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新しい学校になじめません

引っ越しをして2ヶ月が過ぎましたが、小2の娘が新しい学校になかなか馴染めません。 「前の学校の方が良かったのに・・・」と毎日のように言います。 それを聞く私は辛くてたまりません。 このままずっと娘が学校に慣れなかったら、と考えるととても不安です。

居場所づくりを応援

引越や環境の変化は大人であっても大変なストレスになりますよね。ましてやお子さんが学校になかなか馴染めないというのは親としては本当に心配なことと思います。娘さんは毎日学校でがんばっているんですね。 お話を伺って新しい環境に馴染めるように娘さんの居場所づくりのサポートができたらよいのではと思いました。娘さんの趣味や好きなことは何かありますか。娘さんの興味のあることを通して、地域で友達や知り合いが作れるようなものに参加してみるのはいかがでしょうか。周囲の話では女の子はチアダンスやバレエなどの習い事や、ガールスカウトなどを通して友達が増えたと聞くことが多いです。学校を越えた友達もできるようです。 また、小学生の息子が加入している学校のサッカーチームにも時々転校生が加入します。息子の学年に転校してきたU君も初日はお母さんの後ろに隠れていましたが、サッカーを一緒にすることでチームに友達・知り合いができて、サッカーを通して思ったよりもスムーズに学校に馴染むことができたと親御さんから聞きました。 娘さんも好きなことや興味のあることを通して、学校や地域に馴染む一歩をふみだせるとよいですね。 たとえそれが学校以外の活動であっても、娘さんが楽しみを見つけられたら新生活に馴染む一助になるかもしれないと思いました。

まずは重い空気を変える試みをしてみませんか?

お子さんが辛い気持ちを吐き出しているのを耳にするのは、親として本当に辛いですよね。それがましてや親の事情である引っ越しが原因であるならば、子どもの辛さの矢がご自身に向けられているように感じることでしょう。 今は、娘さんの切なさと、ご自身の辛さが重なって、感傷的な空気が親子間に流れているのではないでしょうか。まずは、そんな空気を少し変えてみる試みを行ってはいかがですか。 例えば、親子で前の学校で良かったと思うところと、今の学校で良いと思うところを、ゲームのように順に挙げていってみる。最初の方は、娘さんの口から前の学校の良いところに対比させて、現状に対する定的な言葉が多く出てくるかもしれません。そこで親の出番です。「じゃあ、今度はちょっと一緒に今の学校の良いところを考えてみようか。」と少し声のトーンを上げて投げかけ、できるだけ娘さんから良いところを挙げられるようにしてみてください。すると、少しずつかもしれませんが、現状の良いところへ娘さんの視点を向けることができて、感傷的な空気に変化が起きるのではないかと思います。さらに挙げていった内容を書き出してみると、後で見直したときに客観的に眺めることができて、今の学校の良さを認識することができるかもしれませんよ。

子どもの順応性を信じて、見守ろう!

学校に馴染めずにいる子どもの姿を見るのは、親としてもつらいですよね。 私は以前小学校に勤務していたので、毎年多くの転入生に出会いました。 ある年の春、小2の女子が転校してきました。 転校当初は、子どもたちも物珍しさで取り囲み、その勢いに押されて転入生の女子は少し戸惑っている様子でした。ある日、一人でいる彼女と話しました。彼女は「前の学校が良かった。前の学校ではね…」と、今と前の学校の違いを話し「だから前の学校が良かった」と言いました。それを聞き「前の学校は○○だったんだね。こことは△△が違うんだね。学校によって違うことがあるから、困るよね」と、彼女の気持ちに寄り添いながら伝えると「うん…。でもね、そんなときは○○ちゃんが教えてくれるの」「助けてくれる人がいるんだね」「うん!そうなの!」そう言う彼女は笑顔でした。 1学期末には、仲良しの友達と元気に遊ぶ、彼女の姿がありました。翌年にはすっかり馴染んで、クラスの仲間とともに学芸会で頑張る姿がありました。 子どもは大人以上に柔軟で順応性があります。先回りして心配せずに、子どもの力を信じてみませんか。新たな環境で自分の居場所を見つけて一から関係作りをしていくことは、大変だからこそ人として成長できる大きなチャンスになります。 また子どもの愚痴のなかにもプラスの変化や楽しさにつながることが隠されていると思います。子どもの気持ちに共感しながらマイナスをプラスに変える視点で子どもに寄り添ええるといいですね。

