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小3の娘の「めんどくさい」に困っています

小3の娘は、失敗するのを恐れているのか、新しいことにチャレンジしようとしません。
習い事を色々と提案してみても、「めんどくさい」「やりたくない」と全く興味を示しません。 運動が苦手で、体育の授業がある朝は「見学する!」「学校休む!」と言い張り、毎回言い争いになります。 思い通りに行かないとすぐ「できない」「わからない」と口にし、苦手なことや、困難なことから逃げてばかりで、精神面の弱さが気になります。
どうしたら逃げずに頑張れる子になるのでしょうか。

失敗しても大丈夫!親子で失敗や苦手なことを話してみよう

我が家の息子も苦手なことをなるべくやらなくて済むように避けている時期がありました。 逃げずに頑張ってほしいと願いながら、子どもの出来ているところを認め、大丈夫だよと伝えても、やっぱり「やりたくない」と言って、失敗を恐れているようでした。 気長にじっくり話していくと、 「パパもママも出来ていたから、出来ない気持ちがわからない」というのです。 「パパもママも苦手なこといっぱいあったよ」と励ます気持ちでいつも話していたはずなのに、なぜ?と驚きました。 どうやら、息子に逃げずに取り組んでほしいと思っていた私たち夫婦は、苦手なこともあったけど自分なりに頑張った話や、 失敗したけど次は頑張れた話をしては励ましていたようで、それが息子には「頑張れば出来る」というメッセージとなり、かえってプレッシャーになっていたようです。
それからは、頑張ってできた話よりも、ちょっとずるした話や、赤っ恥をかいた話、大目玉を食らった話など、頑張れなかった話をし、 親だってダメなところもあるし、失敗もいろいろしたけど、こうして大人になってるよ~という人間味のある部分を見せるようにしました。 「えーっ、パパもそうだったの?」「ママ、そんなことしちゃだめじゃない」なんていいながら、自分のことも少し気楽に考えられるようになったのか、 少しずつ自分へのOKのハードルが低くなっていきました。

言葉の裏にある、子どもなりの理由は何でしょう

「めんどくさい」「やりたくない」「できない」「わからない」、親が子どもから聞くとうんざりしてしまう言葉ばかり。 挙句の果てに、「見学する!」「学校休む!」と言われたら、親の怒りスイッチはオンになってしまいますよね。 でも、親の耳には否定的に聞こえるその言葉や行動、娘さんの本当の気持ちも否定的なのでしょうか。 もしかすると、娘さんにとって良い状態でいるための理由付けである可能性はありませんか。
例えば、娘さんが習い事をやりたくないのは、娘さんは習い事に行くよりも家でゆっくり時間を過ごす方が快適な時間なのかもしれません。 また娘さんが「できない」「わからない」と言うのは、「本当はできる自分でいたいという気持ち」を保つため、できない自分と向き合いそうになる場を避けているのかもしれません。 もしそうであれば、いずれも、娘さんにとっては良い状態でいるための肯定的な理由だと思いませんか。
娘さんの言動の裏にある彼女なりの肯定的な理由はなんでしょう。 まずはじっくり娘さんを観察し、その理由を見つけてみてはいかがでしょうか。 その理由となる気持ちがわかって、親が肯定的に受け止めてあげれば、娘さんとのやりとりにも変化が起きるかもしれませんね。

