合い許可する過程を、お子さんの成長に役立てて みられてはいかがでしょう。

【ポイント】

子どもがスマホを欲しがる理由は?スマホ以外に手段はないの? 一緒に考えて、出来れば小学生の間は持たない生活を過ごせるような工夫を親がサポート出来たらステキですね。 いずれスマホを持つときには、それを子ども自身の成長と親の学びの機会と捉え、家族でルールを作りそれを 皆で守る。スマホに振り回されず上手に活用できるようになりたいですね。進化の早いデジタルの世界。
親として同じように最適な答えを探して迷い、体験した失敗や成功のお話がひとつでも参考になれば嬉しいです。