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乳幼児期学童期思春期凸凹っ子

高校1年生不登校になりました。

育て直しをしたいので、毎日ちょっとした手紙を書こうかと思うのですが、どんな事を中心に表現したらよいかわかりません。また、こんな方法で心に響くかもわかりません。ちなみに娘は受験の日に「落ちてもいいよね」といって、出掛けるタイプだそうです。やるだけやってきな、大丈夫だよ。と言うと良いそうです。 言葉尻を捕まえて怒り、何に対して怒るかわからないので気を使います。頼りない親でイライラするのではないかと思いますが、何とか方法を教えて下さい。

私たちが親と一緒にやっていることをご紹介します

ご心配ですね。しかも、「言葉尻を捕まえて怒り、何に対して怒るかわからない」 とかなり不安定な様子。育て直しと言うことは、育て方に何か問題があったとお考えでしょうか。多くの方々が、お子さんの不登校や心配なこと、問題行動等で相談されます。私たちが親と一緒にやっていることをご紹介します。

まずは、子どもの状態を確認します。不登校になる原因が何かを探します。学校に問題があるのか、家庭にストレスがあるのか、子ども自身の問題か。学校に問題がある場合は、先生に協力を仰ぎ、問題の解決を進めます。最近は学校には大きな問題がない場合も多いようです。

次にするのは、「親を止める」ことです。親を止める、と言うのは変な表現ですが、文字通り親を止めます。親は、子どもが生まれたときからずっと、それ以前からかもしれませんが、自分の理想をもって理想通りに我が子を育てようとします。それが子どものニーズにぴったり合っていれば言うことはありませんが、多くの場合そうではありません。子どもがやること言うことに自動的に反応して、その反応からまた親子の間に葛藤が生まれます。子どもが不調な時は、親が子どもを支えるのですが、葛藤がある関係ではなかなか支えることができません。親子の信頼関係があるからこそ子どもは安心して親のサポートが受けられるのです。そこで、理論的に親の納得を得て、日々の行動の中で親自身が自動的に反応しないように、まさしく自分を止めるよう意識します。

次は傾聴です。止まると同時に、親は傾聴します。順序は必ず、親が自分を止める、そして傾聴するの順で進みます。自分自身を止めないまま傾聴すると、それはまた親の価値観の押し付けになってしまいかねません。傾聴は、コーチング対話の入り口で、傾聴ができるようになると、親子の信頼が生まれ始めます。止めることも傾聴も簡単ではありません。それは、親が自分と向き合うことだからです。それができるようになると親の中に自信が湧いてきます。1‐2ヶ月で変化が現れます。子どもは落ち着き、親が子どもをサポートする体制が整います。

そして、承認です。このころから親からの積極的な言葉がけ、新たな情報を伝えます。親子ともに落ち着き、親子の間に信頼が生まれると、子どもは親のメッセージを受け取れるようになります。信頼がないまま親がメッセージを発するとそれは曲がって伝わったり、新たな葛藤を生む元となります。

そして、いよいよ最重要な、子どもの不登校をどうするかを考え始めます。子どもの希望や状態、様子によっては早々に学校へ戻れるよう、その子の気質に合ったサポートをいろいろ工夫します。気質に合った声掛けができると、すんなりと登校できる場合もあります。お子さんの発達に凸凹があったり、繊細な傾向が強い場合は、元の学校に戻らず、別の進路を模索する場合もあります。いづれにしてもタイミングを逃さず次の一歩が進めるようご家族をサポートします。

私たちが親たちと共有するのは知識と実践です。親が得る人育ての知識は、その後のお子さんとの対応で大変役に立つものです。そして、親が自分とお子さんの現実と向き合う勇気を引き出します。子育てでは一番大切なことかもしれません。そして、その実践です。私たちは子どもの代わりに人生を生きることはできませんが、頑張る子どもをサポートすることはできます。そのための対話法や対応法の実践です。どれも一朝一夕で手に入るものではありませんが、学ぶにつれ親子ともに成長するのを感じ取れます。

子育ては私たちを大きく育ててくれます。応援します。ともに前進しましょう。