小さなことでも、克服する体験が役に立つ

うちの息子は学校の水泳が大嫌いでした。 スイミングスクール経験がなく泳げないため、水泳の級はあがらないし、夏休みの学校プールも行きませんでした。 学年が上がるにつれ周囲との差は歴然とし、水泳の朝は毎回「休みたい」「雨で中止になってほしい」と言っていました。 四年生の時に何かできないかと調べ、個人指導をしてくれる所があるよと提案しました。 気のりしない様子だったので「自転車の練習の時と同じだよね」と話しました。
保育園生の頃、息子は自転車の練習が嫌いで補助輪付きのままでした。 その時周囲のお母さん達が「うちの子達と一緒なら練習するのでは」と声をかけてくれ、何回かみんなで練習したところ、 ついに補助輪が取れたのです。 「あの時練習しなかったら今でも補助輪付きだったねぇ」と話したところ、息子は少し考えて「個人指導に行ってみる」と言いました。 近所は嫌だというので家から離れた所にしました。そこに何回か通ったところクロールと平泳ぎがなんとかできるようになりました。
中1になった現在も水泳の授業は好きではないようですが、今回のテーマを見て「スイミングの個人指導に行ってよかった。 この子も何かそういうものを探してみたらいいと思う。あの時何もしなければ今も泳げなかったよ」と言っていました。 小さいことでも娘さんが何か苦手を克服する経験があれば、次につながることがあるかもしれません。 そして親がいつでも力になりたいと考えていることを伝えてあげたら、娘さんも心強いのではないでしょうか。

娘さんのペースを感じてみませんか

もしかすると、お母さんは活発で、できないことは努力して頑張るタイプかもしれません。 そういうお母さんから見ると、タイプの違う娘さんのことは心配になるのかもしれませんね。 「めんどくさい」「やりたくない」と苦手なこと、新しいことにチャレンジするのが不安な気持ちをそのまま口に出せるのは、お母さんだからでしょう。
自分自身のことを振り返ると、新しい習い事を始める時など、不安な気持ちがあってもあまり言わずに、自分の中で解決しようとしていたように思います。 一方で、私の娘は学校行事など苦手なことは「もう、やだ。やりたくない」とはっきり口に出すことが多く、こんなに自分の気持ちをはっきり口に出せるものなのかと、 羨ましくなることもあります。 娘の話を聴きながら「そうだよね、やりたくなくなるよねえ」などと相づちを打っていると、嫌な気持ちを吐き出せたのかスッキリした表情になっています。 その後は彼女なりに何とかやっているようです。
新しいことや苦手なことに対して、「よし!やってやろう!」と思うより、「できるかなあ、心配だなあ」という気持ちで頭が一杯になり、その気持ちが言葉になって溢れてくる。 「この子はこんな風に思っているんだなあ」と受け止め、娘さんのペースを感じてみることから始めてみてはいかがでしょう。

まずは得意なことを伸ばそう

どんなお子さんにも得意なことがあるはずです。 苦手で嫌なことに挑戦させる前に、まずはお子さんの好きなことや、得意なことを、とことん伸ばしてあげるよう、サポートしてみてはいかがでしょうか。 例えば習い事も親と一緒に楽しめるようなものを選び、お互いの頑張る姿を見ることは、とてもいい刺激になります。 とくにお子さん自身が、自分の成長を自覚することで、しだいに諦めずに努力できるようになります。 好きなこと、得意なことに一生懸命になって、小さな成功体験をたくさん味わえるようになれば、お子さんは自然と新しい世界に興味を持ち、行動するようになると思います。

失敗というチャンスを見守ろう

新しいことにチャレンジする時には、大なり小なりみんな不安に感じるものです。 でも失敗を恐れながらも前に進まなければならない時は、誰にでも訪れますし、私たちもそれを乗り越えてきからこそ、今があります。 お子さんにも、この先乗り越えなければならない経験がたくさん待っています。 理想はいざという時に逃げずに向かっていける子になって欲しい。 けれども実際には逃げ続けてしまうこともあるかもしれません。 それでもきっと大丈夫。 私たちがそうだったように、未来は、なるようになるのだと思います。
せめて親が心がけたいのは、お子さんが失敗するチャンスを奪わないこと。 たとえ弱音を吐いたとしても口や手を出さずに、ぜひ、おおらかな気持ちで見守ってあげてください。 そのうちうまくいく、という親の前向きな考えと行動は、きっとお子さんにいい影響をもたらすことでしょう。