離れてしまったお友達との繋りを大切に

お母さんご自身も、新しい環境に慣れるまでは何かと気を遣いますよね。そんな中でなかなか新しい学校に馴染めない娘さんの気持ちを受け止めるのは、辛いことと思います。 我が家の子ども達も転校した時「前の学校の方が良かった」と何度も言っていました。その言葉を聞く度に悲しくなり、この先大丈夫なのかと不安で仕方ありませんでした。 離れてしまったらもうお友達ではなくなってしまうのではないか、子どもはそんな風に思うのかもしれません。そこで私は子ども達に、お別れのカードをもらったお礼も兼ねて仲の良かったお友達に手紙を書くことを勧めてみました。一緒にレターセットを買いに行くことは楽しみにもなりました。子ども達は、その中の何人かと今でも年賀状のやり取りを続けています。 そのうち新しい学校でもお友達ができ始めたので、家に呼んで一緒に遊ぶようになりました。おしゃべりしながらおやつを食べてしばらく過ごすと、距離感がぐっと縮まったようでした。 前の学校のお友達との繋がりを大事にしつつ、新しい学校のお友達に家に遊びに来てもらう。我が家のやり方でしたが、その子なりのペースで新しい環境に馴染んでくるのでは、と思います。

お母さんが先に学校に慣れてしまおう

誰でも新しい環境に慣れるのは大変です。ましてや大人よりも変化に柔軟で適応力があると言われている子どもが辛そうだと、親としては先々が一層不安になってしまいますよね。でも一番身近な親が不安な様子だと、子どもにも影響しかねません。まずはお母さんの、その不安な気持ちを解消しませんか。 学校に行く機会を増やして、お母さんが先に学校に慣れてしまうのも手です。例えばボランティア活動。読み聞かせや環境整備、近隣の見回りなど、学校によって様々なボランティア活動を実施しています。参加することで学校の様子やお嬢さんのクラスメイトを知ることができ、また担任の先生とも頻繁に顔を合わせていれば、いざという時に相談しやすいですよね。保護者同士のつながりが出来れば、学校はもちろん地域の色々な情報も得られて、一層心強いと思います。 そうなればお母さんの心にも余裕が生まれ、お子さんの不安も大らかな気持ちで受け止められそうな気がしませんか。幸いお嬢さんは辛い胸のうちをお母さんに正直に話せています。これからも変わらずに、疲れて帰宅したお嬢さんの話しを、一緒におやつでも食べながらたくさん聞いてあげてください。お子さんにとって家が安らぎの場であれば大丈夫。学校に慣れる日はきっと来ます。

人は誰も変化が苦手

環境の変化は子どもでも時に大きなストレスになります。それは私たちの脳が変化を嫌うから。「今までのやり方で安全に生きているのに、変わってしまったら危険だ!」と、変化に抵抗する本能が備わっているとか。こうした脳の特徴を知ると、私たち人間は変化に慣れるのが苦手で、時間がかかるのは仕方がないことだと納得できますよね。 お嬢さんも日々学校に慣れるために頑張っています。そのペースが親の想像を超えて、ゆっくりなのでしょう。でもここは子どもの持つ柔軟で素晴らしい適応力を信頼しましょう。親の気持ちの余裕こそが、子どもにとって無条件に安心できる場を作ります。このかけがえのない安らぎの場がある限り、子どもはいつだって、何度でも心に英気を養うことができます。お母さん、まずは大らかな気持ちで。お嬢さんはきっと大丈夫!