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乳幼児期学童期思春期凸凹っ子

4歳男子・お友達と一緒に遊ばず、いつも一人でいます。

4歳の男子です。言葉の教室に通っていますが、意思疎通が難しく園での集団行動が取れません。先生やお友達に誘われても、一人おもちゃで遊んでいます。 そんな息子を見ると切なくなります。もっとお友達と交流を持って欲しいのです。言葉が増えればみんなと同じに遊べるでしょうか

我が家で起きたこと


一人で遊んでいる息子さん、気になりますよね。お気持ちよくわかります。私もそうでした。次男(24歳・ASD)も発語が遅く入園前から言葉の教室通い。 通園すれば多くの人の中で語彙も増えるだろうと期待していましたが、みんながお遊戯や歌を歌う中、教室の隅で一人、レゴやお絵かき。 園庭では砂場で黙々と山づくり、アリの行列を飽きずに観察。兄は社交的で、公園で出会った子と直ぐにお友達になる子でした。 それぞれの個性と私なりに受け止めていたのですが、本音ではもっと話せるようになれば、彼もお友達と遊ぶことが出来るかもと願っていたのです。今回は、この時期に起こった私の2つのエピソードをご紹介します。

◆木を見て森を見ず
言葉の発達は個人差が大きくあると言われますが、ある程度の年齢になると痺れを切らした身内から愛ある?指摘を受けることも多く、随分悩みました。 必要な事はしているはずなのに…。ところが、ある日思わぬ原因が見つかります。それは、聴力でした。呼びかけに反応していたので、安心していたのです。 しかし、『難聴かも?』何故かふと思い立ち総合病院の耳鼻咽喉科を受診します。結果は左耳の滲出性中耳炎。鼓膜の内側に水が溜まり聞こえが悪くなる気づきにくい病気でした。 更に小児難聴言語外来を受診すると口周りの筋肉が弱く、舌の動きも鈍いので言語聴覚士の訓練と療育が必要です。遅れの原因は受信器の耳だったです。愕然としました。 私は受けていた指導方法、発信ばかりに気を取られていたのです。《木を見て森を見ず》です。熱くなるときほど、冷静になって本質を見ることが大事と実感した出来事でした。

◆友達ができない子は残念な子?
同じ頃の話です。買い物先で息子たちがファミリーサポートでお世話になっていたシニアのTさんにばったり。最近どう?と、話題は次男に…。 すると「彼はドングリを見つける名人!夢中になって探すのよ。一人を楽しむのが上手なお子さんね。」 その言葉にハッとしました。 次男は『友達ができない子』ではなく、『一人を楽しむことができる子』 私の視点が切り替わったのです。次男は彼のまま、レゴやお絵かきを楽しみアリの世界を知るのが好きな子『そういう子』なのです。Tさんは、私の知らない彼の姿を教えてくれました。肩の力が少し抜けた気がしました。

今、思えば言葉の遅れも一人遊びも、当時は情報が少なく気負い過ぎていたのかもしれません。温かい眼差しで次男を理解してくれ、私に彼の良さを伝えてくれたTさんの存在はとても有り難かった。
凸凹っ子には、彼らを理解してくれる大人たちが必要なのです。その後、私は意識的に理解者を増やす活動をし、次男にもその環境を取り入れました。それは同時に私自身が親以外の視点を持つためでもありました。
私達は意識せずに落とし穴にはまることがあります。それは、他の子、他人との比較、『普通』という正解のない言葉です。私もよくハマりました。でも、その状態に気づけば大丈夫、脱出できます。私もだいぶ脱出が上手くなってきました。
さて、お友達!学校にあがるとゆっくりですが、『好き』を通して気の合う友達も増えていきました。ゆっくり慌てず、我が子のスピードでいきませんか?見えなかった景色も楽しめます。