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乳幼児期学童期思春期凸凹っ子

時間にルーズな高1息子に困っています

朝、起きられない。ゆっくり朝食を食べ、慌てて準備して出かける。準備不足で忘れ物も多く、部屋も汚いので探し物をすることも多いです。痛い目にあっても改善されません。 もともとのんびりやさんで、焦る事がありません。テスト前もそうです。勉強が間に合わなかったとしても、時間がなくても焦りません。小さい時から、学校の準備や時間を守る事は口うるさく言ってきました。 計画的に進めるよう一緒にやったりもしました。お風呂や食事、ゲームの時間は、こちらから指定するのではなく、本人に決めさせても守りません。 うるさがられるし、高1にもなってと思うので、1回言ってやめるようにしましたが、それでも変わりません。 反抗期もあるので、何も言わないと決めつつ、このままでいいのかと、悩みます。

人は任されたら、そこから自分で学び取る力を発揮することができます

マイペースのお子さんに困っておられる様子が伝わってきます。特に、親のペースが速いと余計にイライラしますね。 比較的前もって準備をして、その場で困らないように心がけている親にとって、のんびりやの子どもは悩みのもとですね。

さて、人には生まれついての傾向があります。ご相談にもあるように、お子さんはもともとのんびりやさんなのでしょう。 この人に、何でも早くやらせようというのが無理な話です。まずは、のんびりやさんを受け入れることが重要です。 親にとっては修行以外の何物でもありませんが、その子をあるがままに受け入れると次のステップが見えてきます。 次のステップは、のんびりしていては困ることがあると気づかせることです。 のんびりしていると困ることがあると学ばせるためには、その第一歩を子どもが自発的に踏み出すことが求められます。例えば、朝8時に校門をくぐるとしましょう。 そのためには、7時50分に玄関を出るとしたら、子ども自身がその時間に「さあ、出かけよう」と思うことがベストです。 そう思って出かけたのに、8時を5分も過ぎてしまったら、あるいは教室にたどり着いたらもう遅刻だったら、子ども自身が「え!なんで?」と考えられます。 ところが、「さあ、出かけよう!」と思ってもいないところで、「早くしなさい」と急き立てられ、ぼんやりと意識もしないままだと、その後に起こることも自分事として受け止めることができません。 親が言ったとおりにやっているだけで、自分で考えていないので、実は困ってもどうしていいかわからないまま現状を受け入れてしまうこともあるでしょう。 つまり、人は自分で考えて行動する習慣を身につけない限り、自分の現状を変える力を養えません。 親が口うるさく言えば言うほど、その指示にさえ従っていれば何とかなるので、さらに考えることをしなくなります。 思春期に入る前は、それでもなにかと親の言うことを聞きますから、日々のことは何とかなります。 ところが、10歳を過ぎるころから少しづつ親の言うことは聞かなくなります。できる限り、中学生になるぐらいまでに思考力を養っておきたいものです。 「〇〇だから、こうしておいた方がいい」「△△のためには、今はこうしよう」と言う、未来から逆算して今何をするべきかを決める思考力です。

お子さんの場合、のんびりやであることが問題なのではなく、思考力を養われなかったことが残念です。では、どうすればいいか。 今からでも遅くはありません。お子さんに全てを任せて、見守ってください。これは親にとっては苦行です。でも、それしか方法はありません。 そして、人は任されたら、そこから自分で学び取る力を発揮することができます。まずは、じっくり話し合ってみてください。 これまでいろいろ口出してきたが、もう高校生、あなたに任せた方がいいと思うと。朝起きることから、成績のこと、あなたに任せます、と話してください。

そして、本当に任せるのです。16歳と言えば立派な大人、あと2年で選挙権も手にします。大人として接してみてはいかがでしょうか。